天才発掘塾
次回募集は1月ですよー。
ぜひ今のうちにどうぞ。
「せんせー。」
「どうしたんだい、生徒くん。」
「いやね・・・あのサッカーゲーム、飽きましたわ。」
(昨日からの連載記事です。)
「へー。なんで飽きちゃったの?」
「なんか昨日先生と話したせいでむなしくなってきたんですよ・・・。」
「へー。なんでむなしくなってきたの?」
「だって勝つに決まってるから張り合いがないじゃないですか。」
「あれ?ストレス発散になるんじゃなかったの??」
「勝てるに決まってる相手を倒しても何も発散なんかしないですよーーー!先生のバカーーーー!」
「生徒くん、君はかなり気づくのが早かったね。」
「えっ?なんのことですか?」
「まぁ難しい話は天才発掘塾の予習の時間にするとして・・・、たとえば生徒くん。」
「はい。」
「もしこの世界に『疲労』というものが一切存在しなければね。」
「はい。」
「その対極にある『元気』という言葉は生まれただろうか?」
「えっ?あるんじゃないですか?疲れてないなら元気でしょ。」
「生徒くん。世界のどこを探しても『疲労』している人が見つからない、つまり全員が『元気』だとしたら、そもそも『元気』なんて言葉、必要になるだろうか?」
「あっ、確かにそうですね。みんないつも元気なら『元気=日常』なわけですから、わざわざ『元気』なんて言葉は生まれないですね。」
「だね。それと同じでこの世界に『不幸せ』が何一つなかったら、『幸せ』の存在はどうやって確認する?」
「んっ?んんんんっ?『幸せ=普通』になるわけで、『幸せ』は認識できないですね。」
「だね。ちなみに『肩こり』をするのは日本人だけらしいよ、生徒くん。」
「うっそだー!なんで日本人だけなんですか??」
「そもそも『肩こり』という言葉が日本にしかないからだって。」
「えーーー、そうなんですか?たしかに『肩こり』という名前すらなければ肩こりにはならないのか・・・。」
「そうだね。そして『肩こり』があるおかげで昔ながらの親子の肩叩きというコミュニケーションが生まれたのかもね。」
「えー!めちゃいい話じゃないですか!!それ本当ですか?」
「先生の勘だよ。ティーチャーずインスピレーション!」
「先生、そのネーミング破壊的にださいっす・・・。」
「・・・・。まぁとにかく、今は『肩こり=肩こり解消グッズの宣伝=悪いもの』って意味合いが強くなりすぎてるけど、本来は肩こりのおかげでコミュニケーションが生まれてた、かもしれないんだ。」
「なるほど・・・。いい話だ。」
「そう。苦しみがあるから喜びがあるんだ。太陽が出るから日陰が出来る。苦しみを排除しようとする前にそのおかげでどんな恵みがあるかを工夫して考えるクセをつけたいよね。」
「へーい。」