苦しみ 悲しみの乗り越え方(ミニラ編)-② | Passion 

Passion 

passion8  【すばらしい人生】

「ひゃ~ すごい雨でしたね!」


僕は バスタオルでミニラの体を拭きながら

背中の後ろにチャックがないか入念に調べた

しかし どこにもチャックは見当たらない


ピカッ! ドーーン バリバリ!!


またまた 雷が鳴った


「すごい雷やー!!!」


「そらそうやろ ワシが来る為に鳴っとるんや」


「来る為? 来る為に雷が鳴ってるんですか?」


「そうや 雷はこちらの世界と あちらの世界との

 扉が開いたときに鳴るんや」


「へー そうなんですか」


変なこと言う おやじミニラやなー

まぁ ええか いい事 教えてもらわなあかんし


「あっ そうそう お茶とお菓子食べてくださいね」


「おっ ちみ なかなかみどころあるやん

 この どら焼きおいしいやん」


ミニラはどら焼きを一口で食べ

口をもぐもくさせてた


「あのー 助けてくれるんですよね

 僕はほんとに 苦しんでるんですよ

 ミニラさん 苦しみを軽減するツボを教えてください」


ミニラは まだ 口をもぐもぐさせてる


「ほんと どうしたらいいのか わかんないんです」


ミニラは まだ もぐもぐさせてる


「あのー 教えてほしいんですけど」


まだ ミニラは  もぐもぐさせて何も言わない

僕は 偉そうにしてるミニラを見てカチンとなった


「おいっ! こっちが下から出てたらいい気になってよー

 こらっ はよ 教えんかい!チビラ!」


「チビラとは なんや!

 わしがいちばん気にしてること言いやがって!!」


ミニラは急に両手を上げて立ち上がり

口の中で噛み砕いたどら焼きを あたり一面にまきちらした


「あっ すみませんでした まだ 食事中でしたね

 ゆっくり噛んで 食べてくださいね」


このおっさん 歯がないから食べるのが遅いんか

まぁ しゃーないなー 中身はおっさんやけど

外は赤ちゃんやからなー あはは・・・

僕は心の中で 吹き出しそうになるのをおさえた


ミニラはやっとどら焼きを飲み込めたのか

お茶をすすりながら話し始めた


「それはそうと何を助けてほしいんや」


「はい 最近カクカクシカジカで毎日のように

 ほんと嫌な事が続いてるんです 

 こんな状態なんで夜も眠れないしイライラするし不安だし

 ぜんぜん楽しくないしどこか遠いところへ逃げ出したい気分です 

 そうかといって長い間勤めてきた会社辞めたら食べていけないし 

 どうしようもない最悪の状態なんです!

 どうしたらいいですか?助けてください!」


「何を言うとんや」


「何を?…何って今説明したじぁないですか ちゃんと聞いてくださいよ 

 何の為に耳がついてるんですか

 あっ よう見たら 耳どこにあるの?

 ひょっとして耳ないんちゃうの?・・・・・・!」


ヤバイ!またムカッときて ほんまの事言ってしまった

何か 何か良い言い訳…


「って言うのは冗談で何を言うとんやとはどういう意味を

 表しているのでしょうか   

 教えていただければありがたいのですがミニラ様」


ミニラはヒクヒクする口をおさえながら話し始めた


「あのなー今こういう事が起こってるのはおまはんが

 あちらの世界におる時に

 おまはんがワシらとで一緒に考えて決めてきたことなんやで」


「えっ なんで僕がこんな嫌なことを決めてきたんでしょうか 

 どうせならもっと楽しくなること決めてくるって思うんですけど

 それと あちらの世界って どちらの世界ですか?」


「おまはんは 自分の言うたことわすれてしもたんかいな

 まぁ しゃーないけどな 記憶を消すようにしてるから

 あちらの世界っていうのは この地上に生まれる前におるとこや

 この地上におる人みんな 生まれる前にあちらの世界にいたんや

 あちらの世界っていうのは おまはんらが俗に言う天国ってとこや

 天国では 今の肉体はなく 魂の存在でな

 この地球上に生まれる前に いろいろと決めてくるんや」


ほー なんかわかんないけど 内容がちょっと面白そうやから

もうちょっと 聞いてみよかな・・・


「そうですか! あちらの世界というのは理解できましたが

 いろいろと決めてくることって どういった内容ですか?」


「せやなー ほんま いろいろや 

 あちらからこちらを見て どの両親の間に生まれるか

 男か女か 男前か 美人か 普通か そうでないか

 家族の状況は 裕福か 貧乏か 普通か

 病気がちか 普通か 健康か 夢や希望もそうや

 生まれる時代も時期もや

 その他 まだまだあるでー

 そんなたくさんのことを

 おまはんとワシらとで決めてくるんや」


なんかわかんないけど おもしろそうー


「なんで そんなことを決めてくるんですか」


「それはなー 霊性 霊格を上げるためや

 魂にはいろいろあってな この魂は ここがいいけど

 ここがあかん とか いろいろあるんや

 まぁ 最終的にはワシに近づくって感じかな」


「ワシに近づくって?」


「わからんのかいな 見返りのない愛や

 無条件の愛や

 ワシは愛そのものなんやで!」


ミニラは ちょっと偉そうに 机の上にあった

僕のタバコをふかし始めた

このおっさん 俺のタバコを勝手に吸いやがって!・・・・


「あの~ それはそうと 今回の僕の最悪な状態と

 何の関係があるのでしょうか

 全く意味のない話に付き合わされて 少々疲れてきました」


ミニラの目が真っ赤に充血し始め

溶鉱炉から出る煙のようなものが 小さな耳らしき穴から出始めた

 

!!!僕はびっくりして冷蔵庫から氷を持ってきて

ミニラの頭の上と 小さな耳と 小さな鼻の中に

無我夢中になって入れた!!!


「あ~ 気持ちええがなー」


「あっ そうですか! よかった!

 ミニラさんが なんか暑そうだったので

 氷を持ってきたんです! それはよかった!」


ミニラはバカなのか 

うれしそうにタバコをふかし始めながら話し出した


「あのなー せやから 今おまはんに起こってること

 すなわち 嫌なこと 最悪なことは あちらの世界で

 おまはんが 決めてきたことなんや」


「決めてきた こんな嫌な事を? 僕が?

 でも 何の為に最悪なことが起こってるのですか

 霊性とか霊格とかを上げるためには この方法しかないのですか

 僕って あちらの世界ではバカだったんですね・・・

 (おっさん以上に・・)」


「そうやー ほんまにバカやー

 せやけど おまはん あちらで言うとったで

 『僕はたぶんこれぐらいの辛い経験しないと

 絶対にわかんないと思います これは絶対に必要なことなんです』

 とか言うとったわ」

  

「そんなん言うわけないですよー こんな嫌なこと

 これでもか これでもかって感じで

 夜も眠れないから 睡眠薬でも飲もうか って考えてた位ですよ

 ・・・・ でも もし僕がそれを決めてきたとして

 霊性 霊格をあげる為には 具体的に何をすればいいのでしょうか」


「それは言われへんなー うふふ」


「おっさん!! うふふ ってなんやー!!!

 こんなに苦しい思いしてんのにー!!!  アホー

 ちょっとぐらい教えてくれてもええんちゃうかー!!」


「あはは   まー今の失言は許したろ

 これは教えたらあかんねん

 教えても理解できひんからや」


「何で理解できないんですかーー!!」


「よう テレビなんかでやってるやろ 

 あんなことがあったから その人の気持ちが分かるようになったとか

 ああいう経験しなかったら この道には進まなかったとか

 それや それ」


「あー そんなの見たことあるけど

 僕には 分かりますよ その気持ちは

 そんなテレビ見て 感動して泣いた事なんて何回もあります!」


「違うんやなー 言葉や画面で見た事と

 実際に経験したこととは ぜんぜん違うよ」


「はぁー 僕はどうしたらいいんですか

 こんなんじゃ 何の役にも立たない

 煙まきちらす 偉そうなただのバカミニラですね・・・」


あっ また感情に任せていらんこと言うてもーた!

なんか もーちょっとでいいこと教えてもらえそうなのに!


「あー!!! そうや!!

 今日 なんかミニラさんが来るような気がしてて

 蓬莱の豚マン買っておいてたんですよ!

 どうぞ どうぞ食べてください!」


僕は急いで電子レンジでチンして

ミニラの口に無理やり放り込んだ

豚マンが熱かったのか ミニラはそこらじゅう飛び跳ね

最後には仰向けになって 足をバタバタさせた

それから しばらくすると熱くって充血してたミニラの目が

愛に満ちた天使の目に変わってきた

  

「おいちぃ~!!

 これなんて言うものなの? めっちゃおいちいでちゅ~!

 ホクホクして それでいて なんかこう 

 癒されるっていいまちゅか~

 ちみ~ なかなかみどころありまちゅね!

 また 買っておいてくだちゃいね~~~!」


やっぱりバカや でもバカでよかった!

単純なんは扱いやすいからなー ははは