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旅中毒

バックパックと少しのお金とパスポートがあればいい。行けば行くほど行きたい場所が増え、人生狂って後悔なし!

2019/4/29

 

翌日は朝ごはんを食べてから港のバス停へ。自転車でメイズハウに行って戻ってこようかとも思ったんですけど、どうせ今日はメイズハウのそのまた先のカークウォールに向かうのだから、ストロムネスに戻ってくる必要もないしねえ。てことで、バスで行くことにしたの。

 

ホテルのある通りがストロムネスのメインストリートだから、昔の古い建物が残っているのだ。優雅ねえ。

 

これ、玄関の上にタウンハウスって書いてあるんだ。タウンハウスってお金持ちの別荘という意味だったり、スコットランドではタウンホール(役所)という意味だったりするそうですが、やっぱ普通のおうちではなさそうだよねえ。立派すぎるもの。

 

同じ並びにある建物。きっと町で一番の豪商の店舗(兼住宅)や官公庁が並んでいたんだろう。

 

早朝と日暮れ後にしか通らなかったから店が開いている時間を知らないんだけど、港に面した広場には観光案内所や土産物屋さんがある。そしてストロムネス出身の冒険家ジョン・レイ博士の像がある。北極圏を探検したそうだ。

 

バスはフェリーターミナルの前から出ます。人が一人立っている、ベンチのあるそこね。ああ、港のカフェにも入ってみたかったなー。外を色々見て回るのを優先しちゃうから、お茶する時間が取れなかったよ。


 

さて、メイズハウのビジターセンターに到着し、予約した通りに10時のツアーを購入。まだ時間があったので外に出てぼんやりしていたら、ツアーバスがやってきました。でもまだ時間になっていなかったので、ドライバーさんはお向かいの農場に時間つぶしに行ってしまった。いつもそうしているんでしょうね、ドライバーさんが近づいていったら馬が2頭、とことこと寄ってきたよ。仲良しなんだなあ。

 

これがシャトルバス。ビジターセンターと遺跡を往復します。

 

ドライバーさんのほか、ガイドさんが同乗します。車内で簡単にツアーの説明をしているうちにすぐ到着。バスを降りて、遺跡まで歩いていきます。

 

前方を歩くツアー客の防寒具合とガイドさんの服装…。


さて、メイズハウ。紀元前2800年頃のものと推定され、見つかっている中では世界最古の円形古墳なのだそうです。

 

 

最近の研究では、もっと古い時代にはこの古墳があった場所には家屋があったとされているらしい。で、その家屋がストーンサークルに取って代わられ、そのストーンサークルも解体されて古墳に使用されているらしい。土塁の周りには幅14メートルのお堀があったって。

 

昨日見てきたアンスタン古墳と同じ、羨道墳です。こっちの方がずっと大きい。

 

土塁は直径35メートルもあり、高さも7.3メートル。羨道は11メートルと結構長く、でも高さは1メートルもないので、かがんで進まないといけません。この羨道には冬至の際に夕日が真っ直ぐ差し込んで玄室まで届くそうです。日の光が差し込む直線上に他の遺跡があったり、やはりこの手の遺跡は昔から天文学的な知識に基づいて作られているようだ。

 

羨道の突き当りに玄室があり、入り口を除く三方向の壁に穴があって、小部屋みたいになっていました。玄室はほぼ正方形で、一辺が4.6メートルとなかなか大きいの。10人くらいのツアーグループが丸ごと入ったものね。高さは3.8メートルあります。

 

この古墳、12世紀にヴァイキングの襲撃で天井を壊され侵入されているんですよ。で、その侵入者は壁にルーン文字で落書きを残しました。蛮行ではあるのですが、ほぼ1000年前のことですので、今となってはそれも歴史の一部として、見学時の目玉とされております。

 

ルーン文字の落書きのほとんどは「これを書いたのは○○」「△△が斧でこれを書いた」というレベルの、要するに名前を書いた落書き。その他に、「ソルニがヤッた。書いたのはヘルギ」だの「インギゲルスは世界一の美女」だのと言った内容のものも。

 

その他に絵もいくつか彫られているのですが、そのうちメイズハウ・ドラゴンと呼ばれているこれが有名。ライオンではないかと言う説もあるそうです。後でこのデザインのTシャツを買ったよ。

 

中は撮影禁止なので、写真や詳しい説明(英語)はこちらのサイトからどうぞ。
 

遠くにストーン・オブ・ステネスが見えている。

 

ガイドさんはなかなか面白い人でした。

 

メイズハウの説明はもちろん、ここをはじめとするオークニーの遺跡がどれほど素晴らしいかマシンガントークで語りまくる。一番面白かったのは、リング・オブ・ブロッガーについて熱く語っていた時。

 

ガイドさん 「リング・オブ・ブロッガーは世界最大のストーン・サークルなのです!」

ツアー客 (無言で 『えっ、そうだったっけ…?』 みたいにお互いに視線を交わす…)

ガイドさん 「郷土愛です」

 

大爆笑になりました。
 
これはバーンハウス・ストーンと呼ばれるスタンディング・ストーン。昨日も自転車で走っている時に見かけたんだけど、ほかにも小さなスタンディング・ストーンを見ていたので、写真に撮るほどでもないような気がして、撮っていなかったの。でもガイドさんが「あれをご覧ください」的に説明するのを聞いたら、撮りたくなっちゃうんだよな~。バスの中からだからちゃんと撮れていない、バカ。
 
 
さて、ビジターセンター前からカークウォールに向かうバスに乗ります。てゆかストロムネスからカークウォールに行くバスがビジターセンターの前を通るの。
 
でねー、フィンズタウンでバスの待ち合わせをして何分かストップしていた際につくづく思ったんだけど、昨日の遺跡巡りも、バスを使った方が良かったんじゃないか?

 

 
黄色バスでスカラ・ブレイに行くでしょ。それから更に北上して赤に乗り換えてバーゼイに行って、緑でイーヴィーまで行ってブロッホ・オブ・ガーネスを見て、フィンズタウンまで下って、ストロムネスに向かって戻りながら途中で降りてリング・オブ・ブロッガーとストーン・オブ・スタネスを見て、更に戻る途中でメイズハウを…
 
とか思いつつ時刻表を見て己の浅はかさを思い知りました。便数が少なすぎて全然ダメ。ああ、レンタバイクに電動自転車があればいいのに。いや、私自身が体を鍛える方が手っ取り早いかも…。
 
自転車をバスに乗せていいなら、部分的にバスを使うとかで効率的に回れるかもしれないけど。
 
えーと最後に… ちょっとグロ注意かもしれませんので空白行を開けますね。
なんでこんなの撮ったんだろうと思ってたけど、シャンティcocoさんが載せてた写真に勇気を得まして、私も載せてしまおう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ビジターセンターの駐車場の隅っこに転がっていたちっこい子。鼻が長い。仔モグラ?
 
周りは畑ばかりだもの、こういう動物も普通にいますよね。なんで駐車場なんかに入り込んじゃったのかわかりませんが。
 

2019/4/28

ストロムネス旧市街、家そのものはそれほど古くないのかもしれないけど、狭い場所に複雑に路地が発達していて、大変楽しい。道が極端に狭くなっている場所、行き止まりかと思ったら横に抜けて行って、小さな広場のような場所に出たりするの。

また何やら気になる通り道が… どこかに通じているのか、戻ってくる羽目になるのか…
  
 

ここに出ました。なんていう場所だったのかな。これくらい小さな場所になるとグーグル・ストリートビューにも出てこないので後からでは調べられない。

 

正面の路地からここに出てきたの。

 

なんか水が流れていた。この上にある道路の辺りも通ったけど、川なんてなかったと思うんだけど…

 

この左手にも路地があるんですよ。

 

 

 写真の位置関係も記憶が曖昧に…
 


ダンダス・ストリートの猫さんたち。

 

 本屋さんのお隣にある、スロトムネス教区教会。
 


こちらはストロムネスの市役所です。教会かと思ったわ… というか、元は教会だった建物を役所に使っているのだ。町で一番音響のいい建物だから、コンサートにも使われるそうですよ。収容人数は300人くらいだって。

 

ストロムネスホテルのお隣の前庭の前に、掲示板があります。オークニー・ノルウェイ友好協会によるディナー・ダンスのお知らせ。やっぱりノルウェイとは特別な絆があるんだね。古くから住んでいる住民のご先祖はノルウェイからの移住者だし。(もっと古いのはピクト人)
 


オークニーの人は自分たちを「オーカディアン」と呼ぶそうです。彼らのアイデンティティはまず『オーカディアン』で、その次に『スコットランド人』なんだってさ。その意味では、彼らにとってはオークニーとスコットランドは別のもので、スコットランドとはペントランド海峡より南にあるのだ。移住して200年やそこらの新参の一族はフェリー・ローパーズ(ferry loupers)と呼ばれるそうな。

役所でケイリーを毎週やっているんだって! これ参加したかったなあ。私は一切踊れないけど、初心者もビジターも歓迎だって。今度ストロムネスに行くなら火曜日を含むようにしよう。映画「市民ケーン」の上映のお知らせや、ガイド付きウォーキングツアーのお知らせもある。


 

 

この晩はホテル内のバーで地元の民話や伝承を語るストーリーテリングのイベントがありました。とても行きたかったのですけど、受付で聞いてみたら「団体客の予約が入っているから多分もう席はないと思う」と言われたので、無理にお願いするのも面倒くさくてやめちゃった。

で、レストランが閉まってしまわないうちに、今日こそはホテルのレストランに入りましたよ。まずカクテルを頼んだとメモに書いてあるけど、すでに記憶していない。

まずはスープ。今日のはチャウダーです。



そしてビールとともにスズキのソテーとお野菜を頼みました。 
 


何を食べるかは、かなり迷いました。オークニーを離れた後は主に内陸の移動になるし、海産物を食べておきたい。オークニーに来ているという旅情を盛り上げてくれるものは… とかメニューを睨みつつ悩んでいたら、私がメニュー内容を理解できないと判断したらしい若いウェイター君が、親切に一つ一つのお料理を解説してくれました。で、彼の一番のおすすめがこれだったの。美味しかった~!

そして、彼の英語がいささかわかりにくくて、「こ、これが!スコットランド訛りというやつね!?」と変に感動したのでした。だって、それまで、誰と話をしても別に聞き取りにくくなかったんだもの! きっと皆さん、外国人だから気を付けて話してくれていたんだな。


チップスや野菜がたっぷりあったからか喉が渇いて、ビールをおかわり。お腹もいっぱいだし酔いも周って、いい気分で部屋に戻り、そのまま爆睡といういつものパターンをたどりました。夜の町歩きもしたかったし、バーにも行ってみたかったなあ。

 

2019/4/28

 

帰る途中、スーパーマーケットに寄ってみました。ストロムネスの港の、フェリー乗り場とは反対側の端にあるよ。今回は自炊しないので特に買い出しはないのですが、やっぱり見てみたいよね。焼き菓子類のコーナーがやはり魅力的でしたわ。追加痛くなっちゃう。じゃなくて、つい買いたくなっちゃう。

 

さて、無事に自転車を返し、まだまだ明るいので町歩きに出かけました。商業地区はメインストリート1本だけです。でも結構長いよ。

 

夕暮れ時の日陰なので、写真にすると見づらくて。反則だと思いつつも後から露出やら何やら調整しているんですけど、白っぽくなっちゃうんだよねえ。

 

色々お店はありますが開いていない。日曜日だから閉まっていたのかな。日曜日なら商店や飲食店は営業するはずと言うのは大きな都市の感覚ですよね。北欧を周遊していた頃も、小さな町で日曜の買い物や食事に苦労した。キリスト教的には日曜日は安息日だからどこも営業しない習慣なのだ。ケバブ屋さんが旅行者の強い味方なの。他は、開けていても閉店時間が早かったりね。忘れられないのがスペインのアンテケラ。日曜の朝に開いているのはバールと教会だけでした。

 

てことでストロムネスではショッピングもカフェも楽しめなかったのですが、外から見て印象的だったのはこちら、本屋さんね。ちなみにメインストリートは区画によって名前を変えていきます。ホテルの前あたりはビクトリア・ストリートですが、この書店の辺りでダンダス・ストリートになる。

 

ダンダス・ストリートを更に南に行くとアルフレッド・ストリートに、そしてやがてサウス・エンドと名が変わる。サウス・エンドのここがちょっとした広場になっているの。公衆電話はまだ現役のようでした。

 

この広場にストロムネスの博物館もあるよ。


ヘリホール・ロードにあるこれは「Garrison Hall」と表札が出ていたよ。昔の駐屯部隊の本部かな。今は基地はないよね…? てゆか、なぜにノルウェイの旗が? 8世紀後半から15世紀半ばまでノルウェイ領でしたし、そういう歴史的な経緯や地理的な関係からノルウェイと友好団体があるとか?

 

と思ったら、これ、オークニーの旗でした。

 

ノルウェイの旗だと白になっている部分がオークニーの旗では黄色なのだ。2007年に採用されたばかりの新しいデザインだって。黄色と赤は、スコットランドとノルウェイの国章から。青はスコットランド国旗と海の色から。(下図、スコットランドの国章とノルウェイの国章です)

 

 

青はスコットランド国旗から… つっても、デザイン的にはノルウェイ国旗に近いよなあ。

 

 

ま、元がこのデザインだもんな。(2007年まで使われていたオークニーの旗)

 

他にも4つ候補があって投票で決まったそうだ。こちらですべての候補を見れますが、うん、私もこのデザインを選ぶ。

 

ストロムネスは坂の多い町だなーと眺めていたんですが、よく考えたら午前中に自転車で苦労したんだった。この頃には忘れていたわ。

 

じゃあ、また下っていきましょう。フランクリン・ロードを…

 

 

 

市街を歩いた中では一番好きな場所がここ。フランクリン・ロードから…

 

こっちに行くと、バランデンズ・クロース(小路)。

 

バランデンズ・クロースを下っていき…

 

振り返ってみたところ。

 

戻ってきて、

 

カイバール・パス(小路)に入っていきます。

 

こっちは本当に小さな通り道で…

 

 

通り抜けると、ダンダス・ストリートに戻るの。

 

2019/4/28

 

ストーンズ・オブ・ステネスを出てすぐの場所にあるメイズハウ(オークニーの有名な古墳)のビジターセンターに寄ってみる。そしたらねー、最終16時のツアーが出ちゃったところでしたっ! ガイドツアーでしか古墳見学はできないの! 空席もあったそうなのに、大失敗じゃ! あとちょっとだけ早く来ていたら入れたのにーーー! きちんと調べておけば良かったのにーーー! 朝にホテルを出発した時点では全然違う予定を組んでいたのもあるけど…。自前のWi-Fi があれば計画を変えた時点でメイズハウのこと調べたりもできただろうにねえ。
 
また明日来てくださいね、と言われまして、少し迷ったけど翌日の午前10時のツアーを予約しました。ちなみに、メイズハウは平日はツアー回数が減るから気を付けて! 必ず公式ウェブサイトで確認しましょう!チケットもネットで購入できます。
 
ああ、最初の計画では、翌日の午前中はホイのおじいさんを上から眺めに行く予定で、フェリーの時刻表も調べてあったのに。フェリーに自転車を持ち込んでさ、まずはホイ島のモアネスに渡って、おじいさんに挨拶したら南に下っていって、スキャパ・フロウをちょっと見学してさ、リネスからメインランドのハウトンに戻って、サガ・センターが目と鼻の先にあるからちょっと寄って、それからストロムネスに戻る… 
って、どう考えても午前中だけじゃ無理だ。次に行った時にやろう。

 

仕方ないので後は帰るだけだわと思ったけど、走っていたら、道路脇に「Unstan Tomb」と、Historic Scotland の標識が出ているのが見えまして。古墳があるのか、そりゃ見てみなくちゃ…
 
と、道路から砂利道を入っていったところ…
 
こんなものが!

アンスタン古墳は紀元前3400~2800年前くらいのものだって(幅広いな!)。アンスタンってのは、元は土器の名称らしい。この墳墓からもアンスタン土器が発掘されているので、そこから名前が付いたみたい。古墳よりむしろ土器の方が特徴あるものとして貴重らしいよ。
 
残念ながら閉まっていて入れなかった。もう時間が遅かったから? あるいは、ガイドツアーとかじゃないと入れないのかも。
 
仕方ないので外から見えるものと解説板とで楽しむ。中は5つの部屋に分かれているそうです。オークニーの古墳としてはちょっと変わってるんだって。まず、形が丸い(普通は長方形)。メインの部屋の奥に、別の玄室がある(このせいで全体として丸くなっている)。5つある部屋のうちメインの部屋が、羨道の突き当りではなく、入った横の方にある。
 
高さは2メートルほど。天井は抜けていたので、内部を保護するため、1949年にコンクリートでドームを作ったそうです。
 
こういう、天井のない道の先に玄室があるスタイルを、 羨道墳( せんどうふん)と呼ぶ。
 
この穴は通気口なのかしら? 元々こういう穴が開いているものだったのか、あるいは現代的な管理のために開けておくのが良いのか。
 
思いがけず良いものを見れて、嬉しい気持ちでストロムネスに帰ります。
 
延々と丘(と湖)の光景が続くのだけど、ここら辺まで来るとストロムネスが近いのがわかっているので「人里離れた」という感覚はなかったな。
 
途中で見かけた、用水路で釣りをしているおじいさん。
 
これ、木のベンチの上におじいさんを座らせてあるんじゃなくて、木からベンチとおじいさんを切り出してあるみたい。すごいなー。
 
ストロムネスの町と港が見えてきたよ~。
 

2019/4/28

 

道の途中にもスタンディングストーンがさりげなくあったりする。

 

そして見えてきた、ストーンズ・オブ・ステネス。(写真の真ん中辺に立っている米粒のようなもの)

 

……の手前にも、1つスタンディング・ストーンが。「Watch Stone」だって。見張り石…?

 

高さは5.6メートルとのこと。ストーンズ・オブ・ステネスやリング・オブ・ブロッガーと関連のある何かなんでしょうけど、1個しか残っていないから機能がよくわからないね。でも冬至の日に太陽がこの石から見て真っ直ぐホイ島の丘の間へと沈むので、暦と関係があるのかもって。

 

反対側から見た図。

 

さて、こちらがストーンズ・オブ・ステネス。紀元前3000年くらいのものだろうと推測されるそうです。元々は12個の石で形成された直径31.7メートルのサークルだったのが、今では4つだけ残っている。一番高い石が5メートルですって。

 

このストーンサークルは更に、直径44メートルに及ぶ、深さ2メートル、幅7メートルという巨大なお堀に囲まれていたらしい。壮観だったでしょうねえ…。で、つまりこれもヘンジに作られたストーンサークルだから、珍しいやつなんだよね…?

 

 

本当は近年までもう一つ、大きな石が立っていたんですよ。住民から「オーディンの石」と呼ばれていた素晴らしい石が。でも1814年に人間の手により破壊されてしまったのだ。この遺跡を見に来る観光客が畑を荒らすことに腹を立てた農夫が、爆破しちゃったんですよ。

 

爆破て!

 

彼はもちろん他の石も全部壊す気だったのですが、他の人たちが止めに入ったので、何とか破壊は一つだけで済みました。

 

 

畑を荒らす観光客の問題、100年前にも遭ったのね。現在の日本でも、北海道などの農家の人たちの悩みの種です。観光客たちの靴には、どんな菌を含んでいるかわからない土がくっついている。そんな靴で畑に入りこまれたら、畑の土壌が汚染されてしまう。もっとひどい場合は作物を踏み荒らしてまで良いアングルを得ようとするそうな。視界を得るために線路脇の樹木を無断で切り倒した撮り鉄の蛮行もかつて話題になりましたが、やっていいことと悪いことの区別がつかない阿呆が双方に悲劇を生むのだ。

 

何千年もの時間を生き延びて残っていてくれた大きな石が、人の手で壊されるなんて…。戦争で破壊された遺跡も多いけど、これも本当に悲しい話です。

 

さて、これは何だったっけ。グループで来ていた人たちの解説をそばで聞かせてもらったのになあ。

 

石はかなり平べったいです。一番薄いのは、こんな風に手で掴めちゃうくらい。
 
ちょっと寒くなってきていたので、たっぷり陽に暖められた石に張り付いていると気持ち良かったです。陽を浴びた石って独特の良い匂いがするよね…。
 
リング・オブ・ブロッガーに入れなかった分、ストーンズ・オブ・ステネスでは心行くまで時間を使い、大満足。楽しい気持ちでストロムネス方面に向けて走り始めました。
 
 

2019/4/27

 

見えてきた、リング・オブ・ブロッガー!(右の方、遠くにチョボチョボ出ているやつ)

 

ステネス湖とブロッガー湖に挟まれた地峡に建つストーンサークルです。

 

道路の反対側に駐車場や駐輪場があります。駐車場のお向かいにある入り口から草地に入って、更に5分くらい歩いていくと、見えてくる… 近づいてくる…

 

…けど、行ってみてちょっとびっくりしたことが…。

 

中に入れなかったの!

 

元々雨の多い土地柄ではありますが、気候変動で以前よりも更に降雨量が増え、一帯が湿地化しちゃているんだって。そこに加えて、増加する一方の観光客が重たくのしかかり続ける… もんだから、この壮麗なる遺跡は徐々に沈下していっているのだ!

 

 

てことで今は、周りに作られた遊歩道から眺めるだけとなりました。写真で散々、石に触れたり、リングの中で座ったりしている人たちを見て私もそうできるのだとばかり思い、このリングの中でゆっくり時間を過ごす気満々だったから、かなり残念。でも、何千年も前からここに立っている遺跡が、この数十年の人類の活動で崩壊したりしたら、子孫に申し訳が立たない。人類の宝だ、保護してもらわんとね。

 

 

ヘンジ(お堀の内側にある土手みたいな遺跡)の中にストーンサークルがあるのはとても珍しいんですって。え、ストーンヘンジって名前の遺跡があるけど?と思ったら、あれも例外の一つなんだそうで(あっちはあんまり土手っぽく見えないけど、お堀が埋まっちゃってるかららしい)。てゆか、ここも厳密にはヘンジの基準を満たしていないらしい。細かいことを言い出すときりがないのだ。

 

 

リング・オブ・ブロッガーの環の中って、まだちゃんとした発掘調査が行われていないんだって。だから年代もはっきりしないらしいよ。紀元前2500~2000年くらいだろうと言うのが通説。あと、環の中には石も何もなかったと考えられているけど、掘り返したら何か出てくるかもしれんね。

 

 

相当大きいので、近くまで寄ると、パノラマ機能を使わないと全体が撮影できない。ブリテン島の中で3番目に大きいんだって。ちなみに直径は104メートル。これはイングランド、エイヴベリーにあるストーンサークルヘンジやアイルランドのニューグレンジ古墳の直径とほぼ同じなんだそうで、巨石文明における共通の長さの単位が使われていたのではと推測されるそうです。おお、浪漫だわ…。

 

 

石は元は60個あったと確認されているけど、現存するのは27個。60個あった頃に見たかった。60個揃っていたのが何千年前までかわからんけど。

 

 

「自分が今目の前に見ている光景を最もよく伝えられる1枚」を求めて何枚も写真を撮るけど、ちょっとずつ位置や光の加減が違うだけで、特に変わらない。でも今こうやって似たような写真を何枚も貼り付けているだけで、あの時の恍惚とした気分が蘇る。

 

 

ところで、サークルのすぐ横くらいに2つ、ちょっと盛り上がった丘みたいなのがあったよ。一つは立ち入り禁止で策ができていたから、保護対象なのだろうか。(下の写真の右奥のやつ)

 

 

 

さて、次はストーンズ・オブ・ステネスに向かいます。1本道。その途中には、ネス・オブ・ブロッガーと言う遺跡があります。紀元前3300~3200年ごろのものと考えられている。高さ6メートルもある石壁が100メートルも続いているのが見つかったって。神殿らしき建物の基礎も出てきている。まだ発掘中なので一般公開はされていない。見学できるようになったらまた来たいなあ。

 

この一帯にはまだたくさんの遺跡が埋まっていると推測されている。私が死ぬまでに、どれくらいのものが判明し、公開されるだろう。中米のマヤ遺跡も発掘されているのは2%程度する研究もあるそうだ。あとの98%がすべて発掘されるとは思わないけど、未来の人はきっともっとたくさんの遺跡を見ることができるんだよね。羨ましいなあ…。せめてあと100年くらい健康で生きられたらなあ…。自分では行けないにせよ、ドキュメンタリーとかで見ることができるかもしれない…。

 

タイムマシンがあってすごく限られた回数しか使えないとしたら、石が60個揃っていた昔の様子を見物に行くか、もっと色んなものが発掘されているに違いない未来を見物に行くか、悩むところですな。

 

 

ところで、ネス・オブ・ブロッガーの少し北(その時の私にとっては手前)で、車道から分岐して遊歩道があったんですよ。で、その入り口のとこに、「ストーンズ・オブ・ステネスはこちら」みたいなことが書かれた標識があった。(写真の左下の正方形のスペースの端っこに小さな札があるでしょ)

 

だから自転車をそこに停めて、そっちに行ってみたの。橋が渡してある場所とか楽しかったんだけど、

 

すぐに「これ単に車道と平行に作ってあるだけやん」と気付いて引き返し、自転車に乗り直しました。

 

結局その遊歩道はストーンズ・オブ・ステネスの手前で終わって、車道に合流していたよ。

 

何やねんこれ、湖沿いの遊歩道を作るのは素敵なアイデアやけど、車道が既に湖に沿ってるし、こんなん要らんやん!と思ったんですが、後からふと思ったのは、ネス・オブ・ブロッガーの発掘調査(そしていずれは見学)でたくさんの車が出入りするだろうから、歩行者の安全のためにこんな道が用意されたのかも…? 真偽のほどは分かりませんが。

 

 

2019/4/29

 

5000年前の人類のご先祖様の生活をゆっくり時間をかけて想像し、その次に訪れたのはお隣にあるスカイル・ハウス。17世紀のマナー・ハウスです。オークニー諸島の領主だった伯爵が横領で処刑された後、オークニー諸島は司教領となりました。その新しく赴任した司教が1620年に建てたのがこのお邸。その後、後継者の司教たちがどんどん建て増しして、今ある姿になったそうで。

 

 
司教館はオークニーの東部にある首都カークウォールにあるから、司教様はいつもはそこで暮らしていたはずよね。島の西側に来た時に泊まる場所がここだったということ?
 
建てられたのが近世なので、中も近世。ダイニングルームも新しい。
 
 
きれいな階段も新しい。
 
ここは家族のリビングルームだね。これも新しい。
 
これはドローイング・ルームだったかな。新しいね。
 
新しいんだけど、こんな新しい時代でもベッドが小さい… 立派な天蓋付きと言うより天井付き。誰だか忘れちゃったけど(←バカ)、このベッドで誰か歴史上の有名人が寝たんじゃなかったっけ。

 

一番面白かったのはこの書斎。

 

 
上の写真ではわかりにくいかもしれんのでアップで。隠し扉になっているの。
 
皆が興味津々で触って傷んでしまったのか、「お手を触れないようにお願いいたします」と貼り紙が。
 
ここの土産物屋で友人へのお土産にファッジ等を買いました。まだ旅行の2日目、これから先が長いのですけど、エディンバラで買うよりオークニーで買った物の方がありがたみがあるじゃないですか。本当はチーズやビールも買いたかったけど、さすがに重たそうなのでやめておきました。夜は外食の予定だし。ニット製品も欲しかったけど、荷物がパンパンになりそうなのでやめておきました。1年前にラトビアでいくつも買ったしな…。あとオークニーの民謡のCDを買った! 何枚か置いてある中で、一番オークニーの郷土色が強いものをとお願いして選んでもらったの。

 

 

ビジターセンターに戻って参りますと、受付の人がニコニコして呼んでくれました。さっきはいなかったスタッフさんがいて、観光パスの使用開始手続きを完了したと伝えてくれました。「すみませんでしたね。ここでこの手続きをするのは、年に数回だけなもので」って。なるほど、たくさんの人が見学に来ていても、ここが観光の一番最初の場所って人は少ないのかもしれないね。

 

次の遺跡に向かう前に食事をしておくことに。ここを最後に、ストロムネスに戻るまでもうカフェも食堂もありませんのでね。サンドイッチとジュースでも買って食べながら走ろうかとも思ったけど、「本日のスープ」を試してみたくなって、ここで食べることにした。ちょうどお昼時で団体さんもいたもので、ちょっと時間がかかっちゃったけど、こってりした野菜スープはとても美味しくて、満足しました。

 

 

じゃあ出発…。駐車場にオークニーの見所を周るツアーバスが停まっていましたわ。そんなのあるんだ、どこで申し込むんだろう、と思ったけど、たぶんあれ、カークウォールから乗るやつだと思う。インヴァネスみたいに24時間乗り放題のだったら、使い勝手がいいと思うけど、調べてない。

 

湖のように見えるけど、これは確か海。グーッと内陸の方まで海が入り込んでるんだ。

 

ここら辺を走っている時にまた虫の大群に突っ込んで、とうとう走り続けられなくなって自転車を降りました。蚊柱ならぬ蠅柱…。それも、道いっぱいに広がって何メートルも続く蠅柱を通り抜けねばならないと思ってください。顔にもバシバシぶつかってくるから目を開けていられない。眼鏡をかけているのに目に入る…。

 

この後も何度か虫がたくさん飛んでいるところに出くわしたけど、こんなすごかったのはこの1回きり。興味深い写真を撮ることができたはずですが、それどころじゃねーわ。平静を保つのが精いっぱいだった。気持ち悪くて顔を上げていられなかったよ!

 
さてさて、私、最初の能天気な計画では、スカラ・ブレイとスカイルハウスの後はバーセイの伯爵宮殿(お城の廃墟)を見て、ブロッホ・オブ・ガーネス(古代住居跡)に行って、そこから南へ行けば途中で水車小屋の跡も見学できる…と予定を立てておりました。

 

 

グーグルによるとストロムネスからスカラ・ブレイまで自転車で40分。まあ、実際、そんなものでした。で、そこからの距離を計算していきますと…

  スカラ・ブレイからバーセイの伯爵宮殿までは45分。

  伯爵宮殿からブロッホ・オブ・ガーネスまでは60分。

  ガーネスからリング・オブ・ブロッガーまでは90分。

 

この時点でもう12時過ぎ。日没は21時くらいでしたから、まあ、時間だけの問題なら余裕はありました。が、私はホテルのレストランで食事をしてみたかった。レストランは21時には閉まる。てことは遅くとも20時にはホテルに戻らねば。そして憧れの遺跡を急ぎ足で見たくはなかったので、リング・オブ・ブロッガーとストーン・オブ・スタネスでそれぞれ1時間は取りたい。

 

てことで、北に行くのを諦めたのでした。……と言うか、もう、大回りする気力・体力がなかったし。

 

でもこの後はストロムネスからスカラ・ブレイまでに比べたら道がなだらか(本当の意味でなだらか!)だったから、やればできたかもしんない。

 

前方は、朝に走ってきた道。今はここでブロッガーへと曲がるのだ。

 

走っている間の景色は、延々こんな風。丘の向こうに消えていく道… 湖…

 

たまにこんなフォトジェニックな光景も。

 

2019/4/28

 

スカラ・ブレイはオークニー諸島で一番の観光名所なので、大きな駐車場もある。バスで乗り付けた団体さんも何組か見かけました。私はスコットランドの名所旧跡77ヶ所に入場できる観光パス 『ヒストリック・スコットランド・エクスプローラ・パス』 を事前にネットで購入済み。メールで送られてきたEバウチャーを印刷して持参し、最初の登録場所であるスカラ・ブレイの受付で提出すればパス使用を開始できる。

 

…のですが、手続きがうまくいかない。レジの女性は焦りに焦って私にやり方を聞いてくるんだけど、私も知らんてそんなもん。

  「こんな数字が出てきましたけど、これは何? 登録番号?」

  「190428ってそれ、今日の日付じゃないっすか?」

などと頼りない会話を繰り返すばかりで埒が開かず、ついに「処理できるスタッフを呼ぶから、先に見学してきてください。入っていいですから」とチケットなしで送り出されました。

 
で、スカラ・ブレイ。紀元前3100~2500年頃、新石器時代の集落の跡です。5000年前…。遺跡に続く道の脇に、「1000年前 ○○」 「2000年前 △△」 「3000年前 ◇◇」 みたいに、5000年前に遡っていく表示がありました。「遡っていく」という感覚だけでなく、ギザのピラミッドなどの有名な遺跡が、スカラ・ブレイに比べたらかなり新しいものなのだと知らしめる効果もある。
 
5000年前の人たちが住んでいたおうち…。
 
5000年と言う途方もない時間を過ごしてこれほど保存状態が良いのは、砂に埋もれていたからです。
 

 

1850年の冬、激しい嵐がスコットランドを襲いました。200人を超える死者が出るほどだったそうです。そうでなくてもオークニーの冬の海の荒れっぷりは凄まじいそうですよ。遺跡の案内役の女性によると「冬は波が荒れて、海岸はまるで煮えたぎっているかのように見える」とのこと。

 

 

その嵐で一帯の土が吹き飛ばされ、屋根を失った小さな家々が現れたのだ。土地の所有者だった人が個人的に発掘していったけど、18年後、4軒を掘り出したところで断念。その後、1913年には盗掘にも遭っており、1924年には再び大嵐に襲われて1軒が破損したため、プロによる発掘と保存が必要だとされて、1927年にエディンバラ大学の考古学チームによる調査が始まったのだそうです。土器やビーズ、石のナイフやシャベルなども出土されているって。

 

他にも埋まってないのかなーと思って聞いてみたら、周辺を掘り返してみたものの集落は見つからなかったって。当時とは海岸線も異なるだろうから、もしかしたら海の底にあるかもしれないけど、そこまでは調べていない、と。

 

 

家々が地下にあるのは、後年に土で埋まってこうなったわけじゃなく、最初から地下状態だったらしい。もっと古い貝塚の中に住居を作ったんだって。巨大貝塚の中だから周りを固められていて安定しているし、断熱効果もあるので極寒の冬の防寒にもなったらしい。雨に濡れずにお隣にも行ける。

 

 

家具も石を積んだ作り付けなの。棚や椅子やベッドが確認できる。玄関には平たい石のドアがつけられています。驚くことに、各戸にトイレも完備されていたんだって! 下水システムはかなり洗練されていたそうです。5000年前に実現していた快適な水回りを、人類はなぜその後に失ってしまったんだろう。

 

 

チュニジアのケルクアンで各戸にお風呂があるのを知った時もびっくりしたなあ(チュニジア旅行記 41:ケルクアン2。ケルクアンでは貝から染料を作っていて、かなり匂いがきついので自宅にお風呂が欲しかったんじゃないかと推測されていた。ではスカラ・ブレイは…? 冬の嵐の中で外の共同トイレになんか行っていたら死ぬから?

 

 

1つだけ、地下じゃないのもある…とのことでしたが、どれがどれだかもうわからん。この写真の中にはないかも。その家は収納スペースもないし、小部屋に分かれているし、骨や石の破片が出てきたので、そこは住居じゃなくて骨や石を使って道具を作る作業場だったと推測されるそうな。

 

 

団体さんが来ていると言ってもこの通り静かなものです。まだハイシーズンでもなかったしね。

 

 

遠くに見えているお邸はスカイル・ハウス。この後で行きました。あれも古いおうちではありますが、スカラ・ブレイに比べたら先月建てたみたいなもんですかね。

 


 

2019/4/27

 

朝に見るホテルの姿。

 

朝食後はすぐにお出かけ。の前に、ホテルの人に遺跡巡りをしたいんだけど地図はないだろうかと尋ねたら、観光情報誌みたいなやつの巻末にあった地図を破いて渡してくれました。観光案内所に行けば地図がもらえるはずだけど、観光案内所がまだ開いていない時間だったので。結局、ストロムネスの観光案内所には入らずじまいだったな。

 

こちらがストロムネスのメインストリートの商店街です。私の友人はこの先をちょっと行ったカフェでアイスクリームを食べたそうで、それがとても楽しい思い出になっているらしく繰り返し聞かされたので気になってたけど、どこかわからんかった。時間が早すぎるからか、どのお店も閉まっていたし。

 

こういう、クネッと曲がってるところ、好き。

 

さて、ストロムネスにはレンタバイク屋さんが数軒あるらしい。これはホテルから歩いて3分くらいのトコ。確かに看板が必要だわw この細い階段の先にあるの。

 

階段を下りて右にあるドアから敷地内に入ると普通の家のお庭に出るのだ。誰もいなかったので大きな声で「すみませーん」と呼ばわったら、庭に面したお台所にいた人が出てきてくれました。自転車は庭の大きな物置の中にずらっと並んでいた。

 

営業時間は朝8時~夕方6時とウェブサイトには載っていましたが、とにかく普通に暮らしている普通の家なので、在宅ならもっと早くても出てきてくれるかも。更に、『6時では返すの間に合わないかも。2日借りておくべき?』と思い、遅れてもいいと言ってもらえんやろかと期待を込めて「何時までに返せばいいですか」と聞いてみたら、「別に、9時でも10時でも。ここに置いておいてくれたらいいよ」だって。後でよく見たら看板のところに 「 NO CURFEW 」 て書いてあったわ。翌日の早朝までに返せば大丈夫かしら…。

 

借りる際に身分証の提示も求められなかったし、泊まっているホテルも聞かれなかったし、デポジットもなかった。私が自転車を壊してどこかに置きっぱなしで島から逃げたらどうするんだ、とか心配になる。ちなみにお値段は確か1日借りて12ポンドだったかな。ヘルメットも付いています。

 

スクラブスターに向かうノースリンク社のフェリー。

 

で、自転車にまたがって颯爽と出発しましたが、初っ端から道を間違えました。北に向かわなきゃいけないのに何故か自信満々で南に。途中でスマホのグーグルマップで確認して「おかしい」と気づき、通りかかった人にも聞いて、引き返しました。中心部とは違う様子が拝めて面白かったけど。(写真を撮らなかったのでストビューから)

 

で、ホテルの前まで戻ってスマホをあっちに向けたりこっちに向けたりして位置を確認していたら、通りかかったサイクリストが止まってくれて、「どうしました?道、わかります?」と声をかけてくれました。60代と思しき女性でしたが、スポーツサイクルに乗り慣れている様子がかっこいい! スカラ・ブレイに行きたいと言うと、ホテルの前の道の、私が間違えたのと反対側の方を指さして、「この道をまーっすぐ行って。港を通り過ぎて、ずーっと真っ直ぐ。坂道になるから上って行って。そしたら左に折れる道のところに標識が出ています」と教えてくれました。お世話かけます…。私もこんな風に旅行者を助けたい。誰か大阪で困ってないかな~。

 

さて、商業地区と言えるのは港の端っこくらいまで。そこを抜ける坂が始まり、住宅街になります。そこも通り過ぎて坂の上まで来ると、広ーい草地の丘陵地帯が広がっているのだ。

 

それにしても… 走り始めたばかりなのに既にシンドイ… ゆるやかな坂でも坂は坂…。ある丘では、意地でも降りずに頑張って漕いで上るぞ~とフラフラしながらなんとかてっぺんまで行ったら、反対側からフラフラしながら上がってきた女性がいて、お互いに目を見て笑い出してしまいました。

 

この辺り、グーグルマップで移動手段に自転車を選ぶと「比較的なだらか」と地形の情報をくれます。……なだらかってこういうことを言うのか… これ、なだらかなんだ…。きっと、アップダウンの激しさに泣きそうになったアイルランドのスライゴー郊外もきっと「なだらか」なんだろうな。(よろしければ「スライゴ―は賽の河原」を) 私、往復20分程度ですが、毎日自宅と駅の間を自転車で走ってますんで、自転車に慣れてはおります。でも私の地元って本当の平地で、走っていてもしんどくも何もないんですもの…。

 

途中、イェスナビーに寄ろうとも思っておりました。私の好きな海沿いの崖の風景。美しい…。これ見たいよねえ。(この岩はおじいさんとは呼ばれていないらしい。なぜなんだろう)

 

(左) By s allison, CC BY-SA 2.0, Link

(右) By Renata at English Wikipedia - Created by Renata, Public Domain, Link

 

で、道を曲がって少し走り始めたんだけど… そこからイェスナビーまで行って帰ってくるだけで1時間以上かかるし、イェスナビーに着いてからのんびりしている時間もないよなあ。と思うと、無理して行かない方が良いのかなと言う気もしてきましてね。諦めて引き返しました。ああ、車かバイクだったらなあ。

 

んでスカラ・ブレイに向けて頑張って走る…。もう店舗どころか民家もない。たまーに出てくる農家を見て、町なかで生まれ育った私と、こういう農家に生まれた人とでは、人生や生活に対する考え方も違うんだろうな、なんて考えたりして。

 

なんとなく見えてきたよ、スカラ・ブレイのある海沿いと建物が…

 

スカラ・ブレイ直前のスカイル湖の辺りで、「ううっ」となる事態が発生しました。

 

虫 が っ! す ご い の っ ! 

 

念のために申しあげますと、夏のスコットランドで有名なミッジではありません。ミッジとは人を噛む小バエで、噛まれると猛烈に痒いらしい。私を覆い尽くしたのはもっと大きくて細長い虫です。噛んだり刺したりはされなかったんだけど、あまりもたくさん飛んでいて、その中を突っ切っていくのが気色悪い…。後で調べたら虫の名前もわかるだろうと思ったんですけど、わかりませんわ。

 

これ、別の場所で撮ったんですが、わかるかな? 白い雲のところを注目して…。スカイル湖ではこの写真や動画で見る感じの5倍くらいすごかったと思ってください。

 

 

 

 

体じゅうにこの虫がバシバシ当たって張り付いた時にアップで撮っておいたら良かったな。

 

2019/4/26

 

船は20時にストロムネス港に到着。まだ明るさが残っています。

 

港に一番近い宿はこの白いフェリー・インでしょうね。私もここ、検討しました。

 

でも選んだのは別のホテルなの。上の写真の奥の道に出るとこんな風。ステキ… ここがストロムネスのメインストリートです。商業施設も役場もこの通りにある。

 

町一番の繁華街にあるのが、私が泊まったストロムネス・ホテル。船着場から歩いて3分ほど。

 

もう一目惚れでしたわ。値段で言えば、さほど遠くもないところにもっと安い宿をAirbnbで何軒か見つけることができました。だけどここがいい! この建物の中に存在していたいの! それでも一応は自重して、ハーバービューの部屋はやめておいたんですよ。今思えばケチらんとハーバービューやっちゃえば良かった。でも、私ってあんまりホテルの中にいないしねえ。


玄関を入ったところの構造が謎でした。回転扉の横を通って奥に行けちゃうんだもの。昔はここはただの廊下ではなかったとか? ここが入り口だったとか? 増改築の痕跡なのかしら。ちなみにこの右側にはバーがあります。外にも入り口がある。

 

2階(あちらで言うところの1階)に上がる階段の途中に味わい深い看板が。

 

階段もいい感じ。

 

この踊り場から両脇に短い階段があって、ドアを隔てて廊下に繋がっている。廊下から見ると、そこが出っ張っている形。全然わからんと思いますが。

 

廊下の写真を撮っていないことが悔やまれます。廊下もとってもレトロな雰囲気で麗しかったのに。後で撮ろうと思いながら忘れて出てきてしまった。このホテル、Booking.com にもあまり写真を載せていないんですよ。私も何枚か投稿したのに掲載されていないので、ホテルのポリシーなんでしょう。
 

部屋はめちゃ広かったし、暖かかった。

 


 

例によってバス・トイレは現代的よ。これだけは今風が良いです、私も。

 

 

部屋でアレコレやってるうちに時間が経っちゃいましてね。お腹に何か入れてから寝ようと思いバーに行き、ビールを飲みながら「何か食べるものはありますか」と聞くと、もうキッチンを閉めちゃったからポテチくらいしかないとのこと。バーは23時までやってるけど、レストランは21時までなのでした。国によっては深夜のバーでもチーズやコールドミート、レンチンで出せるような軽食くらいなら出したりするけど、オークニーではたぶんそういうの珍しいのだと思う。

 

(このカウンターで飲んでました)

 

で、バーテン君が言うには、近くに中華料理屋さんがあって、そこなら遅くまで開いていると。スコットランドまで来て記念すべき1回目の夕食が中華…(昼はコーニッシュだったし…) とは思ったけど、背に腹は代えられん。よし、と思ったら、近くの食料品店もまだ開いているはずだから何か食べものを買ってきてもいいし、とのこと。よしっ、そっちにしよう! 急いでビール飲んじゃえ!(サンドイッチとか買ってきてここで食べながらもう1杯飲んだらだめかしら…)

 

とグイグイ飲んでる間に、バーテン君、一応上の人に確認しに行ってくれたみたい。ビールを飲みほしてさあ出かけるぞというタイミングでマネージャーらしき女性が来て、「スープとパンだけなら出せますよ」って。ご迷惑では…と思ったけど、「温めるだけだから問題ありません、待っていてください」と言ってくれたので、ありがたくここで晩ごはんにしました。たった一人の客のために、ここまでしてくれるんだね…。

 

美味しい野菜スープ。もちろんビールもおかわりしました。

 

やっぱり疲れていたんですかね。お腹がいっぱいになってアルコールも入って、ベッドに寝転がった後の記憶がない。酒場付きの宿のいいところはこれだ。いや、本当はお散歩に行こうと思ってたんですけど。
 
朝、夜明け前に目が覚めた。ホテルはL字型で、私の部屋は折れ曲がったところにある海側。なので、葉が落ちている季節なら、かろうじてハーバービューですわ。
 
朝ごはんはビュッフェです。フル・ブレックファストを自分で作れるのだ。初日は欲張ってポリッジまでもらってしまったわ。いろいろと食べてみたくて。
 
初日はブラックプディングをもらいまして…
 
2日目はホワイトプディングをもらいましたよ。
 
この2日目のトーストを見たスタッフの女性が「あらっ、こげちゃいましたか?」と心配してくれました。あ、機械の故障じゃありません、私がパンをトースターに2回通したんですよ…。「いえ、私はカリカリのトーストが好きだからわざとやってるんです」と言ったら、「ああ、そういう人いますね」と笑っていましたわ。