ユウの宝物 -40ページ目
記憶があるのは病棟の個室に戻ってから。
目を閉じながら、
尿意を感じるけど気持ち悪い気がしていて‥
『膀胱パンパン』と無意識に言っている、
自分の声で目が覚めた。
膀胱の尿道カテーテルが気持ち悪い。
目を少し開けると、看護師さんが見えた。
そのまま目を開けている事が出来ない。
体制が気持ち悪い。
体を右に向けて貰った。
枕が低くて、枕を高くして貰う様お願いする。
そのまましばらく目を閉じていると
意識がハッキリしてきた。
何時なんだろう。
今朝、移動してきた個室に1人だ。
体が暑くて布団を掛けていられない。
足を少し動かしてみると
お腹に痛みも走らず簡単に動かせる。
足に掛かっている布団をズラして足を出すと
フットポンプが装着されているのが見えた。
お腹に傷を負っている感覚はあるが、
痛いというより熱い感じ。
左手に抗生剤の点滴。
背中にも痛み止めの管が入っているが、
違和感はない。
口には酸素マスク。
取りあえず、周りを見回してみると
机の上には眼鏡と手術結果の説明書。
スマホは枕の横に置いてあった。
時間は見るのを忘れた。
夜7時頃、イケメン主治医が登場。
『起きてますか?痛みはどうですか?』
私『痛くないです。ありがとうございました。』
と上半身を少し上げて笑顔で答えられた。
すると
『良かった!術後、とても痛がっていたから‥
今の元気な表情見られて良かったです。』
と言って去っていった。
私‥痛がってたんだ‥記憶がない‥。
後で姉に聞いたが、
『はあぁぁ‥はあぁぁ‥』と
と大きな溜息で痛さアピールしていたらしい‥。
イケメン主治医も看護師さんも
痛み止め使っているんですけど‥と困惑。
まーったく覚えてない!
手術終わって意識が戻るんじゃないの?
病衣を着せて貰った記憶もないし、
病室まで運んでもらった記憶もない。
全身麻酔前もいつの間にか記憶飛んで、
終わってからも微妙な意識の戻り方だった。
私、薬効きやすいのか?
意識朦朧しているとは言え、
自分の言動に記憶がないとは恥ずかしい。
お酒を飲んで記憶を無くした事はないけれど
同じ恥ずかしさじゃないかと思った。
何時間置きか分からないけれど
術後に何度も看護師さんが点滴のチェックと
検温、検脈、血圧測定、
創部と膣からの出血を確認してくれる。
熱が37.3分だったのでアイスノンを貰う。
よく聞く、寒さと暑さが交互‥は私にはなかった。
ズーッと熱のせい?で暑かった。
横になっている分には痛みもなく、
腕の力で体勢を変えたり出来たので
ナースコールを1度もせずに済んだ。
自分でスイッチを押して追加できる痛み止めも
1度も押さずに過ごせた。
術後直後は騒いだかも知れないが、
優秀な患者だったと思うな。
目覚めてから眠気もなく、スマホをいじったり
TVを見て過ごしていた。
すると会社のお笑い好きの方から
動画付のLINEが‥。
会うと元気になれる存在。
価値観、感覚が同じと言って貰えている。
手術と病気の事は伝えていたけれど、
ハッキリ手術日は伝えていなかったから
まさかのタイミングでLINEが来てしまった。
LINE見たら笑うと分かっていて開いてしまう。
手術後、初笑い!
その後、滝沢カレンちゃんにも
TVで笑わされ‥お腹に響いた‥。
せっかく個室でゆっくり眠れるのに
手術中に眠っていたからか
夜もほとんど眠れずに過ごした。
朝方、ベテラン看護師さんが来てくれた時、
私が眠れていないのに気付き
カーテンを少しだけ開けてくれた。
外はすでに明るくなりかけてきていた。
けど、それで眠れる方もいるそうだ。
私も‥そこから眠りに落ちた。
さすがベテラン‼︎
暗くするだけが眠りを誘う訳じゃないのね。
午前10時
姉から病院へ着いたとLINEが入る。
姉はラウンジで待機だ。
私は弾性ストッキングを履き、病衣を着替える。
そのタイミングで上の下着は外し、
体全体をウエットシートで拭いた。
しばらくシャワー浴びられないもんね。
髪はボブの長さなので、後ろで1本に縛る。
午前11時。
看護師さんが病室を訪れ、
『前の手術が終わりましたので、手術室へ
向かいましょう。』
と言った。
ついにきたか‥。
ラウンジで待つ姉に声を掛けに行く。
『今から手術だよ。一緒に手術室前まで来る?』
と聞くと
『行かない。』
との返答。冷たいわー‥。
姉が手術受ける時、絶対に私も同じ対応する‼︎
と心に決めて、看護師さんと一緒に
手術室まで点滴を従え歩いて向かった。
どこをどう歩いたのか全く覚えていないけれど
手術室前に着く。
看護師さんと私は手術室前で手指消毒。
ヘアキャップを被り、ドアが開く。
中へ入り、看護師さんが私の名前等を伝え、
病棟看護師さんとは、そこでお別れ。
目の前から病棟看護師さんが居なくなると
その先に前日に会った手術室看護師さんがいた。
目元がニコッと笑ったけれど、私は反応出来ず。
左手には女性の看護師さん。
手術台の奥に2人の先生。
手前はイケメン主治医。
イケメン主治医も私と目が会うと
ニコッと笑って軽く頭を下げた。
私はやはり緊張でガチガチに固まって直立不動‥。
男性看護師さんに手術台に上がる様言われ
シングルベットの半分位の幅の手術台に上がる。
結構高さがあり、滑り込む様に上がったので
私の身長から考えると80センチ位かな。
手術台に上がると直ぐに
病衣の上を脱ぐ様に指示される。
前は女性看護師さんに布で覆い隠して貰い
後ろからは男性看護師さんに隠して貰い、
気遣って貰いながら上衣を脱ぐ。
気遣って貰っているけど、隠されてる方が
恥ずかしい気がした。
記憶がなくなったら全て見られるだろうし、ね。
左側を向いて体が丸くなる形で横になる。
女性看護師さんが、前から体が動かない様に
覆い被さる様に支えてくれた。
神経ブロック注射を背中に刺され、
それから硬膜外麻酔。
麻酔科の先生は女性だ。
痛い時は言葉で伝えるか手を上げてくださいと
言われるが、
痛い感覚はないけれど‥
モゾモゾ嫌な感じが
いつまでもいつまでもしていて‥。
怖くて私も少し動きそうになったり‥。
モゾモゾされると、
いきなり痛くなるんじゃないかと怖かった。
目を強く瞑って我慢していたけれど、
余りにその時間が長くて、恐怖で涙が出てくる。
それに男性看護師さんが気付き、
『汗、拭きますね。』
と涙を拭いてくれた。
涙ですよ、涙。
と心の中で突っ込みながらも、優しさに感動。
でも、怖すぎて何も反応出来なかった。
それからもしばらくモゾモゾは続き、
恐怖で涙が溢れ‥をしていたら
硬膜外麻酔の途中で記憶がなくなった‥。
10月9日
手術当日。
43年間一緒に生きてきた
子宮、卵巣、卵管とお別れ。
早朝4時、下剤が効いてお腹が痛くなりトイレへ。
お腹の中がスッキリした後は
何度も何度も子宮のあたりを撫でていた。
手術の時間は11時半予定。
前の手術が終わったら手術室に呼ばれる。
私の前の手術は帝王切開手術で
早く呼ばれる可能性が高いと言われ、
姉には10時に病院へ来て貰う事になっていた。
起床時間の朝の6時、
検温、検脈、血圧測定をして貰う。
それからアクアファンを飲んだ。
それでお腹も満足して、水を飲んで終了。
後は何も口にしてはならない。
同室の方々の食事の匂いも気にならなかった。
8時半過ぎ頃だったかな?
看護師さんが来て、
『今日と明日は個室になりますね。
差額ベット代、1日600円位かかってしまって
申し訳ないのですが‥。』
と言われた。
個室の差額ベット代、600円なんて破格過ぎる‼︎
ゆっくり出来るし、イビキにも悩まされない‼︎
最高‼︎
一気にテンションが上がる。
看護助手の方に
ベットやTV、荷物の入ったクローゼット等の
移動をして貰う。
場所はナースステーションの目の前。
移動して貰っている間、点滴をしている私は
手伝わずに椅子へ座っている様に言われる。
お仕事の1つだろうし安全の為だとは言え、
申し訳ない気持ちだった。
部屋のお引っ越しが済み、
ベットの上でくつろいでいた午前9時。
イケメン主治医登場!
何かと思えば
『昨日の血液検査結果ですが、
貧血が進んで7.4まで下がっているので
輸血の準備もしておきますね!』
と言われる。
‼️
初めて聞く値〜‼︎
鉄剤飲んでいても急降下した値に驚いた。
1ヶ月前より、値が3も下がってる。
鉄剤飲んでなかったら、
どこまで貧血が悪化してたんだろう。
やはりそれ程まで、性器出血は酷かったのだ。
‥輸血かぁ。
手術当日、部屋の移動やら輸血の話やら
落ち着かなかった。

