前々記事でも指摘しましたが、現在の統治体は聖書的にはグダグダになっていますが、それでも自分たちの権威を見せつけるためには、世界的な伝道を辞めるわけにはいかないのです。悪知恵を働かせる統治体はいつの間にか忌々しき本末転倒をしているということになるのです。
正しい順序とは、普通に考えれば、まず聖書の原則にのっとった組織運営をし、そこで聖書のすばらしさを目の当たりした人たちが、信者となり、他の人に分かち合いたいという願いを抱いて布教活動に加わるというものです。つまり「信仰を持つ→布教活動を広める」というのが順序です。この最初の「信仰を持つ」ためには個人が自分の中で考えて決定するということが大前提となります。
ところが今の統治体は、聖書の原則にことごとく違反しながらも、とにかく布教活動を全世界で行うというアピールをすることで自分たちは正しい事をしているのだと信者に思い込ませているのです。つまり外形的に「世界的な伝道をしている→信者が疑問を持っても信仰を抱かせる」という方策をとっています。それ故に自分の信仰を説明できる信者は、特に2世、3世では少なくなります。1世でも「神を作ったのはだれか」と基本的なことすら説明できないで数十年も開拓者と長老をしていた浮草信仰を持っていた人もいるくらいですからね。
言い換えればいくら自分たちがやりたい放題のことをしても、世界的な伝道をしている限り「忠実で思慮深い奴隷級」と主張できると彼らは考えているのです。この宣教活動をしている限り、他の面で何をしようが許されると考えているのです。そのために彼らが利用しているのはブロードキャスティングなのです。
ところが、イスラム教圏、共産主義国家などでの布教活動は壁がありますので現実は全世界で布教が活発に行われているのではありませんし、今後も無理でしょう。それを統治体はいかにも全世界で布教しているとアピールするのです。
このような統治体の本末転倒は、『善を悪に、悪を善に』変える点で表れています。キリスト教世界の慈善事業を非難することでそれは明確に出ています。学校や病院を建てていることまで非難しています。具体的に言えば、聖マリアンナ病院や淀川キリスト教病院で勤務する医師看護師よりも、実のない奉仕を繰り返す開拓者を評価すようになっているのです。医師の働きよりも祈りの方が力がると思うのは奇怪な宗教と変わりません。上智大学生よりも、神権宣教学校にいる信者の方を高く評価しているのです。何しろ統治体成員のスティーブン・レットが醜怪な表情で高等教育をペットの糞だとたとえるくらいですからね。
そのくせ野外奉仕で相手が医師や大学教授だと聞くだけで、しり込みをするエホバの証人が何と多いことか。
それでも統治体は懲りずにますます世界的な業を強調している限り自分達の身の安泰を謀ることができると思っているのです。宣教をしている限り、中身がでたらめでも「忠実で思慮深い奴隷級」という絶対的立場を維持できるのです。そしてその外形を整えるために、重なる二つの世代の解釈や強制寄付や奇妙に思える指示を乱発するのです。日本支部がそういう彼らの足を舐めることができるのも、信仰の根拠が「世界的な業」を行っているというただ一点に絞られているからです。