両親を見直したのは、両親が逝ってから・・。
いる間はそう気付かなかったが、
一人になってから時々変な夢を見る。
フウテンの寅さんみたいに、
親父もしくは母が、長旅をしたまま、中々帰ってこない。
それ自分の専売特許だと思うのだけど・・。
頭の中では何となく分かっているンだけど、
それにしても、遅い。
そろそろ捜索願でも出さんとなぁ~。
と、思ったところで、目が覚める。(笑)
このトラクターの引き上げ、相当困難。
・・かと言って、業者に頼めば簡単かと言えば、そうでもない。たぶん他の機材を持って来て引き上げることになる。
道が細い。大型トラクターをここに入れるのも大変。
その連絡や対応、立ち会い、その時間的ロスは相当大きい。
親父ならどうするだろう、と考えた。
答えは一つ。親父なら自力で何とかする。
たとえ時間が掛かろうとも・・。
親父は意思表示の少ない人。その分利用されることが多かっただけに、貸しをつくるぐらいなら、全て自分で片付ける人。
借金をするぐらいなら、我慢する。その忍耐力は相当なモノ。
たとえ血は繋がっていなくとも、息子としては見習うべきである。
今回のトラブル、離農して20年、トラクターが小さい。
車巾がなくてすぐ傾いたが、まだ徹底的に沈めてはいない。
歩み板さえあれば、まだ自力脱出の可能性はある。
軽トラを借りて、親戚筋を動員しようかと思ったが、
ここは親父を見習って、乗用車のリグライニングシートを倒し、折りたたみの歩み板を積み込んだ。
草刈り機だって、ホーク、ガンジキ、鍬、備中も、すでにそうやって、運んだのだから。
土地登記した当初から、いつかはこんな日もあるかと、覚悟はしてたのだから。