アカンです。 無理です。
最前列に座っちゃったら公演の内容なんて全くアタマに入らんです。
NMB48、ブランニュー公演「天使のユートピア」初日。
いやマジで「今日は初日だし、初めて見る公演だから5列目とか6列目くらいで全体を見渡せるのがベストポジションだよなー」とか考えてたんですよ。
ファミマで発券したチケットの座席番号は「91」。
もしかして初日公演だから座席のシャッフルはナシで番号そのまま、とかないかな。そうすれば本当に5列目くらいで嬉しいんだけどなあー。
とかの妄想を頭の片隅に抱えたまま劇場開場で入場。
あれ? 座席表ないぞ? 廊下にもない。
あれ?ホントに番号そのまま?
と思って廊下の突き当たりを左に入って壁を見るとありました座席表。
90番台どこよ?ないぞ?おや?どこ?
・・・。
マジか最前?
しかもかなり中央付近。
NMB劇場の最前初めてだわ。
コロナ禍のなんちゃって最前は二回くらい入ったけど、フルシートでのリアル最前は初めてよ。
えーっと、
うわあ、ホントに最前に「91」番貼ってあるわ・・・。 座る。
げふっ、ステージ近けぇ・・・。
ドセンは88番かな、そこからひとつふたつみっつ目、ステージの立ち位置番号は上手2番が目前。
あ~ダメだこりゃ、もうこんな席でパフォーマンスがどうのとかフォーメーションがこうのとか絶対無理。そんなん見えないし見てる余裕ないわ。
もうアホ面で口ポカンと開けてヨダレ垂らしてヘラヘラ気持ち悪りぃ顔してメンバーの下から舐めるように見るしかないわ。
もうそれでいいよ、グヘヘ。
轟音となって鳴り響くOvertuer。
明らかに通常よりもボルテージの高いMix。
ダン! とステージ中央にスポットライト。
照らし出される仁王立ちのひとりのメンバー。
塩月希依音。
「天使のユートピア」初日公演はこうして始まった。
ステージに流れる聞いたことのないイントロ。
他の12人が現れる。
これは誰も聞いたことのない新しい曲だ。
曲名すらも今は分からない、初めて公開される新しい曲。
その知らない曲に合わせて、明らかにレッスンを重ねたであろう整ったダンスを披露する13人。
今、自分は初めての曲を見ている。
初めてのダンスを見ている。
これが新しいNMB48のパフォーマンス。
今、自分はこの世で初めて披露される新しい公演の真新しい曲を聞いている。
これが新しい公演。
これが新しいパフォーマンス。
これが新しいNMB48。
それは知らない曲だった。
知らないダンスだった。
私は誰も知らない公演を見たのだ。
その、誰も見たことのないNMB48を私は見た。
それは「天使のユートピア」と名付けられた新しい公演だった。