手話は言語と言う前に | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

手話は言語なんだから、言語として優先されるべきである。

手話を使うろう者はこのように主張します。

自分が使う手話と言う言語のことしか頭にないのでしょう。

 

日本において、日本手話という言語を使う人の優先順位は非常に低いのです。

 

日本で一番優先されるべきは、まず日本語。これは誰も文句がつけようもない。

 

たぶん、二番目は中国語。

3番目は英語。

4番目は韓国語。(実際の順位はかなり変動があります)

他にも、タイ語、ベトナム語なども入ってくるかもしれません。日本手話はどうかというと、4~5番手の言語の扱いになることでしょう。

 

日本で使われる言語の中では優先順位が極めて低い。しかし、耳が聞こえない日本人ろう者にとっては非常に重要なコミュニケーション言語であるから、中国語よりもはるかに優先されているのです。

 

手話は言語だから、他の言語と同様に扱え。

こう主張したとき、手話言語の優先順位は4~5番目になってしまう。手話通訳を無料にするのならば、中国語通訳サービスを充実させろと言うことになるのです。

 

当院は、手話で会話ができるところとして宣伝されています。現実に当院受診者は、手話通訳者が同行しなくてもなんとかなります。それでもろう者の受診は一日一人ぐらいです。実はいわゆる中国人はその10倍ぐらい受診してきます。日本語国際的な国になり、他国籍言語が使われる国家になると、日本手話を使う人なんてそんなにいないよねという現実の壁にぶちあたるのです。

 

手話通訳者を置くよりも、中国語通訳者をおいたほうがはるかに需要があるのですから。

 

こんな理由により、手話は言語であるから、他の言語と同様に扱えという主張は、かなりの危うさを含んでいると思っています。当事者はそのことにまったく気づいていませんが。

 

今の時代、対応すべきなのは手話を使うろう者ではなく、中国語しかわからない中国人に対してなのです。