めまいで受診、即、内科受診をすすめる | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

昨日、ふらつきがでてきたそうです。その後、お酒を飲んだらめまいがひどくなったと救急病院受診。脳には異常ないから耳石が原因だから耳鼻科に行けと言われて、本日受診。80歳の人です。

 

お薬手帳をみて、即かかりつけの内科に行くようにと説明しました。

 

普段の血圧が、160台だそうです。利尿剤を飲んでいた。話を聞くと、足のむくみがあるそうです。心不全があり、利尿剤を飲んでいたのかもしれません。

 

めまいがでてきたのは、脱水があるかなと思います。利尿剤も飲んでいるし、お酒のんだらアルコールの利尿作用でさらに循環血液量が減るでしょう。めまいもひどくなります。

 

僕の指導は、普段のかかりつけの内科の医師によく相談してくださいということ。その内科は本日開いているようなので、すぐに行くように言いました。

 

高齢者の場合、血液循環が保てないためのめまいが多く、降圧剤での血圧のさげすぎが原因の人がけっこういます。救急病院に行くと、脳CTで異常がないと耳が原因だと言われてくるのです。内科でみてもらいたいのですが、脳か耳かしか選択肢がないのです。

 

この人が脳循環が悪くなったのは、脱水からんでいるか、あるいは、心不全の悪化も考えられます。いずれにせよ、耳鼻科医が対応すべきではないでしょう。

 

はっきり言うと、耳の病気は命にはかかわりません。脳循環が悪いと、すぐに命をおとします。病院を受診したとき、バイタルサインとして血圧は絶対測定しているはずです。通常の血圧160台よりはかなり下がっているはずなんですよね。それぐらい気づいてよ。なんのためのバイタルサイン測定なのか。診断をするのではなく、体調の悪さを考えろということです。体調の悪さを反映するのがバイタルサインです。

 

めまいがあるとなんでもまわされてくる、耳鼻科医の愚痴です。