コロナの感染者があちこち受診しまくる | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

先日、受診してきた親子がいた。母親がコロナ陽性。赤ちゃんの子供は陰性。母親はずっと子供を抱っこしてミルクをあげており、検査では陰性になったが、まちがいなく感染しているだろう。そのように説明して帰ってもらった。

 

その後熱がでたとかで、別のクリニックにいったそうである。そこで子供を再検査し、陽性。もちろん、連れて行ったのは母親だろう。

 

現在、コロナ患者は自宅待機をする義務はなくなったが、コロナにかかっていると話している子供をつれて、コロナに感染している母親が別の医療機関につれていくのだ。そちらでの対応はどうだったのかわからないが、感染を広げてしまうおそれがある。

 

その後、鼻汁がでるからと、今度は別の耳鼻科につれていったそうだ。コロナが陽性だと鼻汁は吸えないから、陰性かどうかを確認してほしいと、当院受診してきた。診断のための検査は保険の適応になるが、陰性確認のための検査に保険は使えない。保険の基本的ルールである。当院でも希望があれば、陰性の証明のために検査はしているが、保険は使えないので自費検査になる。費用が高いことを説明すると、検査はいらないから、鼻汁だけをすってくれと。だったら、最初の耳鼻科でやってもらえばいいのに。むこうでは断られても、当院では鼻汁を吸えとしつこく言ってくる。結局、鼻汁を吸って帰ってもらった。

 

当院にとっては収入にはなるのだが、感染している人があちこち行き歩くのには問題がある。陽性確認した人は自宅でじっとしていてもらいたいが、そういう制限はいっさいなくなってしまった。