「青天を衝け」最終回、年老いた渋沢栄一を熱演した吉沢亮。ラストは今までの放送を回顧したとはいえ、何か違和感を感じたのは渋沢栄一の老境ぶりが非常に若々しかったことです。メイクもそうですが言葉の力強さも若い時のものと変わりません。年老いた渋沢のメイクは髪を白くすることでしか表すことができませんでした。目力も若い時のままです。
一方「チップス先生さようなら」でチップスを演じたロバート・ドーナットのメイクと動き、口調は老翁にふさわしいものでした。このメイク技術は素晴らしいものでした。演技もアカデミー主演男優賞を得るくらいですから年相応の演技をしていました。話す言葉は老練でしたが、衰えを目力で表していました。
両方とも最後に過去の映像を回顧するのですが、「青天を衝け」は約1年前の放送の映像で、チップスはわずか2時間ほど前の映像です。それでもチップスの方が懐かしさを感じさせるものでした。
約80年も間があるのに、アメリカのメイク技術は素晴らしく、天下のNHKのメイク技術は学芸会並みです。如何にNHKのメイクスタッフが無能であるかを思い知らされます。NHKスタッフはもう少し研鑽を積んでほしいですね。メーキャップ技術は80年前のアメリカに比べ天地の差があります。メイクもまたドラマの重要な一部であるということに自覚と誇りを持ってほしいものです。