森アーツセンターギャラリーで開催中の「CREVIA マチュピチュ展」でこれは、と思う作品、《羽根を縫い付けた長方形の装飾布》の主観レビューをお届けします。
本作は、コンゴウインコの羽根を無地の綿の布に縫い付けた装飾布です。
青と黄色の二色で水平に区切られた長方形になっていて、左右で上下の色が反転しています。
これは単なる装飾ではなく、宗教的・社会的に重要な意味を持つ工芸品であると思われます。
なぜ羽根で作られているのでしょうか。
鳥は空を飛ぶ存在です。
空は「神々・精霊の世界」です。
羽根は人間と神とつなぐ媒介であり、この布は祈りを神に届けるための装置なのではないでしょうか。
そして、色です。
青は、空や霊的世界を表し、黄色は、大地や生命を表しています。
つまり、天と地を表していると考えられます。
さらに、青と黄色は補色関係となり、互いを打ち消すのではなく、最も強く際立たせ合います。
また、左右で反転させています。
これは、天が地の上にある世界と、地が天の上にある世界、その両方を同時に成立させています。
人と神は上下関係ではなく、循環関係にあると解釈できます。
つまり、この布は、神と人間が対立しながらも、互いを必要として均衡を保つ宇宙の構造を、羽根と色で織ったものと言えるのではないでしょうか。
《羽根を縫い付けた長方形の装飾布》(ワリ文化 西暦600〜1300年) ラルコ博物館












