脊髄梗塞とは、あまり聞かない | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

脊髄梗塞。

脊髄に行く動脈のどこかがつまったのであろう。あまり聞かない病気ではある。診断するのは、内科、それとも整形外科、あるいは神経内科。

 

学生時代に、Adamkiewicz動脈というのを教わった。脊髄に血液を送る非常に大切な動脈であり、ここを傷つけると下肢の麻痺になってしまうそうだ。

 

外科の学生実習で、血管班にまわされた。腹部大動脈瘤の緊急手術。このとき、血管専門の医師より、Adamkiewicz動脈を知っているかと問われた。手術中にその動脈を同定する。それを傷つけないように手術をする。すごく細い動脈なのだが、非常に重要な動脈であると言われた。

 

脊髄へつながるどこかの動脈がつまってしまったのだとは思う。昔はまず診断できなかったのだろうが、今はMRIなどの診断技術が進歩したので、診断がつきやすくなったのかもしれない。それでも、脳梗塞に比べると、はるかに診断も治療も難しいことだろう。