深夜の1時頃だったと思う。救急病院で当直していると、酔っ払いのけが人をみてほしいと、警察から連絡があった。両脇を警官にささえられ、救急車ではなくパトカーでやってきた。
腕をすりむいたから治療しろ!
よっぱらいの面倒な患者がきたなと思った。警官としてもケガしたから病院に連れて行けと言われれば、そうしないわけにはいかないのだろう。
擦り傷をみて、消毒して絆創膏をはった。
これで終わり。
こういうと、治療の仕方が気に食わないと、貼った絆創膏を自分でひっぺ替えした。もう一度貼りなおせと言うのだ。
目の前で暴れはじめ、隣にいた警察官が、体落としをかけた。柔道の試合以外で体落としを見たのははじめてである。見事に、一本決まり、その酔漢はおとなしくなった。そのままパトカーに乗せられて、警察署につれていかれた。
警察官のみなさん、こんな深夜にお疲れ様です。
警察官もこう思ったことだろう。先生も、深夜に治療していただきありがとうございました。
お互いに大変ですね。
そう、うなづきあって一日が終了した。