く♪青春ごっこを続けながら旅の途中
ヘッドライトの光は手前しか照さない♪
渋谷道玄坂はカウントダウン規制の為に大量の警察官が配置についている。それを他所に町の喧騒はカオスと化している。コンビニ前で缶アルコールを煽る外国人達は、フライングのハッピーニューイヤーを叫び、それに反応する若者が奇声をあげる。
その昔こんな自由な年越に憧れたりしたが、今となってはついていきようもない。
(早く出たい)そんな時『新宿、ヒルトン東京』乗り込んだ欧米人家族に助けられた。
♪真っ暗な道を走る胸を高ぷらせ走る
目的地はないんだ帰り道も忘れたよ♪
『このまま良いですか?』降りた家族と英語で一言二言会話したホテルのドアマンがドアを閉める前に聞いてきた。『いいっすよ』
乗り込んだのはまたしても外国人観光客。『新宿!新宿!』『why?』新宿といわれてもここも新宿である。『歌舞伎町?』『ノー、ゴーテングぅ!』『ゴーテン街?』『イェス』
ゴールデン街も歌舞伎町であるが外国人は何故か此処を目指す。
♪壊れたいわけじゃないし壊したいものもない
だからと言って全てに満足してる訳じゃない♪
時はまもなく午前0時。花園神社を初詣客がぐるりと包囲している。こう表現したくなるのはあまりにも多様な人種、ファッション、言語。およそゆく年くる年にの風景とは異なる猥雑な行列だからか。そんな人混みをそろりそろりと分け入り外国人の指定したゴールデン街の奥で降ろした。
(あ〜ぁ歌舞伎明けか)花園神社の除夜の鐘が鳴り始めた。
♪夢の中で暮らしてる夢の中で生きて行く
心の中の漂流者明日は何処にある♪
(あけましておめでとう)空の車の中でつぶやいた。俺の知る街とはまるで別物の灯りたちに、ひっそりと隠れるように存在してたあの頃のこの街に、牛歩の如く進むしかないアクセルとブレーキ、思い出と現実を交互にスイッチする。
『happy New year!』緑のコンビニの前で俺の車はシャンパンのシャワーを浴び年が明けた。
♪生きていてよかった 生きてていてよかった
生きていてよかった そんな夜を探してる♪
着飾ったホストとホステスと酔っぱらい、500円700円1000円を積み重ね新宿界隈を進行した。(そろそろお年玉の1発を拾いたい)そう簡単にはいかない事もこの街で学んだような気もする。
流しのタクシーは夢見る一発屋でもある。我慢して乗せても積んでも我慢して次こそはとロングを夢見る。
『八王子行って』青タン明け(05:00)すぐの頃だった。首元までウイスキーに浸かってるオヤジが赤ら顔の神に見えた。
♪行こうぜ行こうぜ全開の胸で
行こうぜ行こうぜ震わせて行こうぜ♪
案の定寝ちまいやがって家を探すのに苦労したがその分距離も伸びた。18,280円なり。良きかな。
東京の街を初日の明かりが染めて行く。高層ビルの点滅灯が柔らかな光に溶け込みやがて朝日に消えてゆく。
手前しか照さなかったヘッドライトの明かりもそろそろ必要なくなるだろう。雲は赤く切り裂く空気が何処までも透明な朝である。
あけましておめでとう御座います。
今年も頑張って楽しんで生きていきます。
♪全開の胸全開の声全開の素手で
感じることだけがすべて感じたことが全て♪
《深夜高速》
フラワーカンパニーズ 2004年
