第二部も、前半おちゃらかし、後半盛り上がりのめでたしめでたしスタイル。
とにかく盛りだくさんで、だいもんの音楽力やら、だいきほワールドやら、雪組のわちゃわちゃ、タカスペ祝祭モードを詰め込んだ宝塚ファミリーランドという感じ?
子供からお年寄りからまで、宝塚ファンが楽しめるライブでした。
※内容に触れてあります。
■タカスペパロディ 去年と今年の分先やっとくねコーナー
タカスペパロディを楽しみにしてる派なので、真面目なおちゃらかし、楽しかった。
だいもんが、「観客が悲しい気持ちになってばかりだから楽しい気持ちで帰ってもらいたかった」、と言っていて、そんな深い思惑があったのか! と感激したと同時に、退団作を予想して気合入れ直しました。
大阪弁×宝塚パロディは鉄板ですね。宙組の王家パロディ最高だったもの。
星組もぜひロミジュリでお願いします。
見どころはやはりだいもんの三編みと (また粛清されちやったの?)、彩凪先生の完璧な動きですかね。
武田鉄矢のポンポン持ったダンス、脱力感が完璧。
観柳以来のコメディエンヌっぷりと、大阪人ののり、あの美貌がかもし出す絶妙なおかしみな。
かと思うと、歌とかダンスではどーんとした押し出しを見せて、ライブがコミカルにおちすぎないようにしてる
翔ちゃんなくして、このライブなし。
琥珀のクロード×ルイ、ファントムのエリックvsシャンドン、壬生の吉村と土方、対極だったり、どこかで通じ合ってる二人だったり、だいもんと翔ちゃんの取り合わせがとても好き。
二人ともどっしりしたオーソドックスな男役のスタイルだから、とてもいいバランスだと思う。
ちよっと長かった気もしたけど、こっちも水に飢えてるから、どんなおポンチなシーンでも、1もらえれば、残り9は今までの記憶と想像力で補えます。
エリック仮面吉村でも、抜身の刀を両手に持った姿と石に咲く花のBGMで、こっちの目の奥からは反射的に湧き上がるhot water。
しかしすぐ、字幕 「雪止まる」 で引っ込む。
白いドレス姿のしづに抱かれながら舞台に横たわり、死にかけている吉村ロベスピエール貫一郎エリック源太の姿も、だいもんの左顔面のシルエットと、パーフェクトな鼻翼を拝みながら、「美しい・・」とうめいていました。
だいもんの良すぎる滑舌、完全にオスカーでしたね。
どんなボケ倒しても、徹頭徹尾崩れない二枚目のお顔、怖いぐらいきれいでした。
■だいきほタイム
・You raise me up (タイタニック)
・輝く未来 (ラプンツェルより)
・ランベスウォーク (Me& My girl)
・私が踊るとき (エリザベート)
真っ白のロングドレスの真彩ちゃんの登場。
ミュージックサロンの時もそうだったけど、真彩ちゃんの歌う曲は、王子様が私を引き上げてくれた、居場所を見つけてくれた、という歌。
トップ娘役はトップ男役から引き上げてもらう (体裁をとっている)ものだけれど、真彩ちゃんは、彼女が選ばれた理由が万人にわかる、選ばれるべくして選ばれたプリンセスでした。
一人でも輝いていられる真彩ちゃんが、だいもんの相手役として素晴らしいシナジー効果を見せてくれたから、心から素直に聞くことができる。
デュエットの始まる前、真っ白なお衣装を着てせり上がってくるだいもん背中の優しく甘やかなことに驚き、振り向いたときの晴れやかな笑顔が胸にこたえました。
「輝く未来」 は、だいきほのコンビネーションにゆとりがあって、応酬がとても自然。
純白のお衣装に包まれて微笑みあう二人は、とても優美な夢芝居。
溶け合って混ざり合うユニゾンが、ヘブンリーな響きでした。
こんなに柔和な世界を表現できるほどコンビネーションが成熟してきたことに、3年の年月を感じる。
だいきほの場面は、完全にだいきほのつくる世界でした。
ライブの中で、そこだけ別の世界に飛んだような、神聖な時間でした。
ライビュや配信では、劇場の奥行きや空気感、空間性を感じることは難しいなといつも思う。
だけど、だいきほのシーンは、はっきりと銀橋と大劇場を感じました。
歌の響き、歌の広がり、二人の歌の重なりが、見えない空気を感じさせました。
おそらく、皆様の涙も。
その後のトークの牧歌的なほほえましさよ。
「本日のゲスト、真彩希帆さんでーす!ようこそー(脱力)」 のだいもんのゆるいコールと、
両手マイク持ちの 「真彩希帆ですっ!」の 「っ」 ね。
これぞだいきほ。
こんなに長時間、二人がむきあって喋っている姿を舞台上で見られることはないので、思う存分目に焼き付けました。
からの組子総出のランベスウォークは、大団円。
満面の笑みのだいもんと手拍子うつ真彩ちゃん、調子に乗る組子たちが可愛すぎて、まばゆい。
(だいもんの 「街頭によりかかって」 と 真彩ちゃんの 「顎で受け止めて」 は プレイリスト・夢 の上位です)
華燭の式に参列させていただき、ありがとうございました。
「私が踊るとき」 については、帝王と女王でした。
二人の緊張感のある攻防とドラマ性が一層凄まじくなっていて、画面のこちら側でも絶句した。
劇場で聞けた人、どうか、鼓膜をわけてください。
■タカラヅカメドレー①
・SUPRVOYGer ピンクフリル燕尾衣装
・Music is MY life (music revolution) だいもん弾き語り
このだいきほからのタカラヅカメドレーの流れで、前半のパロディ部分はほとんど頭からすっとんでます。策士サイト―。
だいもん弾き語り、美しかった。
みちこさんのときは、kawaiの白ピアノだったけど、だいもんはやっばり黒だねえ。
弾き語りって、見た目以上に至難の業。
指に意識が行くと、当然歌もわやになる。歌をしゃんとさせようとすると、指がお留守になる。
頭の上に水入れた洗面器乗せて落とさないように歩くようなもんです。
ほんの、ほんの0.0001 mol程度、だいもんの声が揺らいだのが、すんごく生身感があってぐっときました。
組子トークは、だいきほ萌について語る。
こんな世界線があったなんて・・
萌エピ披露大会の優勝は、もちろん、天咲礼愛ちゃんです。
真彩ちゃんの髪飾りをだいもんが360度全部チェックする って話、
萌え転げました。
何が悶えたって、本人はいたって真面目に業務改善のためにしてることが、娘役さんに至福のキュンを与えているってところです。
というか、わてら、ラブラブエピソードとか多幸感に全然免疫ないんだから、そんなにもらったら、処理能力を超えてまうがな・・・。
他組トップコンビならデフォであろう銀橋デュエダンフィニッシュの 「ゆらゆら」 すら、
衝撃のあまり、しばらく
「ゆらゆら・・・」 「ゆらゆら?」 「ゆらゆら・・・」
と呆然とつぶやいてしまうぐらいの破壊力だったんだから。
「きいちゃんに、きいたんですけどぉ」 と大阪弁で韻を踏む翔ちゃんに、でました、だいもんの秘儀・おうむがえし。
しかし、みんな見事にオフのことには触れず、舞台関連のことだけで無難かつ面白く切り抜けるスキル、すんばらしいわ。
訓練されてるなー。
■だいもんリサイタル
・ひとかけらの勇気
・かわらぬ思い
・愛の旅立ち
宝塚定番曲がソングが、定番となったゆえん、つまり曲のすばらしさがストレートに伝わってくる。
だいもんには、大きさのある歌がよく似合う。
愛憎を濃縮した歌もいいけれど、悠久の時間を歌い描く力が突出していると思う。
だいもんにとってタカラヅカは、とてもとても偉大で、永遠に夢の彼方にある存在なのかもしれない。
だから、望海風斗の歌には、過去と現在だけでなく、常に未来が含まれているように感じる。
■宝塚メドレー②衣装はなぜかピンク
ノゾミ /エンドレスドリーム/ハイパーステージ/夢は世界をかけめぐる /ミレニアムチャレンジャー/joyful/zoom up
宝塚メドレー、水を得た魚とはこのこと。
エンドレスドリームとblue illusion 、歌い込み方が明らかに桁違いに違う笑
ミレニアムチャレンジャーのかりあんとひよりくんの、こってりウインクもいいね。
zoom upで、NOW ZOOM ME衣装に着替えたまあやちゃんの嬉しそうなこと、飛び跳ねただいもんハイタッチの可愛いこと!
■アンコール夢をあつめて
シングルは、だいもんのシズル感溢れた甘い声が堪能できたけど、ライブではキーも下げて、しっかりゴージャスな男役版。
個人的にはこっちが好きです。
シングルバージョンは、リリカルなピアノ音の間に、EDM音や指パッチンやクラップみたいな音が入っていたりして、リズムセクションがおしゃれで軽やか。
「これが商業音楽のプロか! 」 感がすごかった。
だいもんが苦戦していたリズムの仕掛けのあるメロディも、いかにもナオト・インティライミらしい。 (「start to rain」 すごいです)
間奏に男声の民族音楽のメリスマのようなコーラスがかすかに入っていたりして、”旅”、それも大陸間をめぐる旅のイメージ。
一人の女性が、広い新しい世界に踏み出していくテーマにぴったりだった。
宝塚バージョンでは、男役の望海風斗がこれまでの旅を振り返っている感じ。
デジタル加工されていないだいもんの声がゆうゆうと響き渡って、サビに行く前に、ダダダンとドラムが大きな音で先導してくのが行進曲のような劇場感があり、「これよ、これこれ! 」 と嬉しくなった。
東京へ、ようこそおかえりなさい。