2022年9月18日 広島県民文化センター「MiKER」矢野帆夏卒業公演 | ~ 48Gの地平線 ~ Project No.1024

~ 48Gの地平線 ~ Project No.1024

基本的にクソヲタの無駄話です。同じタイトルでYouTubeで48グループについて話をしています。

   

矢野帆夏の声は不思議な声だ。

ソロで歌ってももちろん良い。
でも、誰かの声と合わせるとその良さが一層際立つ。

相手の声と混ざらない。
矢野帆夏の声がはっきりと聞こえる。
それでいて、相手の声を塗り潰したりしない。
相手の声もちゃんと聞こえる。

同化しない。
だけど、寄り添う。

それはきっと、彼女の存在そのもの。



会場はとても良かったです。

座席はH-22という7列目、上手ブロックの中央通路端。
F列とG列の間で横に通路が走っており、G列からは前後の段差がかなり大きくなっていて、前の席の人の頭が視界に被りません。
私の視線からはステージの前端までが遮るものなく全てが見えました。

48劇場と比較すると少し大きいステージですが、今回の6人公演でも大き過ぎる感じはありません。
最後は10人になったのですが、彼女たちが一列に並ぶのに最適なサイズ感だと思います。


M01、「しぇからしか!」

「MiKER!」公演は初めてで、当然セットリストも知りません。

いきなり「しぇっ!」って始まるのって、
おい!(笑)

この曲が一曲目ってことはこの公演のセットリストはメチャクチャなのいきなり確定だな?(笑)
良いんじゃないの? 面白そうよ。

一曲目にファーストラビット、とかいうAKBヲタ萌えの鉄板の選択もあると思うけど、それよりもこっちの方が面白そうでいいよ。
そういう「はあああ?」感を煽る構成良いと思います!(笑)

緞帳が上がり、ライトが当たる前のステージ上で6人が固まってそれぞれにポーズをとっていて、そこからライトオンでスタート!なのですが、
薄暗いステージの静止した6人の中で、明らかに「ん?」と思わせるメンバーがひとり。

そうです、 瀧野由美子です。

これはもう、どうしようもない。
瀧野はただ立っているだけで見る者の視線を集める。
これは努力では得られない。
STU48の絶対神。 瀧野由美子。


M02、一瞬のスリル。
M03、FRUSTRATION。
M04、12秒。
M05、夢へのルート。

あああやっぱりセトリがメチャクチャだああ。(笑)
だけど、このジェットコースターに乗るような上がったり下がったり左右に振られるスリル感とスピード感と、
なによりもこのエンターテイメント感!

次、何の曲? とワクワクする期待感。
そして、
その期待に違わない6人のパフォーマンス。

甲斐心愛みたいに動きまくって、すげぇと思わせたり、
信濃宙花みたいに体幹の動きと手足の柔らかさで、ほほぅと感じさせたり、
沖侑果のやっちゃってる感(笑)、
田中美帆の明るさ、
瀧野由美子の力感、
そして、矢野帆夏の歌声。

完全に、高級スイーツの6個入りアソート。

私が知る限りでは、少人数で行うユニット公演としては最高レベル。

NGT劇場でやっていた「山田の隣空いてますよ」公演もかなり狂ったセットリストだったけど(笑)、あちらはハイテンションなダンス曲を並べてひたすら全開でブッ飛ばす感じなのに比べて、こっちは上下左右に振り回す感じがある。
どっちが、じゃない。
どっちでも面白きゃそれでいいのだ。(笑)


それにしても。

それにしても、この6人のバリエーション感。

48のファンであれば、もしもこの6人を全く知らなかったとしても、
俺はこの子が好きだな、と思える子が必ず1人はいるはずです。


私がいちばん好きなのは、甲斐心愛。

純粋に可愛いと感じさせるルックス、
藪下の姉貴のようなksgk感(笑)溢れるキャラ、
そして最もカロリー消費量が多いであろうそのバチバチの動き。

いちばん目について、誰にでも分かりやすく、最もすげぇなと思わせる、そのパフォーマンス。
私はこういう見るからにバッテリー消費量の多そうなパフォーマンスは大好きです。

腕を伸ばす速度。
右肩と左肩の高さの違い。
左右の足をクロスさせる角度の大きさ。

先ほど言った、ルックスとキャラとダンスのマッチングの完成度は48グループでもトップレベル。
STU48でいちばんパフォーマンスが良いのは?と聞かれたら、甲斐心愛と答えれば間違いない。

STU48の勢い、というものを視覚化する、
甲斐心愛。


いちばん「あれっ?」と思ったのは、瀧野由美子。

私は以前に瀧野のダンスパフォーマンスには若干の難アリ、と評しましたが(笑)、
変わりましたね・・・。

以前の瀧野の動きは、動けていない訳ではないのですが、どこかぎこちない感じがあって、見ていていいな!と言うには躊躇を感じさせる部分があったのです。

その要素が完全に払拭できたというわけではないのですが、
それを上回る特徴を得て、いいな!と思わせるに足るパフォーマンス領域に入ってきましたね。

この力感!!

瀧野はメチャメチャ踊ってるんだと思います。
フィジカルトレーニングをものすごくやってるんじゃないかと思います。

凄まじく素晴らしいパワー感。

瀧野の長身かつ素晴らしい体躯。
それを120%に生かす、瀧野にしかできないパフォーマンスだと思います。

このタイプ、SKEにもNMBにもいない。

瀧野由美子というひとを全く知らない人が見たら、「何かのスポーツ選手ですか?」と感じるであろう、その見た目。
瀧野は言われたくないことかも知れませんが、STUの運営は、瀧野由美子専用の衣装を用意して与えてあげて欲しい。
他のメンバーとの着回しの衣装では瀧野には合わない。瀧野には瀧野のために採寸した特別なものを用意する必要があると思います。

瀧野のこのパフォーマンスに似合う、それを生かす衣装が欲しい。

それは、STU48のため、だとも思います。
冒頭で「絶対神」と書きましたが、それは言い過ぎな表現かもしれません。
でも彼女が正に唯一無二であることは間違いないと思います。

面白いですね。
瀧野由美子のルックスのイメージとはかなり異なるこのパワー感。
この力感が出せるメンバーは他にはいないのです。

瀧野由美子は瀧野由美子なりに、
悩んで戦ってるんですね。

瀧野、
いいよ。 凄くいい。

それでこそ「センター」だよ。
いちばん前で踊るセンターがそれを見せたら、その後ろで踊るメンバーはそれ以下ではいられない。

君が強くなること。
それはSTU48が強くなることだから。

それでいい。 もっと! です。


そしてもうひとつの、STU48の特異点。
沖侑果。

何なん? この子。(笑)

普通のレベルなら、こういうキャラは好き嫌いとその評価が割れるはずなんですが、
もうそういうハンパなレベルを突き抜けてて、好感が持てる不思議な領域にいる。

NGTの中井りかと、SKEの佐藤佳穂の、良いところだけをミックスした感じ。
その2人に悪いところがある、ってことじゃないですよ。(爆汗)
どちらも共通点は「ヤバい奴」ですので、沖侑果もヤベぇ奴です。(笑)

でもその2人と決定的に違うのは、そのクールなルックス。
このルックスでメチャメチャ笑って、常に客席にアピールしつつ、客を誘うパフォーマンス。

この子も他の48にはいないタイプですね。

パフォーマンス至上主義者の視点から言わせてもらうと、
ウルトラハイパフォーマンスなメンバーです。

常々言っている、
ハードなダンスだけがパフォーマンスの評価軸ではない、見ているファンをワクワクさせるパフォーマンスが良いパフォーマンスだ。
という評価軸で計れば、

沖侑果は100点かもしれない。

この子のパフォーマンスを見ていて、
プラスの感情が充電されない48のファンなんていない。

ということで、沖侑果さん、
あなたも、もっとやっちゃってください!(笑)


信濃宙花は、見たことあると思うんですが、
今日初めて理解したように思います。

この子、体幹がすごく整ってて、それでいて柔らかい。
だからものすごく芯の通った動きで、なおかつ柔らかい。

スピードや力感を押し出す動きではないです。
だけど、スッと止まって、フワッとしなる、のような動きが素晴らしく美しい。
手足の動きも柔らかくしなるけれども、決めたポーズでピシッとキープするから本当にキレイ。

心愛みたいな動きは見た目に分かりやすいけれども、宙花のような動きはちゃんと見ないと分かりにくい。
でも、練習、が必要なのは宙花のような動きかもしれないです。鏡を見て確認する場所が多く必要だからです。

柔らかく、美しい、信濃宙花のパフォーマンスでした。


田中美帆の、ベーシック感。

見ていて、パッと目に付く特徴、のようなものは見えにくいです。

だけどちょっと待って。(笑)
周りの5人が特徴的すぎるだけじゃないの?という気もしてきます。

確かに田中のパフォーマンスを見ていて、特徴的な彼女ならではの良さ、というものは
私は見付けてあげられませんでした。
ごめんなさい。

でも、じゃあ何が足りない?というところも特に目に付く感じはありません。
この特徴的な5人の中ですから、目立たない、けれども悪くもない、ということはベーシックなのだ、ということだと思います。

STU48という大人数のグループの中でやっていくには、基準的な良さをアピールするのは難しくて、やはり何か「違うもの」を持っていた方が目立ちやすいということはあるでしょう。

田中美帆は、ベースはできています。
だから、あとは本人がこうしたい、とか、自分の特徴に気付いてそれを出していくだけ、なのではないでしょうか。

私のような「他人」からすると、こういった「ベーシックな存在」は組織に必要なんだと思います。
特徴的な人ばかりではまとまりが保てない。
でも、本人はそこには留まってはいられない。

そうなんですよね。
本人が、自分を見付けてほしいです。
がんばれ、って思います。


そして、今日のこの公演が開催されるその意味。

矢野帆夏。

もう、わたしが彼女自身を語る必要はないでしょう。

私は、STU48に矢野帆夏というメンバーがいることは知りませんでした。
私が彼女を知ったのは、第一回の歌唱力No1決定戦。

私は彼女の歌が、彼女の声が、好きでした。
彼女にとって最後の大会となった、第四回大会。
私は今でも自信を持って言い切ります。

この第四回大会で、一番良かったと感じさせた歌は、矢野帆夏の歌でした。


この公演で、彼女はエクストラで4曲を歌ってくれました。

彼女が選んだ、最後の曲は 「瀬戸内の声」。

彼女が、STU48として初めて歌った曲なのでしょう。
そして、矢野帆夏というSTU48のメンバーが、こうして多くの人に愛される歌声を披露することになった起点の曲。

彼女はその曲を歌って、
彼女自身の卒業公演を終えました。


淡い日差しの中、僕は願いを風に向かって叫ぶ。


ありがとう。

あなたの人生が、
美しく輝くもので満たされますように。

あなたの歌声が、
私たちを幸せにしたように。