静嘉堂文庫美術館で開催中の「たたかう仏像」展へ行って来ました。
私たちが普段イメージする仏像は、「穏やかで静かな仏像」ではないでしょうか。
しかし、仏像のなかには、その印象を覆す、甲冑姿の神将像や四天王像なども見られます。
普段の「鎮魂」や「慈悲」の仏像とは異なり、まさに”救済の最前線”で衆生を守る存在としての仏像の姿が強調されているのです。
本展では、静嘉堂所有の仏像彫刻・仏教絵画、刀剣に表された武装する仏像を一堂に展示しています。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章(Ⅰ) 救済の最前線ーたたかう仏像のさまざまな姿ー
第1章(Ⅱ) 救済の最前線ーたたかう仏像のさまざまな姿ー
第2章 静嘉堂の仏像×俑
第3章 十二神将像と十二支の世界
ホワイエ 象徴から図像へー刀に刻まれた仏ー
第1章(Ⅰ)では、絵画に描かれた様々な仏像の姿を紹介しています。
例えば、毘沙門天は、『法華経』で説かれた観音菩薩の33の応現身の一つで、観音への祈りに応じて現世に現れ、困難を具体的に解決してくれる仏として信仰されています。
《毘沙門天像》(鎌倉時代 13世紀) 静嘉堂文庫美術館
第1章(Ⅱ)では、本尊に対して祈る者、信じる者を守護する眷属や、冥府を支える官僚機構である、武官・文官を紹介しています。
《千手観音二十八部衆像》では、千手観音とその眷属である二十八部衆が描かれています。
《千手観音二十八部衆像》(南北朝時代 14世紀) 静嘉堂文庫美術館
《地蔵菩薩十王図》(高麗時代 14世紀) 静嘉堂文庫美術館
第2章では、日本の神将像と比較する形で、中国の神将像と俑が紹介されています。
その歴史的な連続性を、同館の仏像彫刻コレクションと共に展示しています。
《加彩武人俑》や《加彩神将俑》などからは、その後の仏像への影響が感じられます。
《加彩武人俑》(後漢〜西晋時代 2〜3世紀) 静嘉堂文庫美術館
《加彩神将俑》(唐時代 7世紀後半) 静嘉堂文庫美術館
最後の第3章では、《十二神将立像》を紹介しています。
十二神将は十二支と結びつき、人々を守護する役割を担う仏像群で、それぞれが個性的な姿勢・表情・装備で表現されています。
鎧の細部や武器の構え方など、当時の武士の姿を投影したリアリティが感じられます。
《十二神将立像(浄瑠璃寺旧蔵)》(鎌倉時代 1228頃) 静嘉堂文庫美術館
「たたかう」というキーワードで仏像を切り取ったことで、エンターテインメント性の高い展示となっています。
仏たちの「強さ」の裏にある「優しさ」を感じ取ってみませんか。
会期:2026年1月2日(金)〜3月22日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
休館日:毎週月曜日(ただし1月12日(月・祝)、2月23日(月・祝)は開館)、1月13日(火)、2月1日(日・全館停電日)、2月24日(火)
開館時間:10:00〜17:00
※入館は閉館の30分前まで
※毎月第4水曜日は20時まで、3月20日(金・祝)・21日(土)は19時まで開館
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)