貸し借り対照表 | 10go9

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親父は明治生まれ、

時代背景もあり、またその成育史がそうさせたのか、

借りるぐらいなら、我慢する。

本能的に借りることの怖さを知っていたのかも・・。

他人に頼ることなく、自分で出来ることは、先ず自分でやる。

一人は非力。それでもやっている内に、テコの原理に気付いたのかもしれない。

 

何が資産で、何が資産でないのか、

はやくから見抜いていたようである。

親父は本家で養育されているうちに、百姓技術その全てを学んでいる.昔風に言うと、跡取りならば、それさえマスターしていれば、代々喰っていける。

親父は農業を手伝いながら、ヒマな時は地場産業の釣り針製造工場に通っている。手先が器用、仕事が丁寧、口数は少ない、コツコツ努力型。着実に実力養成していたようである。

 

戦争も終わり、時代も微妙に動く。

動かない不動産も微妙に動く.百姓仕事は本家で手一杯。

本家の伯父は親父の百姓能力を知っている。

跡取りの長男息子が戦争から帰ってきたことでもあり、

さらなる百姓基板盤石に打って出る。

百姓仕事はすべて息子に任せ、親父を解放した上で、微妙に動く土地情報を教え、その購入を勧めた。

釣り針職人として喰って行けるかもしれないが、兼業農家でやっていくことを支持したようだ。

親父はそれに従った。伯父夫婦もそれなりの義務を果たし、支援して親父を解放したようである。

 

一本立ちした親父は、

何が資本で、何が資本でないのか、

借りとは何か、貸しとは何か、

何も言わなかったけど、

貸し借り対照表、バランスシート、その本質を早くから本能的に見抜いていたようである。