大谷翔平選手の記者会見の通訳 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

大谷選手が、メジャー日本人最多記録を塗り替えるホームランをうった。この球を手にしたファンとトラブルになったことが報道されていた。

 

記念になる球は、球団が手にした人から譲ってもらい、代わりにその御礼をする。これが習わしだろう。ところが、そのボールを譲ったと思われる人は、「大谷選手とは会ってもいない!」と怒っていたニュースが流れていた。

 

大谷選手の記者会見をテレビで見かけた。

「その方とは、いろいろとコミュニケーションをとり、球を譲ってもらった」というようなことを言っていたはずだ。

 

この発言をもとに、「私は大谷選手と会っていない」と怒っていたようだ。

 

大谷選手のインタビューは日本語でなされたいた。日本語には主語がないのが普通である。大谷選手は、「球団関係者が」というのを主語に考えて発言したのであろう。日本語においては、主語の省略はよくあることだ。

 

ところが、新しい通訳者が英語で通訳するときに主語をつけて発言したそうである。「I」という主語を補って通訳していたらしい。英語でコメントを聞いた人は、「私(大谷選手)は、、、」と大谷選手自身で発言したようにとらえられるだろう。

 

大谷選手が言った「自分であった」というのは大嘘だということになってしまう。

 

直接あって話をしたのならば、「I」の主語でいいのだが、そうでなければ、「球団関係者が」というように主語を補って、通訳する必要がある。

 

このファンと交渉したのは誰なのか。それがわからないと通訳がうまくできないわけである。

 

事情をとらえた通訳をするには、大谷選手の行動まで把握していなければならない。つまり、通訳者の変更、通訳スタイルの変化が、今回の騒動のきっかけになっていそうだ。