演者の色が変わると本の色が変わる | 劇団天動虫 の 稽古場日記

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こんにちは、劇団員のジョニーです‼️

今日は
YouTubeに上がっている
「トンボの死」
について語ってみようかと✨
 


山川方夫 著「トンボの死」

劇団員ののりえさんが清らかに演じてみせてましたね✨



通称のりこ

彼女は不思議な人で
見た目からは静かでしとやかで小雨とアジサイのような魅力が感じられるのですが
お話ししてみると
明るく朗らかな日向のひまわりのような人なのです🌻
理想的か!(笑)

裏表のない清らかさ。
この役にぴったりの雰囲気でした。

🌻

それに対してですね
山川方夫さんの作品は
読んだ後の無情感がハンパないというか
「人間って所詮こうだよね」
を見せられてからの
「あぁ、自分も所詮はそうだろうな」
にいきついて
虚しくなる
あの読後感がすごくよくてですね。

あくまで個人の感想ですが…
「トンボの死」も
題名は
トンボの死
ですが
読んだ後のこっているイメージは
ハエの死骸
なのです。
トンボなんて出てきやしないのです。
ハエの死骸しかそこにないのです。
それに気付いた時は
あまりにおぞましくて虚しくて
山川さんへ無言で拍手喝采。(笑)

🌻

さぁそこで
できあがった映像作品を見てみますと


不思議とですね
なんか、本を読んだ時の空虚さやおぞましさは
あんまり感じなくなってまして

代わりに
のりこの清らかさや朗らかさ
小さなお花のような儚さと煌めき
みたいな印象の方が感じられてですね

あれ、まったく違う雰囲気の作品に変わったなぁ

不思議だなぁ

と感じたんですね。🐱

🌻

「役者のもってくる熱の種類」で
「本の色すらも変わる」んだ
という発見があった
面白い作品だったのでした。

原作が好きすぎると作品の変化を受け入れがたくなることもあると思うけど
私は
役者のからだを通して作品の可能性が広がっていく
面白い取り組みだなと感じます。

のりこの「トンボの死」
とても好き。

これが、天動虫の青空文庫シリーズ。


☀️ジョニー☀️