天才発掘塾二期生、あと二人募集してます。
「せんせー。」
「なんだい、生徒くん。」
「いやー昨日すんごい面白いゲームをしてたんですよー!」
「へー!どんなゲーム??」
「サッカーゲームなんですけど、裏技使うと選手一人一人の能力を全部最強に出来るんですよ!」
「へー。何が楽しいの?」
「えっ?マジ無敵っす!キーパー含め、全員走力マックスでキック力もドリブル力も、とにかく選手全員が全ての能力がマックスなんで無敵なんすよ!」
「へー。それで?」
「実際の世界じゃ強いと言われているプロチームをコテンパンに出来るんですよ!マジ快感っす!」
「へー。それで?」
「資金とかもマックスに出来るんで、好きな選手獲得し放題なんすよ!マジ最強っす!」
「えっ?結局全部の選手を能力マックスにしちゃうのに?」
「えっ?…た、確かに。ま、まぁでも、ほら、好きな選手とかいるんで!資金も使いたい放題ですし。」
「へー。なくならないって分かりきってる資金を使うのが楽しいんだね。」
「はっ?楽しいに決まってるじゃないっすか!!実際の世界じゃこんなこと出来ないんですから、ゲームの世界だけでも優越感味わいたいっすよ!」
「へー。で?」
「勝って勝って勝ちまくるんですよ!無敵、気持ちいいー!!」
「へー、はじめから勝てるって分かってる試合をして勝って気持ちいいんだ。」
「え?なんか、先生またまたイヤな奴モードですね。何が言いたいんですか?」
「んっ?始めから勝てるって分かってる前提で勝ち負けを決めるゲームをするのが楽しいのかぁと思って不思議だったんだ。」
「ケッ!どうせ先生にはわかりませんよ!こんな負け犬の僕の気持ちなんて!勝てる時に勝っておかないといつ勝てるかわからないんですよ!!」
「せ…生徒くん…。そうかそうか…。わかったよ。勝ちたいだけ勝ってくれ…。」