大竹伸朗展 | パラレル

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東京国立近代美術館で開催中の大竹伸朗展に行って来ました。

 

大竹が半世紀近く制作してきた軌跡を紐解く大規模回顧展です。

展覧会は「自/他」「記憶」「時間」「以降」「夢/網膜」「層」「音」の7つのテーマに基づいて展開されていますが、それぞれ通底しており、重なり合う部分が多々あります。

 

展覧会の構成は以下の通りです。

 

「自/他」

「記憶」

「時間」

「以降」

「夢/網膜」

「層」

「音」

 

「全く0の地点、何もないところから何かをつくり出すことに昔から興味がなかった」と大竹は言います。

つまり「既にそこにあるもの」との共同作業であり続けてきました。

その言葉の通り、「自/他」では「ミスター・ピーナッツ」(1978-81)などには大竹氏の心の中にあったであろうイメージが刻み込まれています。

 

大竹伸朗(1978-81)「マスター・ピーナッツ」個人蔵

 

しばらく歩くとモンシェリーと書かれた妖しいネオンサインが見えてきます。

「モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像」(2012)には大竹氏の「記憶」と「時間」の「層」が幾重にも積み重ねられており、作家自身の歴史が詰め込まれています。

「モンシェリー」は大竹氏が暮らす宇和島に昔あったスナックの名前であり、その看板がインスタレーションに使われています。

 

大竹伸朗(2012)「モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像」Dimensions variable

 

「家系図」(1986-88)も見逃せません。

先祖代々があって今の私たちがいるということを再認識させてくれます。

「記憶」の「層」が表現されたアッサンブラージュ作品です。

 

大竹伸朗(1986-88)「家系図」セゾン現代美術館

 

大竹氏のいう「層」には「音」も含まれています。

2階には「ダブ平&ニューシャネル(ステージ)」はステージそのものを作品化したものです。

その他にも「音」を発する作品を鑑賞できます。

 

大竹伸朗(1999)「ダブ平&ニューシャネル」公益財団法人 福武財団

 

このように最初期から最新作まで約500点をまとめて展示されています。

教科書的な時系列での展示ではなく、緩やかに繋がった7つのテーマに沿って展開しています。

今を生きる私たちを作っているものは何かを探しに行ってみませんか。

 

 

 

 

会期:2022年11月1日(火)-2023年2月5日(日)

会場:東京国立近代美術館

開館時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)

    ※入館は閉館30分前まで

休館日:月曜日[ただし2023年1月2日(月)および1月9日(月)は開館]

    年末年始[12月28日(水)-1月1日(日)]、1月10日(火)

主催:東京国立近代美術館、日本テレビ放送網

協賛:株式会社ベネッセホールディングス、公益財団法人 福武財団、株式会社オニオン新聞社、一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン

特別協力:TAKE NINAGAWA

後援:J-WAVE

お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル 9:00~20:00)

※開催情報は変更になる場合があります。

※ご来館前に美術館ウェブサイトで開館日程等の最新情報をご確認ください。