雪組 るろうに剣心 大劇場 観劇感想 ※ネタバレ | 百花繚乱

百花繚乱

駆け出し東宝組。宙から花のように降る雪多めに鑑賞。

全体的には、感想は先行評とほぼ同じです。
話の筋は期待するな、ただ、生き生きとした組子の演技とキャラクター作り・和風の楽曲が楽しいから、とにかく楽しめる、ってとこです。


抜刀歳、竹藪のシーン
 ちぎ様の殺陣、さすが。あまりに早くて刀が全然見えない。
そして、和物の雪組!! さすがの斬られっぷり!! 斬られるたびに竹までめりめり倒れる。

新選組の戦いから明治維新まで、約3分
新選組が出て、うぉりゃーとなって、くるっと盆が回ったら一気に明治維新。
・・す、すごい・・。ダンスと歌で一気に持って行ってなんの不思議も感じさせない力技。
文明開化のシーンは、画面がガラッと変わり、ガス灯、赤煉瓦、新聞など、華やかで楽しい。

・オリジナル曲が珍しくいい
だいもんのソロ、「悪っ鬼と、なーりーてー髪を切る」のドラマティックなこと。
「薩摩、長州―、土―佐、ひぜんーー力あわせて幕府をたおすぞーー」  ・・・・これ、受験生必須ね。
文明開化のシーンでは、「新橋からは丘蒸気、食べる御馳走牛鍋、文明開化だ! こーれーあらたなりーー」

オリジナル曲にありがちな、無理に台詞を当て込んでる感がなく、説明でいながら、耳に残りやすいメロディー。 ついつい口ずさみたくなる
赤べことか文明開化の楽しい曲も、コーラスが上手に使われてて盛り上がる。


・弥助
神谷道場に居候になっている、元士族の少年。娘役で研3の娘役の彩みちるちゃんかがやっているが、うまい!! 少年そのもの。小刻みな動き、張りのある声、絶妙の間。 この劇のコミカルなシーンを一手になっている。

・比留間組
今すぐ悪役商会に登録を!!

神谷道場を乗っ取りに行く美城れんさんの、あのいやったらしい声!!!
「おーい、師範代の、かおるさーーん、いるんだろーーーう??」
すべての悪役は、あれを耳に刻み込んでいただきたい!!!

比留間組の皆さま、やはり斬られっぷりが素晴らしい。
私は晩年のジャイアント馬場の十六文キックを思い出したよ。足をあげるだけで、組子が転がりながらその足にぶっこんで倒れていく・・・・。

悪役商会雪組派出所の皆さま、もう人間の関節の限界を超えたのた打ち回り方をしてます。
がおたんなんて、切られてから悶絶して横転で一回転するし、奏乃さんなんて足がねじくれて、脱臼の域・・。
他の組子も、下半身が「く」の字やら「ら」の字やら、よくわかんないことになって地面ではいずりまわっます・・・素晴らしい!!・

らり中の左から二番目の男役の方
演技がとても上手(足を座位でほぼ180度持ち上げテカラノ、ぶらブラ脱力してる感じとかすごい) なんですが、全然顔がわかりません!!

・赤べこ ng>
文明開化の華やぎと喧騒が伝わってくるいいシーンだと思う。
あの、張子の牛を腰に抱いてゆらゆら踊っている白峰ゆりさん・・色っぽ・・・。スカステで見たとき、放送をしていいものなのか、脇汗をかきました。

・左之助
斬馬刀、でかい・・・・
喧嘩っ早くてきっぷがよくて、それで親分肌の人情味があって、すごくはまり役。
しかし、拳を握りつぶす「めりめりめり」、骨のくだける音まで効果音に入ってた時には笑ってしまった。さすが漫画原作。
「腹減ってんだろ」と優しく皆をうながして赤べこ屋に入るとこなんて、思わずその背中について立ち上がりそうになったよね。

左之介が口上を述べて、見栄を切る時、歌舞伎のように拍子木が入るのだが、なんと、それを舞台の端で叩いているのが、弥彦。
しかもなぜか、張り子の赤べこの上で・・・
鳴るたびに、牛の頭がふわんふわんなってるのが可笑しい。
牛の頭がふらなくなったら、そっと弥彦が頭をつついてまた振りはじめていた 


・だいもん=加納惣三郎 =ジェラール山下
フランスに行って、商人として大成功して復活のだいもん。
山下、の由来は、あの横浜の山下公園付近に商館を構えていたからと、と聞いて、地元横浜の私はひとりで大興奮。
ちょっとちょっと、あの山下公園あたり、山手の洋館あたりにだいもんが住んでたってこと?? (住んでない) 外人墓地でサンテしてたってこと??してない) それならそうと言ってくれれば・・

(・神谷薫 清らかでおきゃん。かわいい。ただひたすらかわいい。ぐうの音もでないぐらい可愛い。


・斉藤大 =彩風咲奈
江口洋介超えた。かんっぺき、超えた。仰天した。
スタイル抜群。シャープで、どの角度から見ても美しい。殺気がある。刀を扱う素振りも、さやにしまう素振りも、完っ璧に美しい。完全に「壬生の狼」だった。
「お前は明治維新という役に・(忘れた)・・・俺たちも、敗者という役で命をかけていたんだ
・・・斉藤さーーーーん!!!!

いつもくわえ煙草をしてるのだが、一回、オケボックスに捨てたよね??
防災法が!!といらぬ心配をしてたら、一曲終わったら、また手に出てきてた。魔術・・・・・。
そして、「悪・即・斬」の曲がかっこい!!!
こんなとんでも曲を・・・すんなりと自家薬篭中のものにするとは・・・


・プチガルニエ ジェラール山下のシーン

皆がドレスにわくわくしたり、なれないダンスでてんやわんや。とっても華やかで楽しいシーン。永遠にぐるぐる回っているあんりちゃん・・オツです。
みんなあちこちで小芝居してて、シェフが二人いて、両方大変見目麗しいのですが、左側の顎髭の方はどなたでしょうか?!!
右側は朝風さんというとこまではわかった。御婦人にナンパされて踊らされてましたね?
 舞踏会で要人の警護役として斉藤さんも行くのだが、慣れぬ洋装にどたばたする一同を見て、「なんだよ、こりゃ」って顔をして、壁でつっ立っています。壁の花ならぬ、壁の狼です!!! お願い、殺って・・・・

・だいもん
だいもんの声こそが、蜘蛛の糸、アヘン、オピウムです。場を支配し酔わせる魔力・・・・

・筋について
原作だと、観柳(金、武力) vs :剣心 (正義、心) の対立で、観柳がラスボスでわかりやすかったのだが。
維新は終わっていない、倒幕しても、薩長政治で、賄賂が横行する不平等な世界となっている。もう一度日本をアヘンで日本政府を転覆する=山下 vs 不平等の中でそれぞれが戦う。二度と人を斬らない温かな世界を =剣心 の戦い、というところなのだが・・・

加納がそこまで明治政府に恨みを抱く理由がわからない。
金のために阿片を売る、という観柳の論理の方がまだわかりやすい。
家が士族で、恋人や母親が明治側に斬られたとか生計のために吉原に売られたとか、
新選組としての理想を抱き続けていて、今の腐敗がどうしても許せない、仲間の死を忘れたのかと、すっかり変わった斉藤や剣心を憎む、と言うならわかるが、そこまで新選組に愛着も持ってなさそうだし。

そもそも、加納さんと剣心って、ほぼ無関係。幕末にただすれ違ったレベル。
だから、「ジェラール山下=最後の敵役」というのがぴったり来なくて、ドラマチックにならない・・


・蒼紫ファイブ
OX☆##OX*△**OXOO△XO