幸不幸は万人に等しく配分される | メンタル和尚の法話録

メンタル和尚の法話録

高野山真言宗 勢見山 観音寺の住職がしなやかに寛いで生きるコツ、
面白い自遊人になるヒントを綴っていきます

 人の一生は、いつも順風満帆というわけにはいきません。時には嵐に見舞われることもあるものです。ご自身のこれまでを振り返ったり、周りの人たちの人生を推察したりしてみても、10年に一度や二度は、どなたも大変な時期を経験しているのではないでしょうか。

 そこで「幸不幸は等分される」という教えをご紹介しましょう。それは「この世には一定量の幸福と不幸があって、それがあらゆる人たちに等しく配分される」という考え方です。

 どんなに立派な賢人でも、悟った聖者でも、成功者でも、どんなに恵まれている人でも、みな等しく苦悩は(幸運や喜びも)降りかかってきます。ただ、その時期と種類が違うだけ。

 災難や不運な目に遭ったとき、私たちは、つい「なんで、私だけこんな目に遭わなきゃならないの」と憤慨したり、落ち込んだりしがちです。

 

 しかし、この教えを知っていると、「苦悩の割り当てが来たんだなぁ」と受け入れることができ、不必要な不幸感に苦しまなくて済みます。
 
 これまで、あなたが乗り越えてきたように、どんな不幸も苦しみもいつまでも続きません。諸事百般、諸行無常です。台風が過ぎた後、穏やかな晴天が戻ってくるように、時期が来れば落ち着くところに落ち着くものです。