脂肪の消化と吸収 | 衛生管理者・エックス線作業主任者・危険物取扱者の合格率約90%の試験対策ブログ

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今回は、第一種衛生管理者試験の解説で、『脂肪の消化と吸収』についてです。


それに関する第一種衛生管理者の問題では、次のような選択肢が出題されます。


「食物中の脂肪は、十二指腸で胆汁と混合して乳化された後、酵素により脂肪酸とグリセリンに分解され、腸壁から吸収される。」


この選択肢は、正しい記述です。


この記述は、脂肪の消化と吸収について問うものです。


私たち人間に必要な栄養素としては、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」などがあります。


このうち脂質は、油脂(ゆし)、肉、魚、種実(しゅじつ)などの食物に多く含まれています。


脂質の中でも、私たちがよく取り入れるのは、中性脂肪(ちゅうせいしぼう)です。


中性脂肪は、ただ単に脂肪ともいわれます。


脂肪は水になじまないため、そのままでは消化、吸収されません。


昔、理科の実験で、水と油をビーカーに入れてかき混ぜても、時間が経つとそれぞれが分離したのを覚えていると思います。


人間の体は、ほとんどが水分でできているため、油(脂肪)は消化、吸収されないわけです。


脂肪の消化を助けるのが、胆汁(たんじゅう)という分泌液です。


胆汁は、肝臓(かんぞう)で作られ、胆嚢(たんのう)という袋に溜められます。


そして、必要なときに、胆管(たんかん)という管を通って、十二指腸(じゅうにしちょう)という消化器官に送られます。


十二指腸は、胃と小腸をつなぐ管のことです。


ここで、脂肪は胆汁と混ざり、乳化されます。


脂肪は、水になじみやすい物質と、水になじみにくい物質がくっ付いた形をしています。


体内に入った脂肪は、水になじみにくい物質の方を内側にして、大きな塊(かたまり)になっています。


これでは消化するのが困難なため、胆汁がこれらを小さな塊に分けて、消化しやすくするのです。


この作用が、乳化なのです。


その後、乳化された脂肪は、胃の後ろにある膵臓(すいぞう)から分泌される消化液である、リパーゼという酵素の作用で分解され、脂肪酸とグリセリン(グリセロール)になります。
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(これメッチャ重要です!)


これらは小腸の腸壁から吸収されますが、その際再び中性脂肪に戻り、リンパ液になじみやすいタンパク質に取り囲まれます。
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(これメッチャ重要です!)


この中性脂肪を含む物質をカイロミクロンといい、吸収されるとリンパ管に入ります。


リンパ管は、リンパ液という無色透明な液体が流れる管をいいます。


ただし、カイロミクロンを含むリンパ液は、白く濁っています。


リンパ管は、首の下付近で静脈に合流し、カイロミクロンはそこから静脈に入って、心臓、動脈を経て肝臓に運ばれます。


カイロミクロンは、肝臓でリポタンパク質という物質に変わり、血液中に出されます。


これに含まれる中性脂肪が、全身の脂肪組織に取り込まれ、必要なときに脂肪酸とグリセロールに分解され、エネルギーとして使われることになります。


ここで、今回の選択肢に戻りましょう。


すると、「食物中の脂肪は、十二指腸で胆汁と混合して乳化された後、酵素により脂肪酸とグリセリンに分解され、腸壁から吸収される。」という選択肢は、正しいことがわかります。


脂肪の消化と吸収については、試験でポイントとなるところです。


覚えておきましょう。


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◇【目次】[第一種衛生管理]関係法令(一般)
◇【目次】[第一種衛生管理]関係法令(有害)
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◇【目次】[第一種衛生管理]労働衛生(有害)
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