月組 舞音 東宝 観劇感想 | 百花繚乱

百花繚乱

駆け出し東宝組。宙から花のように降る雪多めに鑑賞。



やっと東宝初観劇・・・
一体この3週間近く、私はどうやって生きていたのか記憶がない。。。。

前評判を聞いて震えていましたが、美しかったよ??
筋運びもスムーズで、普通に観れるが。

・ベトナムの舞台が美しい
常々思うが、タカニュ (※タカラヅカニュース) はもっと舞台装置も写した方がいいと思う。
今回、行ってみて、舞台の美しさに驚いた。
ベトナムの市中の雰囲気もいいし、何より、の雰囲気。
雨の音、川に映る色とりどりの灯篭、煙る川に揺れる舟・・・
幻想的で、美しかった。

舞台で、白い布を使った背景が、柔らかくて優美で素敵。
その周りを踊る、白い衣の水の精霊達の美しさよ・・・・・


・美弥るりかさん

「もう一人のシャルル」の意味がやっとわかった。
真面目一辺倒のシャルルの、インナーチャイルド、無邪気で繊細な内面を演じている。
ロミジュリなどの、登場人物の奥で踊っている「死」や「愛」のような、概念の役。
美しかった・・・
白軍服に、ピンクの蓮の花を持って、せつなげな表情をするのがたまりません。

・舞音×シャルルのベッドシーン
これは、もう一人のシャルルともう一人の舞音(叶羽 時)が、かなり濃厚なベッドシーンをする。
完っ全に床で重なってますからね、お二人・・・
その後で、本物の二人が、登場して、生々しくなくいちゃつく。
よく考えたものだな、と思った。

美也さんにいたっては、白軍服で、ぴーーーんと180°水平に長いおみ足を伸ばし、叶羽 時ちゃんの上に重なっていて、白鳥の交尾ってこんななのかなー」と思った。
やはり純白の衣に身を包んだ叶羽 時ちゃんもとても色っぽいので、舞台はとんでもないことになっていた。

・光月るうさん
かっこいい。頼れる上司感ね。

・憧花ゆりあさん
ラスボス候補生ですね。 
凄みと深みのあるええ声してはるので、ジブリの魔法使い役とか、お婆さん役とかできそう。

 ・クリストフ(凪七瑠海) 
好青年・・・・。宝塚一バーバリーとアーガイルニットの似合う王子、安定。
こっちがもう一人のシャルルのようにも見える。


・ちゃぴ(愛希れいか)
容赦なくかわいい。
魔性の女にしては清純すぎるとも思ったけれど、原作でもマノンは「汚れを知らぬ少女のような」となってるから、原作に忠実なのかも。
実際、そうじゃないと、真面目なエリート・シャルルが一目で惹かれないしな。
現実でも、だいたい信じられないぐらいもてる人ってのは、黒髪で地味目で清純そうに見えるものですよ・・(関係ない)

・まゆぽん(輝月ゆうま)
さすがでした。
「これ誰?!!!ベテラン?!」と思ったら輝月さんでした・・・

いつもウイスキースキットル(鉄でできてる、ウイスキーを持ち歩くための容器)を持ち歩き、胸をはだけて、賄賂をもらい、密輸入を黙認してる素行の悪いフランス士官の役。
すっごい存在感。
捕まった時に、神経質なアル中らしく足をカタカタ鳴らしていたりするあたり、すごいリアリティだし、だらしなく壁にもたれかかる姿までもが味がある。
すごいなーー

・民衆の歌
1789で群舞の土臭いコーラスはお手の物になったのだろうか。力強くてとても迫力があった。


お話としては、とても王道だと思う。
エリート青年シャルルが、植民地で混血のエキゾチックな女(マノン)と恋に落ちる。
マノンは、フランス人からはさげすまれ、ベトナム人からは裏切り者と言われ、金のために高級娼婦のような刹那的な生き方をしていた。

シャルルは、マノンに渡す金のために、賭博に手をだし、フランス軍を裏切り、軍人としての誇りも栄誉もすべて捨てて、堕ちていく。
けれど、初めて身分や体裁よりも大切な情熱に気付き、大国の植民地主義の欺瞞に憤り、フランス軍に敵対し、マノンと国を出る。
マノンは、自分のためになにもかも捨ててくれた男の真実の愛に気付く。

・・なはずなのだが・・・・・うーむ。

多分、マノンとシャルルの台詞が、全部「好きだ」だけで、具体的な会話があまりないから、関係性がよくわからない・・。
マノンが「金!!」ってがなってるシーンがなくて、全部兄が代弁しちゃってるから、マノンの哀しさがあまり伝わらない。
シャルルは、堕ちてるんだけど、全然すさんだ感じがしない・・
でも、それを考えても十分楽しめた公演でした。


今回の好きな台詞 「赤は誓いの色!!」張紫微(チャン・ズーウェイ)