児童養護施設へ | いおく美里です!

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児童養護施設へ

実の親と一緒に住むことができず、
児童養護施設や里親の元で暮らす(社会的養護)子どもたちは
今日本で4万2000人を超えています。

東京都日野市にある至誠学園が運営する
「至誠大空の家」を夫と共に訪問しました。

児童養護施設とは、
さまざまな事情から保護者と一緒に暮らせない子どもたちを、
一時的にあるいは社会に送りだすまで養育する(育てる)施設です。

基本的には、入所は18歳までで、
高校卒業と同時に施設を出なければなりません。

今、至誠学園には3つの施設で、140名の子どもを養育されています。

訪問した「大空の家」は少し高齢で、
施設を出なければならない18歳にむけて、
自立に向けた訓練も含めてされています。

これまで施設で育ったのに、
18歳になるといきなり衣食住自分でなんとかしないといけない。
自分でご飯を作ること。
心の自立をすること。
できるようには相当のトレーニングが必要です。

しかし、
施設の方にお話を伺うと、
こうした自立訓練を成功させるためにも

まずはしっかりと子どもたちが、
愛されるべき存在だと自分自身思えるようになること。

そのためには、
普通に親が子どもにやってくれることを
親に代わって、子どもに与えること

洗濯された洋服
暖かいごはん
清潔な寝床
お風呂

こうした普通をいっぱい充足してこそ、
自立へとつながる
そんなお話を聞かせていただきました。

【心の保護膜】

毎日、話を聞いてもらう。
何か話かけたときに受け止めてもらえる。

そうした、自分から発したことを
受け止められることを繰り返し繰り返し
経験する事で、

心の保護膜がはれる。

先生はそうおっしゃいました。

心の保護膜があると
学校で、
社会に出たとき、
いやなことがあったとき、

あぁ、この人はたまたまこんな人だったんだな。
あぁ、今日は期限が悪いんだな。
と思うことができる。

虐待にあって、
心が非常に敏感になっていて、
むき出しのままの気持ちのままだと、

冷たいこと言われたり、心無い扱いを受けると
「この人は私の事が嫌いなんだ」
「私はダメなんだ」
「発したらダメなんだ」と思ってしまう。

愛され、ケアされ、存在自体をいつくしむ経験が、
人には必要なんだ。


「しつけ」というと、不十分な状態を、良の状態にしていくため、と
思われがちですが、そうじゃない。

しつけとは
「不快」を「快」にすることだ、と。

赤ちゃんが泣いたときに、
ミルクを上げる。
おむつを替える。

子どもがぐずったときに、
話を聞く。
手をつなぐ。

こうした繰り返しがあるからこそ、
次のステップとして、
愛着の対象者を内在化する。
自分自身を自分でケアできるようになる。

そして、人をケアすることができる。


愛されることが
愛することの大前提。

実親が愛を持って育てる。
もちろん一番良い。
けれども、
4万人以上の子どもが一緒に暮らすことができていない。

実親が育てるのが不可能なら、
できるだけ若い時に、小さなときに
同じ人から
愛情がたくさんかけられる状態で育てられるようにしたい。

単に子が欲しいという思いだけでなく、
お話を聞かせてもらってそう考えました。






〇18歳で施設を出なきゃいけないの?
現在、「措置延長」という手段で延長することができる。
この「大空の家」では、措置延長を使って
特に大学に進学した子は、延長するようしている。
それは、高校から大学への進学は環境が大きく変わる。

大学では、友人や先生ら周囲から情報を得ることが大切なこと。
履修制のために、選べる=簡単に孤立しやすいことなどあり、
2つ同時の新しいことはとてもしんどい。
だから、少なくとも一年間は措置延長をした方が
その子のフォローをすることができる。との考えです。

素晴らしい考えです。

この施設では、
国が学費の減免(割引)などの制度が整っていることで、
近年は高校三年生の子らの進学率も非常に高い。(4人中、3人)

ただ、、
他の施設がそうかというと、、、そうでもありません。

また、
経済的な問題が解消さえても、中退率は依然高いまま。
それは、やはり孤立に陥りやすいという問題があり、
大学側の理解不足などがあるとのことでした。


〇里親支援
欧米に比べて里親制度の普及が進んでおらず、
社会的養護にある子のほとんどが施設で暮らしています。

社会的養護を要する児童の3分の1を里親委託とする厚生労働省の方針により、
里親委託が進められている。

児童養護施設や乳児院にも里親支援相談員の職員が配置され、
施設と里親とが協同して養育することで
里子となった子供の精神的安定と将来の夢の実現にむけて、
サポートできるように取り組まれています。


日野市選出の菅原直志都議のアテンドで伺いました。
ご自身が7歳でお父様を交通事故で亡くされた経験から、児童福祉に力強く取り組まれている方で
お話し一つひとつに説得力と熱意あふれる都議さんです。 
ありがとうございました。