頸部リンパ節が腫れたら、何を疑うか | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

首が腫れたという人がきます。多いのは、耳下腺、顎下腺が腫れる病気や甲状腺が腫れる病気です。それ以外に、リンパ節が腫れたら何を考えるかを書いていきます。見分けられることがまず大前提です。

 

頸部のリンパ節が腫脹した場合、上咽頭から下咽頭に原因があることを考えなければなりません。上咽頭は、上咽頭炎の頻度が高いのですが、がんもあります。下咽頭のがんは、頸部リンパ節腫脹でくることもあるので、注意が必要です。

 

耳鼻科医であれば、咽頭、喉頭あたりの癌を疑い、内視鏡検査をして、確認すると思います。こんな検査は簡単ですから、数分で確認できます。

 

ただ、内科の医師は、頸部りパ節腫脹があったら、どこの病気を疑うかという知識がほとんどないことでしょう。

 

左鎖骨上窩(鎖骨上のくぼみ)のリンパ節は、胃がんなどの転移を疑います。ウイルヒョウのリンパ節転移と言われ、末期胃がんの可能性がたかくなります。この部位のリンパ節腫脹は、耳鼻科医よりも内科や外科の医師のほうが詳しいことでしょう。

 

それぞれ専門領域があるので、心配ないと言う言葉をそのまま信じてはならないのかもしれません。