風邪のあとの咳の原因 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

長引く咳の原因疾患の頻度(文献1の表をもとに図表化)

 

 

 

論文のデータをあげていますが、名古屋市立大呼吸器科の新見教授のだしたものですね。自分の考えと非常に近いのですが、世の中の内科医、耳鼻科医はこのデータを受け入れないと思います。どう考えるかというと、感染性咳嗽がほとんどで、咳喘息/喘息は1割ぐらいと思うんじゃないかな。このデータは、アトピー咳嗽も含めて、アレルギーがらみが4分の3以上を占めている。世の中にスギ花粉症が国民の半分ぐらいいることを考えると、このデータは納得いくものです。

 

喘息が多いというこのようなデータの元に、当院では喘息用の薬をかなりだしています。他のところで治らない咳がどんどん治るのです。他のところでは、風邪の咳だ(感染性咳嗽)と言われて、咳止め薬だけだされていることがほとんどだからです。

 

当院にくる患者はすぐ咳がとまると思っています。もちろん、内科の医師でも、うちも咳はすぐとまると思っているのならば、その医師の考えは正しいのかもしれません。ただ、医師の話を聞いていると、「咳がとまらない」とぼやいている場合が多く、みんな風邪の咳止め薬ばかりだしていますね。よくならないのは、自分の考えが間違っているとは思わないのでしょう。