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パラレル

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アーティゾン美術館で開催中の「モネ没後100年 クロード・モネー風景への問いかけ」展でこれは、と思う作品、《かささぎ》の主観レビューをお届けします。

小さなかささぎが画面左奥の門の上に止まっています。

この小さな存在が、広い雪景色の静けさを強調しています。

 

画面の中〜上部には、地平線、石垣、家の屋根といった水平要素が多く配置されています。

水平線は一般的に、安定・静止・静寂を感じさせる構造です。

そのためこの作品では、冬の空気の止まったような静けさが強調されています。

 

一方、画面下部では柵の影、雪面の起状、足跡のような形、石や雪の塊などが斜めのリズムを作っています。

斜線は、動き・時間の流れ・視線の誘導を生みやすい要素です。

そのため、静止した世界の中に潜む動きの予感が感じられます。

 

また、足跡のようなものからかささぎへの視線誘導があります。

手前の雪面→足跡のような形→柵→かささぎ、という順に奥へ視線が導かれる構図になっています。

これはいわゆる遠近と導線の構図です。

 

門の上にいるかささぎは、とても小さく、画面の静寂の中で唯一の生き物です。

そのため、鑑賞者は自然にいつ飛ぶのか、音のない瞬間を想像します。

つまり、この絵は、「静止した風景」ではなく、「動きが起こる直前の時間」として読むことができます。

クロード・モネ(1868-69)《かささぎ》オルセー美術館

 

 

アーティゾン美術館で開催中の「モネ没後100年 クロード・モネー風景への問いかけ」展でこれは、と思う作品、《雪の下でーマルリー=ル=ロワの農場》の主観レビューをお届けします。

本作は、パリ近郊の農場に雪が積もった冬の日常風景を描いています。

印象派らしく、特別な歴史的出来事ではなく、日常の瞬間が描かれています。

 

その農場で男性が歩いています。

その歩いた道は斜線になっており、動きを連想させます。

斜線は、動き、時間の流れ、視線誘導を生む要素です。

本作では、手前→男性→赤い建物へ視線を導き、人物が歩いている時間の流れを感じさせます。

 

一方で、画面には水平線が多いです。

水平線は、安定、静寂、広がりを生みます。

そのため、この作品全体には冬の静かな空気が漂っています。

 

右側の建物の赤は、この絵の中では強い色です。

雪景色は基本的に、白、灰色、青といった低彩度の色で構成されています。

そこに赤が入ることで、画面が引き締まる、視線が集まる、空間に緊張感が生まれる、という効果が出ています。

 

このことから、本作には静と動の対立があり、静かな冬の風景の中に、小さな動きを差し込む構造になっています。

アルフレッド・シスレー(1876)《雪の下でーマルリー=ル=ロワの農場》オルセー美術館

 

アーティゾン美術館で開催中の「モネ没後100年 クロード・モネー風景への問いかけ」展でこれは、と思う作品、《洗濯女のいる風景》の主観レビューをお届けします。

本作は、ノルマンディー地方の水辺の風景を描いた風景画です。

広い空、川、小さな船、村の家々、そして手前で洗濯をする女性たちが描かれています。

 

画面の手前では、川が斜めに流れる形で描かれています。

この斜線は、画面に動きを与える、視線を右下の人物へ導くと、いう役割を持っています。

そのため、水の流れ→洗濯する身体の動きを想像させます。

 

空は、厚い雲、切れ間の青空、光と影の混在、という不安定な空模様になっています。

そのため、厳しい生活状況の象徴という読み方ができます。

 

人物は小さく描かれていますが、身体をかがめている、水に手を入れて作業している、という姿勢が見えます。

ここから、労働の大変さ、日常の重さを感じ取れます。

同時に、淡々と働く、自然の中で生活を続ける、という静かな強さも感じられます。

ここから、生きる逞しさを感じることができます。

つまり、「厳しい生活の中でも働き続ける女性の強さ」という意味を読み取ることができます。

ウジェーヌ・ブーダン(1873)《洗濯女のいる風景》カーン美術館(オルセー美術館からの寄託)