高崎市タワー美術館で開催中の「The 美人画」展でこれは、と思う作品、鏑木清方(1952)《夏ざしき》株式会社ヤマタネ の主観レビューをお届けします。
本作は、夏の座敷に静かに座る女性を描いた美人画です。
女性は涼やかな単衣の着物を纏い、畳の上に正座しています。
背景には余計な装飾を排し、室内の静けさと夏の空気感が強調されています。
最も印象的なのが、淡い水色を基調とした着物です。
この装いが視覚的に「涼」を伝え、夏を感じさせます。
まさに「日本の夏を着ている」と言える表現です。
また、誰か来たのか、手を止めて上を見ています。
しかし、顔は普段と変わらず、緊張感はありません。
このことから、親しい人なのでしょう。
清方らしく、「事件性のなさ」を描いています。
そして、この女性は特定の人物というより、静かな座敷、緩やかな時間、暑さの中の一瞬の涼、日本的な慎ましさを体現する”夏そのもの”とも言えます。
つまり、「日本の季節と女性の美を重ねて表現」しているのではないでしょうか。


