コロナ時の急性上咽頭炎 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

コロナに感染してという話。けっこう詳細が書いてあるので、何が起こっていたのか、容易に判断できる。

 

コロナに感染すると、初期のコロナとは違って肺でウイルスが増えるのではない。上気道(のどの粘膜中心)でウイルスが増殖する。つまり、のどの粘膜がことごとくやられるのだ。

 

コロナの感染は、上咽頭の炎症がひどくなる。したがって、ここが一番あれるし、痛みの原因はここである。

 

痛みが強いから扁桃炎を起こしていに違いない。そう言って受診してくるコロナ患者は多い。たしかにのどの強い痛みなのだが、扁桃は異常がないのだ。この土田さんの場合にも、そのようなことが書かれている。もっとも、上咽頭炎を知らない病院の耳鼻科医が見たら、理解できないことだらけだろう。

 

上咽頭の炎症は、声のかすれがかなりでてくる。多くの耳鼻科医が声がかすれるのは、声帯の異常だと思いこんでいるが、上咽頭炎は声のかすれがかなりでてくる。このことは、上咽頭炎を診ている医師しか知らないことだろう。

 

上咽頭の炎症が残ってしまう人がけっこういて、倦怠感あたりが残ることが多い。そのような人はコロナの後遺症と言われるわけだが、これも上咽頭炎が圧倒的に多い。

 

上咽頭炎を知らずにオミクロン株は語れないとすら思っている。が、女咽頭炎を知る耳鼻科医は少ないからね。