資格があっても、使っていないと意味がない | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

特に医師国家試験にははっきり言える。医師免許をもっていても、医師として働かなければ意味がない。

 

医師免許がなければ、医師としては働けない。最低限の条件である。しかし、医師免許があるからといって、医療知識があるわけではない。

 

医師の場合、医師免許をとってからがすべて。そこからどう勉強して、どう経験を積んでいくかがすべてである。

 

別の資格で言うのならば、調理師免許をとっていても、調理がうまいわけではないということかな。理容師免許をとっていても、髪の毛をうまく散髪できるわけではないも同じかな。

 

医学部を卒業しないと医師国家試験の受験資格がない。このため、医師免許を取得するまでのハードルは高い。しかし、医師として働いていくためには、その後の研修がすべてである。

 

いい医師と、だめな医師の差は、医師国家試験の成績ではない。医師免許をとってから、どれだけ真剣に医療に取り組んできたかで決まる。

 

日曜夜のテレビドラマ「アンチヒーロー」というのは優秀な弁護士の話である。司法試験をとったからといって、あのような高度な弁護を展開できるとは思えない。やはり弁護士としての経験がものをいう。

 

資格をとったことを自慢気に言う人がいるとすれば、その内実はおろそかだと思う。

 

僕自身医師として何十年も働いてきているが、「医師免許をもっている」と言ったことはほとんどない。医師として当たり前の話だからだ。逆に「医師免許をもっている」とわざわざ言わなければならないのは、医師として働いていない、働けない人である。