大阪に来てから二度目の冬、
僕は必ずこう返すようにしていた。
『いやぁ、冬は冬。寒いもんはやっぱり寒いです!』
そうすると皆さん、
『そんなものかぁ~。』といった感じで納得して下さる。
そんな中、僕は正月早々、
自分の間違いに気づくことになる。
二年ぶりに山形に帰り、雪景色を一週間ほど堪能した僕。
帰路を辿り、
関西国際空港に降り立った瞬間に、
『どう考えても暖かい‼︎』
ほんの少しながら、春を感じさせるような暖かさに驚きを隠せませんでした。
『気づけていなかったぁー。』
そう。
人様には今ある幸せをかみしめるようにと話をする僕が、大阪のこの穏やかな気候に感謝することを忘れていたのです。
反省。
慣れることは、ある側面から見れば非常に重要なことかもしれないが、気をつけなければ今のモノ余りの時代に自らの首をしめる魔物になってしまう。
除菌、
暖房、
冷房、
ファーストフード、
SNS、
などなどなど、
科学の発展が、心の豊かさや、ストレス耐性を奪ってしまっては本末転倒。
幸せになるための進歩と発展。
あとどれだけ増やして発展させれば、この国の自殺者が減るのだろうか?数十年前に比べて、
防犯システムやセキュリティは圧倒的に高性能になり、殺人事件の件数は減っているが、身内や家庭内での殺人事件は増えていると聞いたことがある。
本末転倒。
これが、僕たちの先代が思い焦がれていた明るい未来なのだろうか?