昔のバスの、停車案内は、すべて音声だった。「次は〇〇です。」という音声を聞いて、自分が降りるかどうかを判断していた。乗り慣れたバスであれば、その景色から降りるところは簡単にわかったが、初めてそのバスに乗るときは難しい。
難聴児の親がクレームをつけたそうだ。バス停の案内が聞き取れない。議員にも協力してもらい、バス内にディスプレイを表示することになった。かれこれ40年以上前の話である。
そもそも、聞こえる人でもきちっとバス停の案内を聞き取れる人は少ない。バスの中はうるさいからだ。ディスプレイで表示されることにより、自分の降りるところがわかりやすくなった。聞こえる人にとっても、非常に役立つシステムである。
ユニバーサルデザイン。障害者のためへの対応のようだが、実はすべての人が利用できる配慮のことである。
最近は、地下鉄の中の表示も、ディスプレイになり、電車が今どこを走っていて、次にどこの駅なのかがわかりやすくなった。