上野の森美術館で開催中の「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」でこれは、と思う作品、《バラとシャクヤク》の主観レビューをお届けします。
本作は、パリ時代初期に描かれた花の静物画で、ゴッホが「色彩」を本格的に研究していた時期を代表する作品の一つです。
赤(現在は淡いピンクに退色)と緑という補色関係が見られるものの、色彩は全体として落ち着いており、強い緊張感は感じられません。むしろ、柔らかな花々の色彩が画面全体を支配し、生命力や華やかさが印象に残ります。
背景には具体的なモチーフが描かれておらず、暗い色調で処理されているため、自然と視線は中央の花束へ集まります。
そのため、この作品からは花が咲く生命の喜びや自然への賛美を感じとることができます。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1886)《バラとシャクヤク》クレラー=ミュラー美術館



