2019年にスタートした「青空文庫シリーズ」
近代・近現代文学作品を天動虫流に「演劇」に落とし込み、ひとつのテーマで繋いだ作品群です
今回のテーマは『秘密』
『秘密』が書かれた手紙が溢れる空間
謎の「主催者」のもと、
次々と露わにされる『秘密』
手術の時に、たった一度顔を合わせただけのはずのふたりには大きなドラマがあって、、、
私はこの画家として
今回『秘密』の世界の中で、
真の芸術すら感じる美しきふたりに
憧憬や、愛や美や芸術への絶望やら希望やらを
お久しぶりです!劇団員のまなです!
私が振り返るのは、、
10周年の記念公演でもある、『アナンケ〜宿命の女神〜』(2022年)です!
私にとっては天動虫の2回目の本公演
みなさんにとってもまだ記憶に新しいのではないでしょうか?
個人的に、“19世紀のイギリス”とか“ジャックザリッパー”とか、厨二病の血が騒ぐような言葉にワクワクして、稽古が始まる前からどんなものになるのかとても興奮していました🤣
いざ稽古が始まると、台本にはジャックザリッパーだけでなく、フランケンシュタインやジキルとハイド、他にも深読みしたら止まらなくなるような登場人物が沢山出てきて、早くお客さんにお届けしたくてうずうずでした😍
稽古では、みんなで案を出しあって、舞台セットになる箱馬の構成を考えたり、ちょっとしたダンス案を出し合ったりと、みんなの意見がふんだんに詰め込まれていました✨️
この作品、シーン分けをするとなんと、30シーン以上!!😳
目まぐるしく入れ替わるシーンに皆さん追いついて来れたでしょうか??
正直役者の私ですらてんてこ舞いでした🤣
ほとんどの役者が2つ以上のキャラクターを演じていて、
裏では衣装替えをいかにスムーズにできるかの工夫が最後の最後まで行われていました笑
衣装と言えば、この時のテーマは“ピンク”でしたね!
たくさんのかわいいピンクの衣装があつめられましたが、全員が着ると甘すぎず、アナンケの世界観にピッタリでしたね!
ベストが沢山使われていましたが、お気に入りの柄などはありましたか?
それぞれ個性があって、並んで見るととても見応えがありましたね!
私自身、今まで天動虫で貰った役史上いっちばん難しかったのがこのアナンケにおけるメアリーという役でした。
この女の子は一体何者なのか、ジャックが追い求める“メアリー”という女性とはどのような関係なのか、謎の多いキャラクターであったため、役作りが本当に難しかったです。
でも、、、、
本当に楽しかった!
個性の強いキャラクターが沢山で、でもみんな同じ方向を向いていて、大きな渦をみんなで起こすことができたのではないでしょうか!
ジョニーです☀️
今日が「夜長姫と耳男」製作秘話の最終回!(笑)
↓前々回
↓前回
初演の「夜長姫と耳男」は19歳の時。
前回書いたように、その頃のジョニーは耳男のごとき未熟で、社会性に乏しく、感情的で、頭もさほど良くなく、ちっぽけな自尊心を大事にまもりながら、そのくせ臆病者であり。
「夜長姫と耳男」を読んでも、耳男自身に起こる激しい感情を「愛」として読解できず、耳男と同じように「恐怖」や「怒り」として理解するしかありませんでした。
本当は、役者は、
まず役を俯瞰で眺めて分析して理解して、
役になりきるのはその後だと思うのですが、
ジョニーはおバカだったので、俯瞰でみるとかできなくて、すぐに耳男に直感で同化しにいってました。
演出家のほあしさんが頼もしいので、間違った方向へはいかなかったと思いますが、今思うと無謀でした。
蛇を捕まえるシーンとか、稽古の時点では本当にいま目の前にみえた蛇に飛びかかるイメージでやっちゃってたので、壁にぶつかるわ、人にぶつかるわ、怪我のもとでした。
すっごく怒られました。
「役者は演じている間、夢中でなりきっている自分と、冷静に眺めている自分、同時にいないとダメなんだよー!」
羊飼いほあしさんの愛のムチでした。
役者はバランスが必要なのです。
ただ、ほあしさんは、私に役の理解を深めさせるにあたって安易な「愛」というワードは一回も使いませんでした。
激しい感情を、適当な言語に当てはめて静かにさせたらもったいなかったんでしょうか?
耳男そのものに近づくため、あえてジョニーのカオスをそのまま舞台に乗せようとしたんでしょうか?
耳男は、感情も激しいわ、やってることも凄惨だわ、エネルギーも強いわ、惚れた相手はこの世のものではないほど美しく残酷な少女だわで、演じるともなれば大変です。
しかも、その様が、この作品の見せ場です。
本気でないと自分もお客さんも白けてしまいます。
蛇を捕まえたり、歯を食い縛ったり、仏像にノミを打ち付けたり、ということで手も足も色んなとこがアザだらけでした。
今はもうそんな風に演じられないかも?
痛いの嫌なので、本気で演じつつも痛くないように工夫すると思います。
(それでも、最終的に痛い思いしないといけないかもしれませんが。)
でも当時は、工夫の余地もなくそれが精一杯だったようです。
若い感じがしますね。
安穏と生かされている自分の日常生活では体験できない状態になるわけで、
しかも、本番の舞台に毎回必ずその状態にならなければならないので、
ある程度、本番前に時間をいただいて心の準備を行っていました。
当時はこの準備にすごく時間がかかって、丸一日かかったり、わりとすぐ準備ができたかと思ったらすぐ空っぽになってしまったり、
もー、難しい。
今では、稽古がはじまってから本番までの間に徐々に高めて、本番の時に少しでもパッとなりきれるように取り組もうとしています。
あ、でも、明るく気楽な役の時は、普段の状態に近いのでここまでの準備はいらないかも?
ただ、なぜか人の命をいただく役を演じる機会が多く、
この時の耳男の経験が、今後にとても役に立っていくことになるわけなのです。
これが私の生涯の宝である、一人芝居「耳男」との出会いでした。
終
ジョニーです☀️
前回の続きです😊
↓前回
…前後も左右も不覚だった19歳の時に、『夜長姫と耳男』をいただけたことは人生の宝であると思います。
ジョニーです☀️
今日は、私が過去に上演した思い出の作品についてお話します!
『夜長姫と耳男』
あらすじをぜひウィキペディアで、
本編をぜひご自分の眼で、
読んでほしい名作です。
共感はしなくてもよいですが、狭い世界観なのに深い業と無限の宇宙を感じるような壮絶さがあり、面白い作品です。
続く
最近はあまり上演していないのですが、
少し前には何回も、内容や出演者を変えて上演してきました。
“寺山修司の言葉をつかって、
ココロとカラダを動かす”
というコンセプトの作品です。
わたしにとっては劇団天動虫で役者として舞台に立つためのスタート地点のような作品で、
とても思い入れが強いです。
じゅ、10年前くらいの写真、、、
この衣装、もう着れません(笑)
『僕は僕する』という公演名ですがどんな物語なのかというと
寺山修司の数々の作品の言葉を自分の心を通して発してみて、そこから今度は身体が動いて、時には眼差しで、呼吸で、
私という全てで舞台に立つ。
そんな作品なんです。
観ているお客様も、何を感じても自由!
きっと、過去の経験、今の気持ちや状況、未来への不安や希望、それぞれのお客様が抱えるものによって、何を感じるか違うのではないかと、
そう思います。
かなり抽象的なんですが、
そういう時間が自分を見つめ直す時間になったりするんだよなぁって私は思います。
わたしって?
わたしのこころってどう動くんだ?
何を感じるんだ?
わたしは何者なんだろう?何になれるんだろう?
こんな湧き上がる気持ちと向き合いながらつくる作品。
私はこんな、わたしとはどんな存在?みたいなことを考えるのが割と好きで(笑)、それこそ学生時代はあれこれ考え悩んだりもしていました。
ですが今、私は会社員として働いてる劇団員なのですが、
日々仕事をして、生活をして、
そんな慌ただしい日常ではなかなかそんなこと考えなくなってしまいました。
でも、映画でも、本でも、そして舞台でも、
芸術って慌ただしい毎日の中では忘れていた気持ちを思い出させてくれたり、立ち止まらせてくれたりするものだなって思っています。
そんな、自分のこころと大事に向き合えるこの作品が私は大好きですし、
何歳になってもまたやりたいなと思っています。