旧統一教会に関する報道を見て気づいたことがあります。統一教会の場合は、両親が信者の場合「祝福2世」と呼ばれるようで、「生まれながらにして神の子」であるとみなされています。
一方エホバの証人の場合は、統治体成員スティーブン・・レットの言葉によると「生まれながらにして神の敵」だとみなされます。
私がこの記事を書いたときに、次のようなコメントがありました。
「レット氏の認識がどういうものかは分かりませんが、「神の敵」という表現自体は聖書の記述に一致したものだと思います。
ご指摘のローマ5：10でパウロが神と和解したと述べているのは新しい契約を結んだ「キリストの兄弟（聖なる者）たち」についてのことであって、人類の初穂となる彼らは新しい契約によってキリストの贖いの益を最初に受けて神と和解し、千年王国で祭司として人類の贖罪を行う務めを行うために信用貸しの仮贖罪の状態に入っていますから、確かに1世紀の聖なる者たちは神との敵対関係にはもうありませんでした。
でも神と新しい契約を結んでいない一般の人々は、まだ神と敵対関係にあります。もちろん自称「油注がれた者たち」の統治体も、神と新しい契約を結んだという客観的な証拠はどこにもありませんので、彼らもまだ私たちと同じく神と敵対関係の状態です。」
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このコメントに対し私は「記事を書く」と言ったまま放置していました。あの事件があったからですが、統一教会の2世に対する情報などが流れたので、もう少し考えてから書くつもりでした。
まずローマ5：10の解釈ですが、基本的にエホバの証人の解釈に基づいたものであり、その解釈が正しいかどうかから吟味しなければならないでしょう。「義の信用貸し」というのもまたエホバの証人独自の解釈です。
ただコメント者の「彼らもまだ私たちと同じく神と敵対関係の状態」という表現に関しては違和感があります。確かにキリストの贖罪以前であればそうなのですが、神が人類と和解するためにキリストを遣わした以上、少なくとも「和解関係」にあると言えるからです。さらにその敵対関係という言葉は生まれたばかりの赤ん坊に適用できるかどうかも疑問です。生まれながらに「罪人」ではありますが、それは「敵対関係」と言えるかどうかです。例えば詐欺の被害に遭った時に、犯人が弁済し、民事上の和解は成立しても、刑事上の罰則は受けるからです。ましてや生まれたばかりの赤ちゃんは自分の意志で何かを行うわけではなく、神に対して「敵対行為」をした過去はありません。
さらに親が忠実な信者の場合、意思決定を持たない子供は神聖なものと見なされるという注解をものみの塔はしています。
これらを考えると「生まれたばかりの赤ちゃんは神の敵だ」というレットの言葉は、ものみの塔記事をよく読んでいないか、サイコパスなのか、過去記事を理解できないバカなのかのどれかでしょう。むしろ「祝福2世」という統一教会の理解の方が、ものみの塔的解釈によれば正しいことになります。
ただ統一教会の場合は「祝福2世だから1世と同じように自己犠牲が求められる。もし教会の意にそぐわないことをすれば祝福を失う」という論理が働きますので、2世に対する厳しい制約が設けられているのでしょう。たぶんそういう論理ではないでしょうか。
一方ものみの塔の場合スティーブン・レットのような考えを持つ親が、「子供の中にいるサタンを追い出す。」という考えで激しい体罰を加えたのです。レットの考え方と言葉はあの体罰を容認、推奨するものとなっています。統一教会の場合激しい体罰を受けたことを2世信者は訴えません。ここは大きな差があります。統一教会の教えと比べて、どちらがサイコパスかと言えば明らかにレットです。
スティーブンという名は殉教者ステファノに由来するものですが、迫害者の罪を許すように神に懇願したステファノとは異なり、統治体を批判するものをマフィアだとか麻薬常習者だとかテロリストだとかスカンクだとか口汚い言葉と憎悪感情丸出しの醜い表情で罵るスティーブン・レットはおよそステファノの精神など全く受け継いでいないことはわかりますね。