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パラレル

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上野の森美術館で開催中の「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」でこれは、と思う作品、《バラとシャクヤク》の主観レビューをお届けします。

本作は、パリ時代初期に描かれた花の静物画で、ゴッホが「色彩」を本格的に研究していた時期を代表する作品の一つです。

 

赤(現在は淡いピンクに退色)と緑という補色関係が見られるものの、色彩は全体として落ち着いており、強い緊張感は感じられません。むしろ、柔らかな花々の色彩が画面全体を支配し、生命力や華やかさが印象に残ります。

 

背景には具体的なモチーフが描かれておらず、暗い色調で処理されているため、自然と視線は中央の花束へ集まります。

そのため、この作品からは花が咲く生命の喜びや自然への賛美を感じとることができます。

フィンセント・ファン・ゴッホ(1886)《バラとシャクヤク》クレラー=ミュラー美術館

 

上野の森美術館で開催中の「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」でこれは、と思う作品、カミーユ・ピサロ(1893)《2月、日の出、バザンクール》クレラー=ミュラー美術館蔵 の主観レビューをお届けします。

画面にはフランス北部の小村バザンクールが描かれ、2月の早朝、太陽が昇り始める瞬間の澄んだ空気と柔らかな光が主題となっています。

 

淡い色彩と横に広がる田園風景によって、穏やかで開放感のある印象を受けます。

また、朝日に照らされた暖色系の色彩が画面に温かみを与え、農村の静かで心落ち着く風景が表現されているように感じます。

 

上野の森美術館で開催中の、「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」でこれは、と思う作品、フィンセント・ファン・ゴッホ(1881)《じゃがいもの皮をむく女》クレラー=ミュラー美術館蔵 の主観レビューをお届けします。

女性が窓辺で静かにじゃがいもの皮をむいています。

特別な出来事ではなく、ありふれた家事の一場面ですが、ゴッホはその労働を誠実で尊いものとして見つめています。

 

女性の服装は薄汚れ、質素であり、窓外の木々も葉を落としています。

暖かさや豊かさを感じさせる要素はほとんどなく、農民の生活の厳しさが暗示されています。

また、全体は褐色や灰色を基調とする沈んだ色彩で統一され、貧しく慎ましい生活を印象づけます。

 

一方、室内を構成する窓枠や椅子、壁面などには垂直線・水平線が明確に見られ、画面全体では安定した構図をとっています。

女性も前かがみではありますが、崩れた姿勢ではなく静かに仕事に向き合っています。

そのため、この女性は単に「貧しい人」として描かれているのではなく、厳しい生活の中でも自立し、日々の労働を誠実に営む存在として表されているように感じられます。

 

このような画面の安定性は、一時的な貧困ではなく、土に根ざして生きる農民の普遍性や永続性を示そうとした表情でないでしょうか。