以前の記事で少し触れたが、私は外科矯正(保険適応)対象となった。
今回は以下の内容について記す。
- 外科矯正となった理由
- そもそも外科矯正ってなに?
- それでも矯正する?
- 家族の反応
外科矯正となった理由
外科矯正というと、しゃくれや出っ歯など外見からして、歯を動かすだけでは改善が見込めない人の矯正方法というイメージがある。
私は、というと正直そこまでの外見的な特徴はない。
実際、矯正医の先生も診断書を書き始めたときはインプラント矯正でいこう、と考えていたらしい。
しかしCT画像の分析結果、
下顎のシンフィシスが薄すぎるため下前歯を通常矯正、インプラント矯正で動かすことができない
と、判断された。
(動かしたら歯茎がどーんと下がり移動が終わった頃には歯が抜け落ちる)
歯列矯正で歯を動かすためには歯が植わっている歯槽骨の厚みが重要なのだが、私はこの厚みがほぼない。
上前歯は、まあなんとか辛うじてあるらしいのだが、下前歯は全くダメらしい。
医者から何でまだ歯が植わってるのか不思議だ、と言われたくらいである。どれだけ薄いんだ!
外見では一切分からない骨、構造的な部分での問題である。
CTがなければ動かすまで分からないか、熟練の経験と勘的なやつでギリギリ回避みたいな結果になったのだろうか、CT様々である。現代医療で受けて良かったと感じた瞬間だった。
さて余談だが、骨は遺伝するもので特に顎の骨は「息子は母方」「娘は父方」に似るらしい。
私は顔含め全体的に父方の祖母に似ている。随分昔に亡くなったので顔はうろ覚えだが、遺影を見る限り彼女の口元は私の未来を感じさせる。
【個人的な覚書き】
通常矯正とは、
矯正装置に色々な種類はあれど、オーソドックスなイメージ通り、歯に矯正装置つけてワイヤーでつなげて動かしていく
インプラント矯正とは、
上記の通常矯正に追加して顎の骨にアンカースクリューというネジを埋め込んで動かしていく(歯のインプラント治療とは別物)
外科矯正ってなに?
正確な情報は歯科医院や団体のホームページを見てほしいのだが、大まかな流れは以下の通りである。
【前提】病院で顎変形症の診断を貰う&歯科医院で顎機能検査
①術前矯正(約2年)
↓
②手術(全身麻酔下)&入院(7〜14日間)
↓
③術後矯正(約1年)&除去手術(術後1年)
術前矯正
期間は約2年
(歯の移動量や動くスピード次第でこの期間が変わる)
矯正装置をつけて歯を少しずつ動かしていく。保険適用なので1番安価な装置になる。
手術に合わせて動かしていくので、段々と噛み合わせが悪くなる、とのこと。歯並びのガタガタもこの期間で整えていく。
手術&入院
この矯正のメイン!
手術は全身麻酔下で行われる。顎の骨を切断し一気に動かす!このため劇的な変化が感じられる……ハズ!
入院期間は7〜14日間(病院や手術内容によりけり)
基本的には口の中からの切るため顔にキズは残らないが、場合によっては頬からの処置もある。
手術内容次第では抜歯することもある。
当たり前だが、骨を切断するのでくっつける必要がある。
全てを吸収性プレートで接合できればよいが、できない場合は約1年後に除去手術をしなければならない。
デメリットというか、第一関門は入院だろう。
学生は長期休暇を利用したいので夏休みなどの期間に入院手術を指定してくるらしい。
社会人は職種や福利厚生によるだろう。
(個人的には周囲への根回しが絶対になると考えている)
とはいえ盆暮正月あたりの希望が多いらしい。
各病院で口腔外科や整形外科の手術日は決まっているらしくその前日に入院し翌日手術という流れが通常のようだ。
次に全身麻酔もハードルとなるだろう。
無事故が当たり前といえばそうなのだが、死亡事例が全く無いわけではない。
最後が通院。特に手術前の通院だろう。
約2ヶ月前から約週イチで手術説明、入院説明、検査、輸血用の自己血と採血(これも人によってはハードル)などなどで通院する必要がある。
期間限定とはいえ、繁忙期と重なるとツラい……
術後矯正&除去手術
手術後の状態を想定して術前矯正をしたが、ここから実際に噛み合わせを正していく。期間は約1年。
手術で吸収性プレート以外を使用した場合は、約1年後に除去手術が必要になる。これも入院&手術(全身麻酔)である。
それでも矯正する?
ざっと挙げてみたが、まぁまぁなかなかのハードルの高さだ。
期間としては通常の矯正と変わりない(約3年)のだが、あまりのハードルの高さに諦めたくなる気持ちが芽生えかけた。
しかし矯正を決めた経緯や結論に至る過程を思い出し、治療を開始することを決断した。
なお、矯正医院からの診断結果から治療続行決断まで、約2ヶ月ほど時間が空いた。
この間に外科矯正について調べたり、口腔外科医に相談しに行ったりしていた。
開始すると止められないので、後悔のない決断をせねばならない。
家族の反応
最後に外科矯正をすると決断したときの家族の反応を残しておく。
家族は、悩んで考えて決めたことだから尊重する、とのことだった。ありがたい。
通院で迷惑というか色々と協力してもらいたい旨も伝え、無事に了承してもらえた。(これ大事)
全身麻酔下の手術なので親を不安にさせてしまうだろうかと心配していたが、むしろ矯正治療に賛成で喜んで協力すると言ってもらえた。
話を聞くと、子供の頃に歯列矯正を受けさせなかったことを後悔していたらしい。
私自身が嫌だと突っぱねたのだから気にしなくてよいものの、親としてはずっと気掛かりだったようだ。
子としては気にしなくていいのに……と思う反面、私も1人の親なのでその気持ちが理解できた。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回は大学病院の初診と顎機能検査について記す予定です。