少数派の行動 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

大学時代の女性同級生の話です。親の留学についていき、思春期をヨーロッパの学校で過ごしていたようです。日本人は一人しかいなかったのですが、彼女は運動神経抜群です。

 

学校で、バスケットをやると絶賛されるのです。

「日本人なのに、バスケットがうまい!」

柔道はできるかと聞かれたことがあるようです。

「日本人なのに柔道ができない」

と今度はあきれられたそうです。

 

当時、柔道経験がある日本人女性なんてほとんどいなかったことでしょう。

 

どんなことでも、自分が日本人の代表のように見られてしまう。自分が見られて、「日本人はこうだ」と結論づけられる。それが一番嫌だったと言っていました。

 

少数派とは、周囲に同じような人がいないと、その人を唯一の基準に考えられてしまいます。

 

たとえば車いすにのった障害者が、わがままなことを言ったとします。そうなると、「障害者はわがままだ」と結論づけられてしまうのです。その人がわがままなのであって、障害者がみんなわがままではありません。一人のケースでもってすべてを判断されてしまう。だから、他の障害者に迷惑を与えないように、より気を付けなければならなくなります。これがまた、すごくストレスだったりもしますね。