日本はもっとも多様性を認めないところである | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

ほぼ単一民族でやってきた日本。最近は多文化の人が増えてきていますが、それでも、多様性を認めない国民性であることは間違いないでしょう。

 

LGBTの問題にしても、今更なにを言っているんだ。そのような人がいるならば、それに対応できるようにすればいいのにと思います。しかし、いろいろな理由をつけて、多様性を拒絶し、今までの考え方を死守しようとします。

 

先日、近所の床屋に散髪に行ってきたのですが、そこに色紙が置いてありました。

「人の数だけ考えがある」

なるほどと、うなってしまいました。

 

欧米は、自分はこう考えるという、自分の意見を主張する文化です。日本は真逆で、自分がどう考えるかを言ってはいけない文化です。自分がどう思うかよりも、周囲にどう思われるかのほうが重要なのです。

 

コロナ禍のマスクに関しても、「自分がマスクを必要かどうか」ではなく、周囲に「マスクをしないとどのように見られるか」という周囲目線で判断が行われます。

 

5月8日から、当院は発熱外来をやめます。

なぜやめるのか。

自分が必要だと思わないから。

僕の考え方ですね。

 

でも、発熱外来を継続するというクリニックも多いようです。なぜ、継続するのか。必要だからではないのです。周囲のクリニックが継続するから。つまり、周囲をみながら、あわせていこうとしているわけです。

 

当院はいち早く、コロナの検査を導入し、発熱外来を行いました。なぜはじめたのか。診断することが必要だったから。社会の要望ですね。

 

一方で、発熱外来をやっていないところもありました。なぜやらないのか。他のクリニックがやっていないから。

 

あくまでも、周囲にあわせた行動をとる。これが日本文化です。日本人の考え方です。自分の頭で考えるのではなく、周囲にあわせておけばいいというのです。これが今の日本人を苦しめているんですけどね。

 

女性は結婚したら主婦になるべきだ。

結婚したら子供をつくるべきだ。

 

自分がどう思うかではなく、周囲がどう思うかに左右されているのです。結婚して主婦になりたい人はなればいいし、働きたい人は働けばいい。子供を作りたい人は作ればいいし、作りたくない人はつくらなければいい。それは自分で決めましょう。余計なおせっかい意見は聞かないほうがいいです。

 

人の数だけ考えがあるんですから。