旅中毒 -20ページ目

旅中毒

バックパックと少しのお金とパスポートがあればいい。行けば行くほど行きたい場所が増え、人生狂って後悔なし!

2019/5/1

 

さて、半島の北端も周り、今度は西へと進んでいきます。

 

そしてここで写真ストップ(写真のA)。

 

左がロッホ・トーリドン、右がロッホ・シールダイグ。ロッホ(湖)と言っても、実際は海なんだよね。深い入り江です。また、この2つの湖は地峡で隔たっているわけではない。地図を見たらわかるとおり、繋がっています。この位置からでは見えないだけ。

 

ロッホ・トーリドンの方を向いた写真。

 

ロッホ・シールダイグの方を向いた写真。

 

ここすっごく気に入った! 同じような写真を大量に撮ってしまう…。切り立つ山々が海沿いにある光景が大好きなの。その顕著な例がフィヨルドですが、このアップルクロスの光景も素晴らしいわ。

 

謎なことに、グーグルマップ上で見ても、ここは特にビューポイントとされていないんだよねえ。写真を登録している人は何人かいるけど。名前がついてもいいようなビューポイントなのに。でもまあ、アップルクロスツアーでの写真スポットの一つではあるらしい。他の人のブログでもここの写真が出ていた。

 

これは「赤い屋根の小屋」とグーグルマップ上でも書かれている可愛い小屋(写真B)。

 

そのまんまの名前だなあと思いましたが、これ、以前は白い屋根だったらしい。写真を撮っていたら、通りすがりの観光客さんがライアンさんに「これはどんな由緒のある建物なんですか」と話しかけていました。特に由緒はないらしいです 笑  フォトジェニックなだけ。

 

これはロッホ・シールダイグの湖畔から撮ったもの(写真のC)。ここもカフェやB&Bがある。

 

そしてここが別のビューポイント(写真のD)。ロッホ・シールダイグのお隣、入り江の一番奥にあるアッパー・ロッホ・トーリドン沿いの高台。ここは駐車スペースも大きいし、皆が写真を撮るところ。

 

ロッホ・シールダイグの方を眺める…。岬(と言うのだろうか)がいくつも突き出しつつ、海が遠くまで見えているの、わかりますかしら…。

 

何やら外国の観光客と話し込んでいるライアンさん。

 

このツアー、あまりにも素晴らしいので、褒め言葉の語彙が底をついてまいりました。beautiful, fantastic, amazing, gorgeous, wonderful, marvelous, fabulous, unreal, lovely, astonishing, breathtaking, stunning, unbelievable... あと何か言ったっけ… 色んな言い方を使ったって意味がないよね。これはもう、詩人でもなければ言葉では言い表せない。

 

ライアンさんによると、このアップルクロス半島ツアーはガイドさんたちの間では「ワーオ・ツアー」と呼ばれているそうです。絶景に次ぐ絶景に、お客さんたちが「ワーオ!」「ワーオ!」と繰り返すから。ワーオでいいよ、もう 笑  その一言にすべてが込められているよ。

 

 

2019/5/1

 

ではちょっと道を戻りまして、次に向かった先はお食事どころです。ここがまた!良くってねえ!

 

車を降りた時からして、「えっ、何ここ?」とワクワクしちゃったわ。

 

Applecross Walled Garden (フェイスブックもやってる) アップルクロスツアーでよく使われるレストランらしいわ。他の会社のツアーに参加した人のブログにもここが上がっていた。

 

なぜ walled なのかと言うと、こういうこと。石壁に囲まれたガーデンなの。

 

起源は1675年にまで遡るらしい。アップルクロス・ハウスというお邸とお庭が作られたのが始まり。マッケンジー・レアードとその一族にたくさんの野菜や果物、そしてお花を提供していたそうな。今ではこのレストランの他にカマステラックにコテージも所有している。コテージの写真を見たよ、すっごく可愛い!

 

スモークサーモンとホタテのパスタをいただきました。メチャクチャ美味しかった!!

 

ここでしばらく休憩するので、デザートを食べるライアンさんを残し私は庭にお散歩に。

 

この日は大自然を見に来たのではありますが、こういうお庭も本当に素敵。結婚式やコンサートなどのイベントにも使用可能ですって。こんなところで古楽イベントとかやったら楽しいだろうなあ…。

 

ハーブも自家製なのね。当たり前か。BBQセットもあったよ。お庭でBBQパーティーができる。

 

さて、出発。レストランのすぐ近くで飼育されているハイランド牛を見かけました。ハイランドとアウターヘブリディーズ諸島に起源をもつスコットランド特有の種類で、今では主に食肉用に飼育されているらしい。あのレストランでもハイランド牛のメニューがあるそうです。この子もいずれ…

 

ちなみにスコットランド風に発音するとハイランド・クーです。カウじゃなくて。

 

知り合いのスコットランド人が、幼児の頃にハイランド・クーの毛にぶら下がって遊んだと言っていました。これだけ毛が長かったらできそうだね。ハイランド・クーは気性が穏やかなことでも有名で、人間の子供がブランコ代わりにした程度では怒らないそうで。

 

今度は海沿いに北上していきます。1がレストランね。


波打ち際と道路が同じくらいの高さにあるところ(2)で停まってもらって景色を楽しんでたんですが、見てくださいよこの海の色、透明さ!

 

こういうの見ると、高知の海の緑色を思い出します。高台を車で走っていたら、下に広がる海がペパーミントグリーンに見えてね。親にねだって、色を確認するために波打ち際まで降りてもらった。でも水はもう普通の無色透明で。位置が違うだけでこんなに変わるのかと驚いてしまった。高い所から見た時だけあの色ってことは、この海は神様の食べるミントゼリーなんだ。泡の白いところがクリームなんだ。と、昔から妄想が激しかったのでウットリしておりました。

 

でもこのスコットランドの西の海は、波打ち際の色の方が恐ろしいほど美しい緑色。上から見ていた時は普通のきれいな青だったもの。これはもう、季節や時間帯やお天気にかかっているので、こんなに美しいものを見ることができるかどうかは運によるとしか言えませんね。

 

さらに北上していく時、ライアンさんが「いつもならここら辺をハイランド・クーの群れがうろついているんだけどなあ」と不思議そうでした。場所と時間帯を把握しているんですねえ。すごいなローカルガイド。

 

そしてここがまた人気の写真スポット。

 

アップルクロス半島の北端に近い場所ここから先は東側に入ってしまうので、スカイ島方面が見えるのはここが最後になります。いつかスカイ島やアウター・ヘブリディーズ諸島にも行きたいなあ…。

 

雲もかなり流れていたから、この時点なら「牛の通り道」ビューポイントからスカイ島まで見えたかも。でも太陽の差す方向からして、ちょっと逆光になってしまうかな? 少しガスってるし…。ああ、だから午前中にビューポイントからスカイ島を見る回り方にしてあるのか。今更のように気づく私。

 

そしてそこからまた走り始めてすぐのこと、また出ました、ハイランド・クー。この子は放牧ね。

 

私が外に出て盛んに写真を撮っていたら、別の車が私たちのバスの前に停まりました。中から女の人が出てきて、やはり嬉しそうに写真撮影を開始。そして、私がライアンさんに「そろそろ行こうか」と声をかけられてバスの入り口(車体左側にあるので、クーが見えない車道側)まで戻って来た時、私達のバスの前をその女の人がすっごい真剣な顔つきで走り抜けて、自分の車に転がり込みました。どうしたんだろ?と思いながらバスに乗りこんだら、ライアンさんが笑っている。聞けば、彼女がクーの真ん前に来た時にクーが前に進み始め(つまり彼女の方に向かって歩き始め)、彼女は仰天して逃げ出したんだそうです。まあ、そりゃ、大きな動物が近寄ってきたら怖いよね 笑

 

そこからさらにちょっと進んだところに、いましたよ群れが! 今日は少し早く進んでいたんでしょうね。

 

ハイランド・クーは赤っぽい茶色のイメージがありますが、実は様々な色の子がいるのです。黒もいれば焦げ茶もいる、白もいる。灰色の子もいるそうだし。

 

ライアンさんによると、昔はもっと黒いクーがたくさんいたんだそうです。でも、ビクトリア女王がハイランドに来た際に黒いクーを見て「あの色の牛は好きじゃない」と言ったもんだから、黒いクーを減らすよう交配が進んだんですって。女王が毎日見に来るわけじゃなし、気にしなくてもいいのに。女王だって別に黒いクーを減らせとまでは望んじゃいなかったでしょうよ。ともかく、黒いクーは今では珍しくて貴重なんだそうです。おかしな話。

 

2019/5/1

 

ではウォーターサイド・カフェを出発し、いよいよ山の方へ参ります。

 

最初のストップは、上の地図で右から2つ目の印が立っているここ。ラッセル・バーン川にかかる橋のたもとが写真スポットなの。ここもちょっとした滝になっていましてね。

 

 

滝も川もステキだし、その向こうにそびえるアップルクロスの最高峰ベイン・バーンが神々しく、ああ、いよいよ来たのだわ…と気分が盛り上がりまくり。

 

橋自体もステキだよねえ。無味乾燥なコンクリートにせず石造りにしてくれてあるところ、最高だわ。しゃがみこんで滝を撮影中のライアンさんにもご注目ください。

 

ベイン・バーンが氷河に浸食されてお椀状の谷ができているんだって。それにより起伏の激しい景観が生まれたのね。ライアンさんはもちろん、ベイン・バーンに登ったことがあるってさ。トレッキング・ルートがあるの。Walkhighland に載っている。(下の写真はウィキペディアからですが)

By Dave.Dunford at English Wikipedia - Transferred from en.wikipedia to Commons., Public Domain, Link

 

 

そしてラッセル・バーンにかかる橋から少し進んだところから道路は右に曲がってゆき、山越えのルートに入ります。地図の上で、左から2つ目の記しのところね。

 

ビーラッハ・ナ・バ(ゲール語で、牛の通り道と言う意味)という有名な道路です。

 

この道を登り切ったところにビューポイントがあるんだけど、そこに至るまでのこの道そのものがアトラクションだったわ! もう本当に素晴らしい、絶景!

 

道は車一台分の幅しかないので、短い間隔で何ヶ所も待避所が設けられています。すれ違いにさえ問題がなかったら、そこ車を停めてササッと写真を撮ることもできます。

 

ここは待避所というより写真スポット用のスペースかな? 何台も駐車できる広さがある。撮影にいそしむライアンさん。

 

いよいよクネクネ道にさしかかると、待避所もせいぜい車一台分くらいなので長くは停めていられない。また、他の車が先に停まっていたら諦めるしかない。一ヶ所、車2台分はある広い待避所があって、そこは明らかにライアンさんが狙っていた写真スポットだったようですが、既に1台が駐車していて、もう1台分のところに運転手が立ってのんびり景色を眺めていたので、停まれず進んでいくしかありませんでした。くそー、せめて彼が車のすぐそばに立ってくれていたら、私達も停めることができたのに…。

 

せめて車窓から撮るぞ。揺れるけど。

 

このツアー、絶景は数々あったけど、個人的にはここが一位だなあ。

 

上り切ったところにあるビューポイント。

 

舗装道路としてはスコットランドで3番目に高い位置(626m)にあるそうです。お天気が良かったらスカイ島までスッキリと見渡せるんだって。この日は残念ながら午前中は少し曇っていたんだよね。でも手前にあるラッセイ島とローナ島は見えたし、これでも充分に素晴らしいよ。

 

ライアンさんは、最高の状態での景色を見せられなかったことが残念だったっらしく、ちょっと悔しそうでした。本当にハイランドとその景色を愛しているんだなあ。

 

 

ライアンさんは都会で働いていたこともあるけど、今の仕事がとても気に入っているそうです。とにかくハイランドが好きで、それも西側の、山がたくさんあるところが大好き。何度行っても飽きることがないって。 


もちろん興味のポイントは人それぞれですので、ライアンさんのご友人には、インヴァネスに住んでいるのにアップルクロスに来たことがない人もいるそうです。

「えーっ、もったいない! 信じらんない! 車があればすぐ来れるのに!」

「そうだろ!? 近くにこんな素晴らしい景色があると知っていながら来ないなんて、理解できないね!」

などと盛り上がっておりましたが、私が奈良の大台ケ原に行ったことがないのと同じことなのかしら。(行く計画を立てたことが2度もあるんだけど2回ともぽしゃって)(いつか行きますとも)

 

また海辺に降りていきますよ…。

 

ところで、ちょっと興味が出て調べてみたところ、アップルクロス半島の南側には、海側を行く道はないらしい。半島の南端に行くにも、山を通って北へと進み、西の海沿いを南下するルートが出てくる。舗装道路と言うだけでなく、徒歩で行ける道もないみたいよ。

 

村と言える集落があるのもカマステラックまでで、あとは道路沿いにポツンポツンと家がある程度(B&Bだったりする) 上の地図、青が舗装道路ね。灰色の点線は、徒歩ルートを指します。

 

上の写真でいう、アップクロスとカマステラックの間くらいの場所から。

 

2019/5/1


インヴァネスを出発して、まず向かったのは地図上Bの Rogie Falls です。アップルクロス半島への途上にあるから寄ってくれるのだ。

 

なんて読むんだったかな。ロッジ―・フォール? ブラックウォーター川が作る美観です。ブラックウォーターと言う名は、川の水が泥炭で染まって黒く見えるからでしょう。

 

幹線沿いにあって駐車場もあり、美しい森林の中にあるため、皆が気軽なハイキングを楽しみに来る場所らしい。トレイルがいくつか整備されている。

 

幾段にも重なる川床が複雑な滝を織り成しているの。これは吊り橋から見たところ。8~9月には鮭が遡上してくるのが見えるそうですよ。公共バスでも来ることができるそうなのでどうぞ。

 

もう最初のこの時点で、ライアンさんの郷土愛も、どんなにこの仕事を愛していて楽しんでいるかも、伝わってきましたわ。ガイドするにも、「はい、ここが○○です。写真をどうぞ」なんてのじゃないの。『こんなに美しいものがここにある。これを見てほしい! どう? どう!?』とそれは誇らしげで嬉しそうなの。こういうガイドさんがいいよねえ。


年の頃は30代後半くらいかな。他のツアーのガイドさん同様、キルトを着用して観光客の気分を盛り上げてくれます。(後で撮った写真だけどご紹介)



元消防士にして元ITエンジニア。そして、ゲール語を話せるのでラジオ番組に招かれたりもする。歴史映画のエキストラもこなす。趣味でハードロックバンドもやっている。今の本業はツアーガイドで、特に写真家を案内するツアーは得意みたいよ。彼自身が写真家なので。彼のインスタグラムには素敵な写真がいっぱい。多才な人だな。
 

さて、そんなお喋りをしながら到着したのがロッホ・カロン。Cの場所ね。

 

 

ここは可愛らしいカフェやB&Bが並んでいる。

 

 

ウォーターサイドカフェさんで軽く休憩。ツアーでよく使われているお店らしい。
 
ケーキはウィスキー入りだったっけ…。みっしりと重量感があり、小さい割に食べ応え抜群で、半分は包んで持ち帰りました。まだ10時半だったし、そんなにお腹空いていなくてさ。でも食べたかったのだ。
 
その後は海辺に降りてちょっと写真を撮る。
 
ロッホ(湖)とは言いますが、ここは海と繋がっていると言うか、深い入り江なんですよね。満潮になったら私が立っていた辺りは全部水没するんでしょうな。

 

私以上に熱心に写真を撮っていたのがライアンさんです。「あれ、いいな」と呟いて近づいて行ったのがこの船。うん、写真好きな人って良い被写体を見つけるのも上手いんだね。私スルーしてたわ。

 

美瑛の拓真館で前田真三氏の写真を見ていた時のことを思い出した。森の奥の川に薄く氷が張り、その上に軽く刷いたかのように薄らと雪が被り、その上に紅葉が一枚落ちていて、さらにその紅葉が少し動いたらしく、重なるようにして横に跡が残っていると言う、非常に繊細な写真を見て、「こんなの私は見つけられない」と思ったことがあります。もう30年も前ですが、写真の美しさに圧倒されると共に、「私とは目が違う」と思ったのが、忘れられない。

 

ライアンさんもその日はスマホだけでしたが、自分の楽しみのために本格的な撮影をする時には、もちろん良いカメラを持ってきているのでしょう。

 

そう言えば最初にバスに乗った時、「いいカメラ持ってきた?」と聞かれ、私のスマホは割ときれいに撮影できるやつだから「はい」と言ったら、「どんなカメラ?」と聞かれましてね。「あ、いえ、スマホっす…」と恐縮してしまったのでしたわ。

 

まあ私はちょっとアホな受け答えをしたってだけですが、聞いていて面白かったのが、ライアンさんのウェブサイトでわざわざ「撮影ツアー」を申し込んでいながら、持っているのがスマホだったと言うグループの話。一般観光客向けの5000円くらいの物見遊山ツアーじゃない。撮影を目的とした専門的な少人数ツアーだからもっと高額だし、軽いトレッキングが必要だったりするので服や靴の準備も違ってくる。

 

ライアンさんは困惑し、その場でお客さんたちと相談して予定を変えて、普通の観光客向けバージョンの写真スポットツアーに変更したそうです。私の想像ですが、たぶんお客さんたちはハイランドで素敵な写真をたくさん撮りたいと思い、「写真、ツアー」てなキーワードで検索してライアンさんのサイトを見つけ、撮影ツアーなら良い写真スポットに連れて行ってもらえるからと申し込んだのではないかな。その考え方ならわからんでもない。お客さんたちは大満足していたそうなので、結果オーライです。


一方で、ドイツから来た年配の女性には本格的な撮影ツアーを楽しんでもらったそうです。夜明け前に出発し、山を登って、タイミングを待ち、朝焼けに染まる山々や変わりゆく空の色を撮影。こういうのがライアンさんの本領なのでした。

 

誰か、ハイランドで本格的な写真を撮りたい人、ライアンさんに相談してみてね。

 

2019/05/01

 

この日は10時間のアップルクロス半島ツアーに出かけました。私好みのツアーはないかと検索していて、viator見つけましたもの。ツアー会社は timberbush 。別に viator を通さなくても、直接 timberbush で申し込めるよ。

 

アップルクロス半島はここね。スコットランドで3番目に標高の高い場所にある道路を通るのが決め手でこのツアーに決めました。公共交通機関では行けない場所だし。

 

私が周ったルート。Jは、最後に戻ったインヴァネスです。出発地点を指すAがJの下に隠れている。

 

実はアップルクロス半島って今回まで全然認識していなかったんです。ハイランドらしい景色を堪能できるツアーをと探し、私の希望に一番合致しているツアーとして浮かんだのがこちら。

 

思い起こせば、こうと決めるまで長い道のりでした。

 

長年の憧れスコットランドをついに訪れると決めた時、最初は「初回だしおとなしく近場で済ませるか…」と、エディンバラからロッホ・ローモンドに行って、ドゥーン城に寄りつつスターリングに行き、エディンバラに戻るルートを考えました。(スコットランドは2回目以降があると既に想定していた)

 

次に「だけどやっぱり憧れはハイランドだし!」てことで計画変更。インヴァネスからバスでネス湖やアイリーン・ドナン城で1泊ずつしながらスカイ島に行って3泊し、フォート・ウィリアムを通って南下してエディンバラに行くプランを立てました。ハイランドを回る大定番って感じでしょ。

 

それから「待って! もしかしたら一生に一度のスコットランドかもしれないんだよ。オークニーはいつかオークニーだけで行くなんて思ってるけど、行かずじまいになったらどうするの!」とスカイ島はやめてオークニーに行くことにしました。ガウェイン卿(と弟たち)が生まれたオークニー(と亡くなったドーバー)はアーサリアンにとっては巡礼の地ですからね。

 

本当はオークニーに3泊したかったんだけど、カークウォールからはアバディーンへの夜行フェリーが隔日しか運航していなくてね。ストロムネスからスクラブスターに戻ってハイランド周遊に出ることも考えたけど、どっちにせよインヴァネスに行かないと不便なんですわ。あのスクラブスターとインヴァネスの間の4時間バスドライブをまたやってもつまんないしね。で、アバディーンは東海岸にあるし、そこから西の端にあるスカイ島に行くのはやっぱキツイんで、ダノター城を見た後は南下してパースで1泊してスターリングに抜けるか、とも考えました。

 

 

が、どうもパースにピンと来なくてさ。やっぱり憧れのハイランドに行くべくインヴァネスに戻ることに決定。

 

更に言うとこの変更に当たっては、スカイ島に行くならアイリーン・ドナン城に寄れるけど、オークニー諸島に行くなら戻りがアバディーンだからダノター城に行ける。どっちがいいだろう…という悩みもありました。で、スペクタクルという点でダノター城に軍配を上げたのよ。潮が満ちると島になるアイリーン・ドナン城と、断崖絶壁の上の城塞の廃墟であるダノター城… やはりまずはダノター城ですよね…。

 

By Diliff - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 

By Qmin - Own work, CC BY-SA 3.0, Link


しかしアイリーン・ドナン城にも未練があり、インヴァネスからアイリーン・ドナン城まで行って戻ってくるツアーとかないかしら、途中でネス湖にも寄れるし、と探しましたが、アイリーン・ドナン城まで行くツアーとなると「スカイ島ツアーの途中でアイリーン・ドナン城に寄る」てパターンしかなくってね。まあ、アイリーン・ドナン城も、ネス湖畔のアーカート城も、せっかくバスで行ける場所にあるんだし、ゆっくり時間を取って見学したいから、スカイ島メインで訪れる時に寄らせてもらいますわ。

 

前置きが長くなりましたが、こうして行先を決定し、アップルクロス半島を訪れたのです。

 

地図を再掲しますが、アップルクロス半島ツアーのルートは、ざっくりと言うとこんな感じ。

 インヴァネス(A) ⇒ Rogie Falls(B) ⇒ ロッホカロン(C) ⇒ 

 ビーラッハ・ナ・バ(D) ⇒ アップルクロス村(E) ⇒ 

 西の海岸沿いを北上 ⇒ トーリドン湖、シールダイグ湖などに沿って西へ(F、G) ⇒ 

 ベン・エイ自然保護区(H) ⇒ インヴァネス(J)

 

これは主な訪問場所と写真ストップを記録したもの。

 

ピックアップは8時半、インヴァネスのバスターミナル。もちろん早めに行きました。…が、それにしたって誰もいない…。時々他のツアーのバスが来て1人、2人のお客を拾っていく(既に乗り込んでいる客は、ホテルとかでピックアップしてもらったんだろうね)。けど、私が指定されたプラットフォームには誰もいない! バスも(出発時間前だからまだ)来ない! ホントにここでいいの? と不安になって、来た別のバスの人に「このツアーは…?」とスマホ画面を差し出して見てもらったら、「うちは違いますよ。どこの会社? ああ、ティンバーブッシュね。ここで合ってますよ、待っていたらすぐ来ます」と親切に教えてくれました。

 

インドから来ているという旅行者(別のツアーのピックアップ待ち)とお喋りして気を紛らわしつつ待っておりましたら、ほどなく私のツアーのバスが到着いたしました。で、どうして私の他に誰もバスターミナルで待っていなかったのかわかった。

 

その日は私しか客がいなかったのだ!

 

プライベートツアーっすか、マジで!? こんなお得なことってあるの!? ツアー会社も大変だな、一人分しか収入がないのにガイドを雇わなきゃいけないんだから…。「○名から催行」とかは、しないんだね。


ガイドのライアンさん曰く、「一人なんて珍しいよ! 普通は少なくても5~6人はいるから。僕は楽できていけどね、いつもならマイクを使って喋らないといけないし、時には声を張り上げないといけない」。そう言えば、シーズンが始まったばかりで、確かこの日がこのツアーが催行される初日じゃなかったっけ? 違ったかな。そんな理由もあるのかもと思ったり。それに、確か毎日催行するわけじゃなかった気がする。

 

また後で色々と書きますが、このライアンさんが面白い人で、彼の話がこのツアーの大きな魅力ともなりました。このツアーを選んだ理由を問われ、私が若い頃からハイランドの景色にずっと憧れていたと言う話になり、「最初にああいう景色を見て虜になったのは「ハイランダー」かなあ」と言いましたら、「あれは僕のお気に入りの映画だよ!」だって。映画の趣味も合う 笑

 

 

剣の訓練する場面で、空撮のカメラが引いていってハイランドの山々が現れていくところ、ホント忘れられない。そう言えば、「ハイランダー」をリメイクする話があるとライアンさんが言っていたよ。クリストファー・ランバートでないコナー・マクラウドなんて… とか言ってたらダメよね。余談ですが、ドラマの方、第1話にしかクリストファー・ランバートは出てこないのに、日本放映時に新聞のテレビ欄にはずっと彼の名前が出ていました。テレビ欄担当者もまさかクリストファー・ランバートが出ないハイランダーシリーズがあるなんて思ってもみなかったってことなんだろうと推察しておりましたわ。

 

あ、でもさ、映画をリメイクするなら、第1作のラストで明かされる秘密を別のにしてほしい。「そんなもんで世界平和なんか達成できるか!!!!!」と思っくそ突っ込んだわ。


あと、最近の人気ドラマと言えば、の「アウトランダー」の話も。

 

ツアーを検索したら、やたらと「アウトランダーロケ地ツアー」だらけでさ。大人気なんだなあと感心した。ツアーを探していた頃は私はまだ「アウトランダー」は見ていなくてね。出発直前に「せっかくだから見ておくか」と見始めたの。ライアンさん「ああ、あれもいいドラマだね。……ちょっと、裸のシーンが多すぎるけど」と苦笑いしていました。その時、私はまだシーズン1の途中までしか見ておらず、「そんなに言うほどヌード出てきてたっけ?」と思ったけど、帰国後に続きを見て「なるほど」と…。ちなみにフランス編で飽きて放置中。そろそろスコットランドに帰るようだったけど… カローデンの戦いまでは見なきゃね。

 

それと、私が出発前に友人にDVDを借りて「マクベス巡査」も見てきたよと言ったら、

「ロケ地はアップルクロスのすぐ近くだよ」

「知ってる、プロックトンでしょ? いつか行ってみたい」 

「次にハイランドに来る時に行くといいよ。電車でも行けるから」と。

 

 

今回、本当にすぐ近くまで行ってきたんだよなあ。海峡を隔てた反対側の、ストラスカーロンからアーダロックまで行って、そこから内陸を通って「アップルクロス」と書いてある方に抜けていったの。

 

右下の小さな矢印はアイリーン・ドナン城のあるところ。カイル・オブ・ロカルシュをずっと西に行くとスカイ島です。インヴァネスからバスでネス湖に行って一泊、そのまま西に進んでアイリーン・ドナン城の近くで一泊、そしてスカイ島に行って3泊くらいして戻ってきて、カイル・オブ・ロカルシュから電車でプロックトンに行って一泊、そして電車でインヴァネスへ2時間半。いいかも。3回目はそうする。ちなみに2回目はシェトランド諸島に絞る予定。

 

全然アップルクロス半島の話を書いていないな…。

 

2019/4/30

 

さて、まだまだ浸っていたいところですが、電車の時間に余裕を持って駅に着きたいので、後ろ髪をひかれつつダノター城を後にしました。

 

さよ~なら~…

 

再び崖の上の道を楽しく歩いて行きます。

 

途中で行きあった他の旅行者とちょっとお喋りしたら、大学生で、4か月のお休みが始まったところだとか。羨ましい…。

 

 

これは戦没者記念碑。

 

第1次世界大戦での英国軍の死者の2割がスコットランド人だそうです。スコットランドから出征した人の4人に一人は戻ってこなかった。そのうちの200人がストーンヘイヴンの人だったそうです。ここブラックヒルのこの神殿か、町なかのマーケットスクエアに十字架を建てるかの案のうち、投票でこっちが選ばれ、この土地を所有していた女性が土地(と大金)を寄付してくれたんだって。除幕式は完成の翌年の1923

年。その後、第2次世界大戦のメモリアルともなったのです。

 

ここまで来たらストーンヘイヴンもすぐです。港が見えてきた。

 

さてストーンヘイヴンの中心まで戻って参りまして、マーケットスクエアに面したスーパーマーケットで水を購入。そして、さすがに少し疲れていたので、パブで休憩しました。と言うか、マーケット広場(駐車場になっている)を歩いてみて、この建物を見たら、1階に「ザ・マーケット・バー」と書いてあるドアがあったので入ってみたくなったの。

 

 

こんな町のど真ん中の広場にあるのに、いかにも地元民向けの緩い雰囲気。観光客向けのお店はむしろハーバー沿いに固まっているのかしら。冷たいビールで喉を潤し、お店のWi-Fiで調べ物などしているうちに、すっかり疲れが回ってきました…。つまり、駅まで歩くのが嫌になってしまった。下り坂で20分なら上り坂では30分はかかるだろう。あの急な坂を… とか考えていたら、もう…。

 

 

てことで、もうタクシーを呼んでしまえと思い、地元のタクシー会社を検索して電話したんですが、なぜか電話がかからないの。ワケわかんないので、カウンター内にいたお姉さんに「すみません、ちょっと助けていただきたいのですが…」と哀れっぽく声をかけ、タクシーを呼んでもらえないだろうかとお願いしてみたところ、お姉さんは私が入ってきた広場側のドアの反対側(道路側)にあるドアを指さし、「OK。では、あちらのドアから出てみてください。そこにタクシーが列を作って待っていますから」と笑いました。私も「ええ!?」と声を上げて笑いました。私らの笑い声を聞いて、他のお客さんも笑い出しました。だってー、こんな小さな町でタクシープールがあるなんて思わなかったんだものー!

 

道路がわのドアから出てみると、本当にタクシーが3台も並んで客待ちをしていました。仲間とお喋りしていた先頭のタクシーのドライバーさんに駅まで行ってもらえるか聞き、OKされたので、快適に駅まで移動いたしました。確か3ポンド半だった記憶。近くてすみません…。

 

この後は再びインヴァネスに向かうのです。ストーンヘイヴンからアバディーンを経由しつつ電車一本で行けます。所要約2時間半。

 

が、インヴァネスまで行く長距離列車は1時間半~2時間に1本しかないのに比べ、ストーンヘイヴンからアバディーンに向かうローカル列車は頻発しているので、ストーンヘイヴンの駅で最初に来たアバディーン止まりのローカル列車に乗ったら、アバディーンに着いた後、インヴァネス行きの列車の発車まで少し時間ができまして。せっかくだからビールを一杯、引っかけました。

 

写真を撮ったはずなのに見つからないので、Antonella Lin Moi さんの写真をお借りします。

 

電車はあまり人が乗っていませんでした。夜遅い便だからかな? インヴァネスに着いたの、22時半くらいでしたし。電車の中で、朝の食べ残しのパンケーキで夕食にしました。

 

インヴァネスでの宿はウェイヴァリー ゲストハウス。部屋は広いとは言えませんが、荷物を広げるスペースはありました。もちろんお茶の用意やお菓子もついていましたし。

 

バスルームもきれいでしたが、あまり広くはなく、写真はドアを開け放って廊下から撮らないと入らないのですが、共用なのでちょっと気が引けて、撮らなかった。なので、Booking.comから拝借。

 

更にここは朝食付き。パン類とシリアルと飲み物というシンプルなものですが、充分です。この右側のやつ、モチモチした食感でした。なんていう種類のパンだろう。

 

バス・トイレ共用だったとは言え、駅前で、シングルで、簡単な朝食が付いて一泊4500円くらいって、ちょっとすごくないですか?

 

インヴァネスに着いてから一杯だけでも引っかけにパブにでも行こうと思っていたのですが、時間が遅かったし、面倒くさくなったので、さっさと寝てしまいました。お向かいにもバーがあったんですけどね。やっぱり年を取ったせいか、こういうとこ馬力がなくなってますわ。

2019/4/30

 

By Jonathan Oldenbuck - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 

A ゲートハウス&ベンホルム館  B トンネル  C タワーハウス  D 鍛冶場  E ウォータートン館

F 馬小屋  G 城館  H 礼拝堂  I 裏門  J ホイッグのアーチ天井  K 競技用の芝生

L 衛兵の哨舎  M 崖  N 北海

 

じゃあ、今度は城館の下の部分。なんかもう忘れかけているけど、東翼の下のとこだったはず。

 

ここは倉庫。

 
ここ何やろ?

 

ここはビール醸造所。真ん中のバスタブみたいなとこでビールを作っていた模様。

 

ここは流しかしら?

 

一番奥にあるのがパン焼き窯。

 

パン焼き窯からビール醸造所を振り返ったところ。

 

パン焼き窯の部屋には幽霊が出るそうですよ。緑色のプラッド(クラン・タータンを織り込んだ大きな一枚もののウール)を身に着けた若い女が、失った子供たちを探してパン焼き窯の辺りを歩き回っているんですって。それから女はビール醸造所の方に歩いて行って、消えてしまうんだって。それはたぶん5世紀のピクト人の女性で、子供たちがキリスト教に改宗してしまったことを指しているのだろうって。

 

ほかにも、軍礼装に身を包んだ背の高いスカンジナヴィア人らしい男性が、何かを待っている様子で海を見つめているとか…。ベンホルム館から大きな会議を開いているような物音が聞こえてくるとか…。

 

これは「ホィッグのアーチ天井」と呼ばれる部屋。ここに1685年に、長老派教会への支持を盟約した122人の男性と45人の女性が投獄されたの。ろくに水も食料も与えられず、渇きと飢え、病と拷問に苦しめられ、脱獄した人もすぐに捕らえられて殺されました。

 

こういう迫害がなされた1680年~1688年を、スコットランド史では「殺戮時代」と呼ぶそうです。イングランド王兼スコットランド王であるチャールズ2世と弟のジェームズ2世(スコットランド王ジェームズ7世)が、ローマ・カトリック的なシステムを使って宗教弾圧をおこなったの。

 

カークウォールの司教館のところでもちょっと書きましたけど、1638年にスコットランドでは司教制度が廃止されたんですよ。ですが、1662年にチャールズ2世が長老派の力を押さえるために復活させた。国教会に従わない牧師たちは教会を離れて独自に野外礼拝をおこなっていたのですが、見つかれば捕らえられ、拷問と死刑が待っていました。

 

城主の部屋(最上階)、その下の階がホイッグのアーチ天井、そのまた下は牢獄だったっけ…。

 

城主の部屋から見える海の景色。北海です。

 

お城の中にいたのは4時間弱。全然足りないけど、そろそろ行かねばね。ちなみに、このお城の敷地内には売店も何もないので水くらいは持っていかないといけません。が、お手洗いはありますので、ご安心を。ちなみに駐車場には食事できる店もあるらしいよ。

 

私は駐車場の方には行かずに、また崖沿いにストーンヘイヴンに戻っていきます。

 

遠くの丘の上に見えているのは、後で寄ってみた戦没者記念碑です。

2019/4/30

 

By Jonathan Oldenbuck - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 

A ゲートハウス&ベンホルム館  B トンネル  C タワーハウス  D 鍛冶場  E ウォータートン館

F 馬小屋  G 城館  H 礼拝堂  I 裏門  J ホイッグのアーチ天井  K 競技用の芝生

L 衛兵の哨舎  M 崖  N 北海

 

では、GとHの、城館と礼拝堂を。

 

グーグルの航空写真から。左側が西翼(下側の屋根があるところがシルバー・ハウス)、上が北翼(屋根があるところがドローイング・ルーム)、右側に突き出しているところは、下の階がJのホイッグのアーチ天井と呼ばれている細長い部屋で、上に城主の個室がある。その下、右側の東翼の中に城主夫人の個室があり、下側の細長いところが礼拝堂です。

 

では地上から。手前が西翼とシルバーハウス、左奥が北翼、奥が東翼で右端が礼拝堂ね。

 

シルバーハウスって言う名前の由来は何なんでしょうね。ダノター城、パンフレットもなかったし、城内に説明のプレートはあるけどさほど詳しくないし、ネットで調べてもあまり情報が出てこないんだ。

 

建物がロの字形になっている。その内側。右に見えているのは貯水槽。井戸はありません。そりゃ、海に突き出た岩の上みたいなもんだしな~。

 

北翼。左側の屋根があるところがドローイングルーム。北翼の右下の入り口から中に入れる。

 

城館はおそらく1581年の増築で建てられたものだろうって。それまでタワーハウスに住んでいた城主一家がこっちに移ったわけね。こっちの方が快適だったでしょう。ずっと広いもんね。西翼だけで7つの個室があって、その上階にはギャラリー(天井の高い細長い部屋)があったらしい。

 

上の写真の、屋根がなくなっている部分。左手奥の建物はドローイングルーム。

 

これはドローイングルームの中にある、1室だけ昔の生活を再現したお部屋。

 

じゃあ、城館のお部屋を見ていこう。


 

城主のお部屋。

 

東翼。

 

城主夫人のお部屋。

 

振り返ったところ。

 

日時計は元は別の場所にあったんだけど、20世紀に入ってからの修復の際にこっちに移動したんだって。それって修復というのか…? 右は城主と城主夫人の紋章。1645年と刻まれている。

  

 

ここが端っこです。夫人のお部屋は2間続きだったのかしら?

 

この↑部屋の左手に礼拝堂があるのだ。では、地上に降りて…

 

1276年に建てられた礼拝堂。

 

1297年には、スコットランド独立戦争のさなかに、イングランド軍が占拠していたこの城をウィリアム・ウォレスが攻撃。逃げ場をなくしたイングランド兵は礼拝堂の中に立てこもりましたが、ウォレスは礼拝堂に火を放ってイングランド兵を生きたまま焼きました。そして城全体もぶち壊しました。

 

 

当時、この城と一帯を守っていたイングランド兵が4000人いたのかな。資料によっては4000人のイングランド兵がこの礼拝堂で焼き殺されたと書いてあるんだけど、こんな小さな礼拝堂に4000人も入るか!

 

 

 

2019/4/30

 

By Jonathan Oldenbuck - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 

A ゲートハウス&ベンホルム館  B トンネル  C タワーハウス  D 鍛冶場  E ウォータートン館

F 馬小屋  G 城館  H 礼拝堂  I 裏門  J ホイッグのアーチ天井  K 競技用の芝生

L 衛兵の哨舎  M 崖  N 北海

 

タワーハウスの入り口というか、ここは倉庫でした。

 

タワーハウスは14世紀の終わりに建てられました。現存する建物より更に3階分あったそうだ

 

 

 

螺旋階段は常に楽しいものですが…

 

 

大ホールに出るここんとこ、めっちゃおもしろくない!?

 

どうも逆光になっちゃうんで上手く撮れないんだけど、階段が2つ並行しているのも、階段からこの部屋に出ていく場所が3ヶ所も並んでいるのも、めっちゃツボに入ったわ!

 

このカップルが早くどいてくれないかと思っていたんだけど、私と同じようにゆったりとこの空間を楽しんでいるタイプで、外の景色を眺めたり、ガイドブックを読んだり、なっかなかどいてくれないので諦めた。

 

この階段の上はこんな風に続いていく。立ち入り禁止ですが。

 

室内から見るとこんな感じ。左端は上の階に続く階段、その隣は下の階に続く階段、その隣は奥の部屋に続く階段、そして右端はまた別の部屋です。いいね!たまらないね!

 

奥の部屋はこんな風です。入り口の小ささに比べると大きく感じたわ。

 

大ホールに戻ってきて、振り返る。上の階には居住スペースがありました。

 

縦で撮ってみる。

 

上の写真から少し左によるとこれね。窓の向こうに見えているのはウォータートン館だろう。

 

上の写真の左、カップルが座っていた窓から見た風景だと思う。たぶん…。

 

反対側の窓からの光景。

 

大きな塔だったから、たくさんの階とたくさんの部屋があった…。全盛期の姿を見たい…。

 

 

 

 

ウィリアム・ウォレスに焼き落とされて以降廃墟となっていたダノター城を、1336年にイングランド王エドワード3世に命じられたウィリアム・シンクレアが占拠。北征の拠点とすべく城壁などで一層の城塞化を推進。でもまたアンドリュー・マーレー率いるスコットランド勢が攻め入ってきてお城を奪還、というか、また焼き落とした。

 

その後、幾人かを経て1359年ごろ、第4代アール・マリシャール(スコットランドの貴族の称号)であるウィリアム・キースがダノター城主となりました。そして彼は娘夫婦にこの土地を与えたのですが、またその後で、別の土地と取り換えっこしたそうです。その後でウィリアム・キースはこのタワーハウスを建てたの。

 

が、思わぬ事態に発展。教皇庁が、ここは聖別された教区教会の土地だとクレームを入れてきたのです。そして、そこに勝手に建物を建てたとして、キースは教皇から破門されてしまったのだ! キースはちゃんとストーンヘイヴンに近い場所に別の教区教会を建てていたんですけど、教皇様には逆らえないので、お詫びのお手紙を書いて牛を贈り、破門を解いてもらったとか。大変ね

 

 

2019/4/30

 

ハーバーからダノター城まで、崖の上を歩いて30分くらいです。

 

 

このお城の起源は、聖ニニアンが5世紀に礼拝堂を建てたという伝説があるそうですが、伝説どまり。最初に文献に現れるのは7世紀末の出来事。アイルランドの歴史書に、ダノターで681年と694年に包囲戦があったと書き残されているとか。もちろんその頃にあったのはもっと小さくてシンプルな砦でしょうけれど。スコットランド王を意味する称号で呼ばれた最初の王であるドナルド2世が900年にヴァイキングを迎え撃つも戦死したとか、934年にイングランドのアゼルスタン王が攻め入ってきたとか、ダノターを舞台にした戦いはたくさんあったみたいだ。

 

現存する建物は13~17世紀の間に建てられたものですって。

 

遠くから見たら孤立した島の上にあるように見え、橋もないようなので、どうやって渡るんだろうと思っていましたが、こういう風に渡るのでした。(この写真は実は帰る時に撮ったので空の色が違う)

 

グーグルの航空写真。

 

お城の全体の見取り図。

By Jonathan Oldenbuck - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 

A ゲートハウス&ベンホルム館  B トンネル  C タワーハウス  D 鍛冶場   E ウォータートン館

F 馬小屋  G 城館  H 礼拝堂  I 裏門  J ホイッグのアーチ天井  K 競技用の芝生

L 衛兵の哨舎  M 崖  N 北海

 

 

写真を撮った順番はめちゃくちゃだけど、入り口から…

 

Aのゲートハウス&ベンホルム館の上から見た図。後ろの草に埋もれてわかりにくいと思いますが、真ん中辺りにチケットブースの緑の屋根が見えています。

 

上から見たらこんな風。左側がベンホルム館、中央がゲートハウス、その下にチケットブース。

By William Marnoch from Cambridge, UK - Dunnottar Castle, CC BY 2.0, Link

 

ベンホルム館は16世紀に建てられた5階建て。上の方は住居、一番下には牢獄がありました。ゲートハウスを繋ぐ階段の勾配がエグかったですね。ベンホルム館の上の方は部屋がきちんと残っていたよ。

 

 

 

 

チケットブースからこの階段を抜けて、コートヤードに出ます。

 

入って右手(南)に見える光景。左から、ウォータートン館、その奥に馬小屋、手前に鍛冶場、右端がタワーハウスです。逆光だし、重なっちゃってよく見えないと思うけど。

 

ウォータートン館は1574年に追加されたもの。当時の城主が長男夫婦のために作ったとか。

 

ここは厩舎の跡。

 

奥に見えているのがタワーハウス。その手前に見えるアーチがあるとこは、鍛冶場の跡だって。