学校医辞任の続報がでてきた | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

「報道に関しては、事実な部分がほとんどです。『医者をやめてしまえ』と言いました」
「(Q.それはどういった思いから?)(娘の健診結果で)肥満度という数字が書かれていて、“肥満”のところに丸が付いて。ウチの子どもはそんなに太っているように見えなくて、本当におかしいのかなって」

 

僕自身、内科検診のことはよく知らないので、間違っていたらごめんなさい。数字が書かれていたということは、体重や身長から自動的に計算されていて、その結果が肥満に該当するということなのでしょう。これは校医の判断ではないはずです。自動的に決まっている。

 

もちろん、食事指導が必要かどうかは、診察したときの個々の医者の判断になります。検診の結果、異常なしということはいくらでもあることでしょう。

 

学校検診というのは、そのような自動的スクリーニングなのです。

 

これを校医におかしいと言ってくるのは、言語同断でしょう。最初は学校側が説明していたということなので、そこに不備があったのかもしれません。単純に説明を理解できなかったのかもしれません。だからといって、校医に直接苦情を言うのはまったく見当違いです。

 

この校医の先生は30年以上続けてきたのですから、当然ながら経験もある医師だと思います。このような苦情が30年間の間に初めてだったのではないかな。校医にはなんの責任もなさそうです。悪いとしたら、学校側の説明が適切ではなかったということでしょう。

 

僕自身が校医を辞任したことは書きましたが、親のクレームというよりは、学校側の対応への不満です。いろいろな人がいるのはわかるのですが、学校側の対応があまりにもひどいことが辞任の理由です。その学校には今後関わりたくはないということです。今回のケースでも、学校に対する憤りが大きいのかもしれません。謝ってほしいのは議員本人ではなく、学校の当事者じゃないかな。でも、学校は絶対に謝罪しないと思います。そうであれば、その学校の校医を辞任する。これがもっとも賢明な策です。

 

校医の待遇が悪い中で、学校側も不信感をもたれる対応をしたとなれば、その学校の校医の後任を引き受けようと言う奇特な人はでてこないと思います。校医がいないことがどうなのかはわかりませんが、しかたないんじゃないでしょうか。校医を受けることは別に義務ではないですしね。医師は公務員ではないのですから。