三人のかたの生きざまを描いていました。率直な感想としてやはりその問題そのものは個人的なものだなということです。ただし、過去の体罰を全否定したということで組織の責は問われるべきものだと思いますね。その意味でこういった証言が重ねていけば、組織の嘘が確立するので有意義な活動です。
小松猛さん
親を喜ばせることが喜びだということで、宗教活動を続けていたようです。通信制の高校に通い、毎日伝道をしていたというので開拓者だたようですが、それはただ単に親を喜ばせたいというだけものだったのだろうか疑問です。つまりご自身もある程度は信じていたのではないか、また奉仕で仮に信者獲得に貢献したのであればそのことについてどう思っているのかということです。非信者と結婚したことで排斥になったらしいのですが、確か非信者との結婚でも婚前交渉をしなければ排斥にはならないはずです。信仰の経緯がよくわからないのですが、ただ長年接触をしなかった母と連絡が取れ、事態が好転するかと思いきや、悪性リンパ腫にかかった父から「新聞やテレビに出てやってることは組織に対しての批判でしかない。そういう批判を行っている人に対して快く会う気持ちにはなれない」とのことでした。
ここがポイントですね。つまり「組織に対しての批判で『しか』ない。」の部分です。つまりご本人は開拓奉仕をしていたくらいですから、組織の中での友情もあったことでしょうし、仲間からのもてなしなどもあったはずなのに組織を全否定し、しかも事実をゆがめセンセーショナルな編集をしたがるメディアを利用するのでそういう姿勢を改めれば父親との交流が復活したのにそうやらその点、つまり批判でしかないという言葉を聴いて、改善しなかったからこそ今回もメディアに出たので父親の感情に対する配慮が見られませんでした。「人生を破壊する恐ろしい宗教だ」とメディアでいう以上自ら親子関係の修復を願っていないということになるかもしれません。その宗教で居場所を見出している幸福な人へのこれは誹謗中傷になります。ただ体罰に関して母親はあって謝罪したいという言葉がありましたが、実際会ってどうなったのかまでは報道されませんでした。メディアは父親の異常性を強調する編集を行いました。
夏野ななさん
はなから信仰など持っていないので体罰を受けたようで、体罰被害の最も悲惨なグループに属する方です。ただ3世ですので親は2世ということですので夏野さんの親はその親から体罰を受けたのかどうか、その体罰を親はどう見ていたのかなどの情報が欲しいですね。つまり親は体罰を受けてよかったと思っているのであれば、親のした体罰という方法は親にも言い分はあるでしょう。夏野さんは元親に向き合い、なぜ信仰のない私に体罰をしたのか、なぜ宗教を強要したのかをとことん話し合ってからでないと全体像がはっきり見えません。夏野さんの経験のポイントはなんといっても「信仰のない」子供に強要したことでしょう。つまり親は時間をかけて子供にエホバに対する信仰を培わせ、神への愛を抱くまで教育するべきだったのにそれをしませんでした。
田中弁護士。
3人中、もっとも理解できませんでした。
それと田中弁護士は聖書を熱心に研究し、ブログなどでもコメント者の質問にすらすら答えていました。組織内での特権を得るためにべテルにも行きました。田中弁護士は大学進学を組織は禁止していたかのようなことを語っていますが、それはあくまでも田中弁護士の親の方針であり、大学へ進む若者も数多くいました。現に日本支部の調整者乳井健司は大学へ進学しています。
また疑問が生じたという部分ですが、田中弁護士はブログ記事で「もしべテルで尊敬できる人に出会ったらいまでもエホバの証人であり続けたかもしれないが、K君というろくでもない人間が特権をもらっているのを見て覚醒した」と書いていました。つまり田中弁護士の信仰に影響を与えたのは不完全な人間だったということで疑問を持った理由が何やらしっかりとしたものではないように思えました。
母親を救いたいと言っていましたが、それこそ何が幸福かを決定するのは人の自由で、田中弁護士の母がエホバの証人であることで幸福なのであるならば、それを奪う権利は息子にはなく、少々思いあがっている気がしました。「エホバの証人を辞めれば幸福」というのは甚だしい固定観念です。これは田中弁護士、小松猛さん、そしてアーカイブ団体主催者に共通した考えです。幼少期の写真を見ると結構幸福で楽しそうにしていて表情も温和です。いまのほうが険しい表情ですのであまり幸福そうには見えません。田中弁護士の母親が昔と変わらぬ幸福そうな顔をしていれば、その幸福を奪い去る権利は田中弁護士にはありません。そもそも母親が不幸であると決めつけた考えには同意しかねます。