「羊の皮をかぶった狼」で連想するのは「赤ずきん」の童話です。
純粋無垢な少女を巧みな言葉でたぶらかし、その善意を利用して自らの欲望を遂げるさまが似ていますね。ここに登場するオオカミは羊ではなくおばあさんを装いました。この「装う」というのが羊の皮をかぶっているところと共通します。正体を明かさないのです。
狼は成功体験に基づいてどうすれば純粋な人間を誘惑できるかに熟知しています。そして味を占めた後は屠るのです。
↑の外見では狼だとわかりますが、何しろ羊の皮をかぶっているとなかなか見分けがつきません。
「楽園の希望」と「敬虔さを示すこと」が統治体の成功体験で用いる手です。それで信者の信仰と善意をくすぐります。
赤ずきんの無知と無警戒をこの物語の教訓として学べることもできますが、それでも赤ずきんを罵倒する人は人間としてどうかしていると言われても仕方ないでしょうね。