劇団天動虫 の 稽古場日記 -8ページ目

劇団天動虫 の 稽古場日記

劇団天動虫の稽古場風景・ワークショップ風景・劇団員のつぶやき・公演情報などをお届けします!⭐️

りさこです🐈

今回は、記憶に新しい昨年7月の
『秘密 青空文庫シリーズ2023』を
振り返ります☁️

2019年にスタートした「青空文庫シリーズ」
近代・近現代文学作品を天動虫流に「演劇」に落とし込み、ひとつのテーマで繋いだ作品群です

今回のテーマは『秘密』
『秘密』が書かれた手紙が溢れる空間
謎の「主催者」のもと、
次々と露わにされる『秘密』



私は、泉鏡花の『外科室』に挑戦しました

病を患う夫人と執刀医の秘密の恋
手術の時に、たった一度顔を合わせただけのはずのふたりには大きなドラマがあって、、、
執刀医の友人の画家の視点で描かれます

私はこの画家として
今回『秘密』の世界の中で、
手紙を書き、その秘密の空間に導かれ、夫人と執刀医のふたりの「秘密」を露わにしました

画家として目にした出来事を語っていく中で、
執刀医へ憑依していくようにふたりの物語に没入していくというほあしさんの演出にゾクゾクしました!本当にっ、、難しかった、、😂!


最後の眼差しは、
愛の倫理観と、その一線を超えて
真の芸術すら感じる美しきふたりに
憧憬や、愛や美や芸術への絶望やら希望やらを
感じていました

憑依というかたちで
ふたりだけの美しい世界を生きられたこと
また、
画家という「芸術家」の視点で描かれているのがたまらないなと思っていて、第三者として興味や理性を持ちつつ、人の道を外れるようなことも「芸術」で飛び越えられる感受性と美への渇望があったのかなと、そんな画家としてふたりの世界を目の当たりにできたこと
本当に楽しかったです


流山児★事務所の平野直美さんと共演させていただきました😭✨夫人の純真な強さにもう芯から心震え、、、あの幸せな時間は、私個人にとっても、とても大切なものとなりました🍀

お久しぶりです!劇団員のまなです!


私が振り返るのは、、

10周年の記念公演でもある、『アナンケ〜宿命の女神〜』(2022年)です!




私にとっては天動虫の2回目の本公演

みなさんにとってもまだ記憶に新しいのではないでしょうか?


個人的に、“19世紀のイギリス”とか“ジャックザリッパー”とか、厨二病の血が騒ぐような言葉にワクワクして、稽古が始まる前からどんなものになるのかとても興奮していました🤣


いざ稽古が始まると、台本にはジャックザリッパーだけでなく、フランケンシュタインやジキルとハイド、他にも深読みしたら止まらなくなるような登場人物が沢山出てきて、早くお客さんにお届けしたくてうずうずでした😍


稽古では、みんなで案を出しあって、舞台セットになる箱馬の構成を考えたり、ちょっとしたダンス案を出し合ったりと、みんなの意見がふんだんに詰め込まれていました✨️




この作品、シーン分けをするとなんと、30シーン以上!!😳

目まぐるしく入れ替わるシーンに皆さん追いついて来れたでしょうか??

正直役者の私ですらてんてこ舞いでした🤣

ほとんどの役者が2つ以上のキャラクターを演じていて、

裏では衣装替えをいかにスムーズにできるかの工夫が最後の最後まで行われていました笑



衣装と言えば、この時のテーマは“ピンク”でしたね!

たくさんのかわいいピンクの衣装があつめられましたが、全員が着ると甘すぎず、アナンケの世界観にピッタリでしたね!

ベストが沢山使われていましたが、お気に入りの柄などはありましたか?

それぞれ個性があって、並んで見るととても見応えがありましたね!




私自身、今まで天動虫で貰った役史上いっちばん難しかったのがこのアナンケにおけるメアリーという役でした。

この女の子は一体何者なのか、ジャックが追い求める“メアリー”という女性とはどのような関係なのか、謎の多いキャラクターであったため、役作りが本当に難しかったです。




でも、、、、

本当に楽しかった!

個性の強いキャラクターが沢山で、でもみんな同じ方向を向いていて、大きな渦をみんなで起こすことができたのではないでしょうか!




ジョニーです☀️

今日が「夜長姫と耳男」製作秘話の最終回!(笑)


↓前々回


↓前回




初演の「夜長姫と耳男」は19歳の時。


前回書いたように、その頃のジョニーは耳男のごとき未熟で、社会性に乏しく、感情的で、頭もさほど良くなく、ちっぽけな自尊心を大事にまもりながら、そのくせ臆病者であり。


「夜長姫と耳男」を読んでも、耳男自身に起こる激しい感情を「愛」として読解できず、耳男と同じように「恐怖」や「怒り」として理解するしかありませんでした。





本当は、役者は、

まず役を俯瞰で眺めて分析して理解して、

役になりきるのはその後だと思うのですが、

ジョニーはおバカだったので、俯瞰でみるとかできなくて、すぐに耳男に直感で同化しにいってました。

演出家のほあしさんが頼もしいので、間違った方向へはいかなかったと思いますが、今思うと無謀でした。

蛇を捕まえるシーンとか、稽古の時点では本当にいま目の前にみえた蛇に飛びかかるイメージでやっちゃってたので、壁にぶつかるわ、人にぶつかるわ、怪我のもとでした。

すっごく怒られました。

「役者は演じている間、夢中でなりきっている自分と、冷静に眺めている自分、同時にいないとダメなんだよー!」

羊飼いほあしさんの愛のムチでした。

役者はバランスが必要なのです。




ただ、ほあしさんは、私に役の理解を深めさせるにあたって安易な「愛」というワードは一回も使いませんでした。

激しい感情を、適当な言語に当てはめて静かにさせたらもったいなかったんでしょうか?

耳男そのものに近づくため、あえてジョニーのカオスをそのまま舞台に乗せようとしたんでしょうか?






耳男は、感情も激しいわ、やってることも凄惨だわ、エネルギーも強いわ、惚れた相手はこの世のものではないほど美しく残酷な少女だわで、演じるともなれば大変です。

しかも、その様が、この作品の見せ場です。

本気でないと自分もお客さんも白けてしまいます。



蛇を捕まえたり、歯を食い縛ったり、仏像にノミを打ち付けたり、ということで手も足も色んなとこがアザだらけでした。

今はもうそんな風に演じられないかも?

痛いの嫌なので、本気で演じつつも痛くないように工夫すると思います。

(それでも、最終的に痛い思いしないといけないかもしれませんが。)

でも当時は、工夫の余地もなくそれが精一杯だったようです。

若い感じがしますね。



安穏と生かされている自分の日常生活では体験できない状態になるわけで、

しかも、本番の舞台に毎回必ずその状態にならなければならないので、

ある程度、本番前に時間をいただいて心の準備を行っていました。

当時はこの準備にすごく時間がかかって、丸一日かかったり、わりとすぐ準備ができたかと思ったらすぐ空っぽになってしまったり、

もー、難しい。






今では、稽古がはじまってから本番までの間に徐々に高めて、本番の時に少しでもパッとなりきれるように取り組もうとしています。

あ、でも、明るく気楽な役の時は、普段の状態に近いのでここまでの準備はいらないかも?

ただ、なぜか人の命をいただく役を演じる機会が多く、

この時の耳男の経験が、今後にとても役に立っていくことになるわけなのです。



これが私の生涯の宝である、一人芝居「耳男」との出会いでした。



ジョニーです☀️

前回の続きです😊



↓前回




…前後も左右も不覚だった19歳の時に、『夜長姫と耳男』をいただけたことは人生の宝であると思います。



不良少年の行き場のない怒りを、学校の窓ガラスではなくボクシングに導く、という話をよく聞きますが、
この頃の私にも、行き場のない怒り、社会や人生への恨み辛みがあり、
本能的に、発散をするための自己表現の場を演劇に求めていたと思います。






この耳男、
簡単にいうと、この世のものではないほど美しく残酷な13歳の夜長姫、に一目惚れしてしまうわけですが、
頭が悪いので、自分の激しい感情に名前をつけられずにもがき苦しみます。
惚れた相手も相手ですし、自分の心に沸き起こる「これ」が何なのかわからないので、恐いやらなんやらで、この感情と闘うためにすっごく怒り狂いながらメチャクチャ蛇とか殺しつつすっごい恐い仏像つくって夜長姫をやっつけようとします。
そのしっちゃかめっちゃかな様こそが、この作品のすべてです。
そしてはたからみたら、お前それは「愛」とか「恋」だよ、みたいな感じだったりします。


耳男視点で書かれている小説なので、
その感情が「愛」とか「恋」であるだなんて、当然書いてません。
自分が飲み込まれそうな「恐怖」とか、それと闘うための「怒り」とかの方がしっくりきます。





ここでジョニー19歳。
人生経験も少ないですし、
頭もよくないので、
ただ読んだだけだと、耳男の中で起こったことが「愛や恋」だなんて想像ができません。
そのまんま「恐怖」とか「怒り」とかしか受け取れません。

ある意味、本当に耳男になりきるのにうってつけの人物だったわけです。


続く。

ジョニーです☀️

今日は、私が過去に上演した思い出の作品についてお話します!



『夜長姫と耳男』

あらすじをぜひウィキペディアで、
本編をぜひご自分の眼で、
読んでほしい名作です。
共感はしなくてもよいですが、狭い世界観なのに深い業と無限の宇宙を感じるような壮絶さがあり、面白い作品です。






坂口安吾のこの短編小説を、
台本としてあてがわれた時は衝撃でした。

ジョニー19歳の時。

普通なら19ともなればある程度成熟している人も多いかと思いますが、
ジョニーはその頃とても未熟で、社会性に乏しく、感情的で、頭もさほど良くなく、ちっぽけな自尊心を大事にまもりながら、そのくせ臆病者であり。
まさに、「耳男」と同じような雰囲気だったと自分では思っています。

ただ、その頃はまだ演劇というものをよくわかっておらず、
日常を切り取ったコメディや、
戦争反対を訴える朗読や、
歌や躍りを使ったミュージカルや、
そういったものだけが演劇なんだという固定概念があり、
まさか短編小説を演劇にするなんて、
そしてこんななんか凄そうな内容のものを私が演じることになるなんて、
思いもよらなかったのでした。



続く


劇団員ちあきです!🌷

今回私が振り返る作品は…
『僕は僕する』という作品です。


最近はあまり上演していないのですが、

少し前には何回も、内容や出演者を変えて上演してきました。



“寺山修司の言葉をつかって、

ココロとカラダを動かす”


というコンセプトの作品です。

わたしにとっては劇団天動虫で役者として舞台に立つためのスタート地点のような作品で、

とても思い入れが強いです。


じゅ、10年前くらいの写真、、、

この衣装、もう着れません(笑)



『僕は僕する』という公演名ですがどんな物語なのかというと

寺山修司の数々の作品の言葉を自分の心を通して発してみて、そこから今度は身体が動いて、時には眼差しで、呼吸で、

私という全てで舞台に立つ。

そんな作品なんです。

観ているお客様も、何を感じても自由!

きっと、過去の経験、今の気持ちや状況、未来への不安や希望、それぞれのお客様が抱えるものによって、何を感じるか違うのではないかと、

そう思います。


かなり抽象的なんですが、

そういう時間が自分を見つめ直す時間になったりするんだよなぁって私は思います。



わたしって?

わたしのこころってどう動くんだ?

何を感じるんだ?

わたしは何者なんだろう?何になれるんだろう?

こんな湧き上がる気持ちと向き合いながらつくる作品。


私はこんな、わたしとはどんな存在?みたいなことを考えるのが割と好きで(笑)、それこそ学生時代はあれこれ考え悩んだりもしていました。

ですが今、私は会社員として働いてる劇団員なのですが、

日々仕事をして、生活をして、

そんな慌ただしい日常ではなかなかそんなこと考えなくなってしまいました。

でも、映画でも、本でも、そして舞台でも、

芸術って慌ただしい毎日の中では忘れていた気持ちを思い出させてくれたり、立ち止まらせてくれたりするものだなって思っています。


そんな、自分のこころと大事に向き合えるこの作品が私は大好きですし、

何歳になってもまたやりたいなと思っています。



劇団員の平野ぱこです!
私が振り返る公演は
第9回本公演『ヘリカル〜家族の肖像〜』
(2020.9.17.(木)-19(土)小劇場楽園)


コロナ禍
マスク着用、配信での公演……と今までにない環境での公演でした。
安心安全と、良い公演を。
その両方を叶えるためにはどうすべきか……そんな中での試みでした。

マスクも衣装! 可愛いですよね
ひとつひとつ手作りで……
天動虫🐞の魅力は毎公演の衣装もですが、ヘリカルも可愛い〜!


家族のお話でした。
母と娘、父と息子、繋がり伝わっていく家族という血の縁。
いくつかの短いお話を繋げながら、大きなひとつの輪になっていく。


天動虫ならではの複雑に絡み合った……というと難しく聞こえてしまう(笑)
全ての事柄はなにかに繋がっている。
だから一人きりではない。
行ってらっしゃいと行ってきますを言える……


役者という存在を通してそのエネルギーを伝えられる。そんな作品だったなと思います!
そしてコロナ禍でもう演劇ができないのかもしれない、と落ち込んでいた私自身にもとても力を与えてくれた、思いの深い公演でした!
劇団員りさこです🐈

私が振り返る公演は、、、
2021年12月
第10回本公演『お父さんゲーム』✨

コロナ禍の配信公演から、
2年ぶりのお客様にご来場いただいての公演
お客様がいてくださる安心感たるや、、、
いつも本当にありがとうございます!!


男手ひとつで育てられた主人公の女の子、成長する中ですれ違っていってしまったお父さんが遺してくれたものを見つけるハートフルなお話し

私は、お父さんと関わりの深い謎の女の役でした

お父さんの初恋の人?もしかしてお母さん?お父さんの思い出の中でしか現れない役なのですが、登場シーンごとに、曲、衣装、ヘアメイクすべて違ったのです!お父さんの思い出の中なので☺️

でもお父さんの印象の中ではなにか「色」が統一されてたのかなと、そんな思い出がルーツとして今のお父さんの「色」があると思うと、そしてきっとその「色」は子どもたちやお父さんと関わった人たちに引き継がれていくのだろうな、すてきだなって、
そんな「繋がり」が衣装や小物すべてに詰め込まれておりました
とても楽しくて幸せでした〜!


また、30分間、開場から開演までの間、舞台上で6つの箱で遊ぶというミッション😂

雰囲気のあるすてきな照明と音楽の中で、実は家族とごはんを食べたり、寝る前に物思いにふけたり、何気ない幸せな日々を過ごしていたのです!
snsで「気づいたらお風呂入ってた!」と言っていただいた時には、うふふ☺️となっていました
ご感想投稿いただいた皆さまありがとうございました♡


(まなさん劇団員になって初本公演、かわいい♡)


お葬式の日、喪服を着た主人公、
黒と灰色の四角だけのセット、
その中でお葬式とは思えない派手な衣装の明るい皆に、鮮やかな照明、温かい音楽、、、

明るくエネルギーが満ちてるのだけど、
どこか哀愁やさみしさもあって、
深い愛に満ちた空間

いろいろな方に出会い支えていただき、
豪華で華やかな舞台になっても、
変わらない天動虫の空気感もちゃんとあるなって
この作品を、新メンバーとともに、
10回目という節目にできたこと
幸せに思います



劇団天動虫、
新たに動き出します。

いい舞台を創りたい。

そのために、
たくさんの人に出会いたいと思ってます。

本当は、
天動虫の芝居をみたことがある人が
望ましいのですが、
そうでない方が
大多数。
なので、
少しでも天動虫をしってもらうために、
ブログでも企画をおこないます!
役者が、
これまでの公演の話をしていこうと思います。

秘話がきけるかも?

もし、この公演ききたい!って方がいたら、
教えてください!!





【エイプリルフールでした!】
 
こんばんは🌃
劇団天動虫のジョニーです🌻
新年度のはじまり、皆様はいかがおすごしになられましたか?
 
皆様お気付きのことと存じますが…
本日の劇団名改名の件につきましては、
もちろん!
エイプリルフールのジョークでございました!
 
「え?か、改名??」
「なんで、かぶとむし??」
「ちょっと信じちゃった!」
「エイプリルフールですね!」
「僕も改名します」
などなど、心の中でリアクションしてくださった皆様、
ありがとうございました!(笑)
 
皆様の一日一日が、少しでも穏やかで明るい日々でありますように!
改めまして、今後とも
🐞劇団天動虫🐞(てんとうむし!)
をよろしくお願いいたします!
 
 
劇団天動虫 ジョニー🌻
 
 
 
☆☆☆
 
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