アーティゾン美術館で開催中の「モネ没後100年 クロード・モネー風景への問いかけ」展でこれは、と思う作品、《フォンテーヌブローの森》の主観レビューをお届けします。
フレデリック・バジールによって描かれた、印象派が生まれる直前の風景画で、当時の新しい自然観察の方法がよく表れた作品です。
森が対角線左下に、右上に空が描かれています。
森は暗く、空は明るいため、対立しています。
明暗対比は通常、劇的効果、視線誘導、空間の分割などを生みます。
また、対角線構図は一般に、動き、緊張、変化の予感を生みやすい構図です。
そのため、「何かが起こりそう」な印象を受けます。
しかし、本作では人物がおらず、風や動きの表現が弱く、森が重く沈んでいます。
そのため、構図は動的なのに、情景は静止しているという状態になります。
つまり、画面は複数の対立構造があるが、最終的には静けさに収束している、という読み方になります。
まとまると、対角線構図と明暗の対立は本来動的な印象を生むが、本作品では人物や運動の要素が排除されているため、むしろ森の静寂が強調されている、となります。
フレデリック・バジール(1865)《フォンテーヌブローの森》オルセー美術館





