随分昔の話。
我が家を訪れた母子がいた。
子供はまだ生後半年くらいだったと思う。
その子は、玄関で迎えた時から、ひどく泣き叫んでいた。
母親は、部屋に入るや否や、子供を畳に転がし(そんな感じだった)、
ママバッグからポテトチップスの袋を取り出し、開けて、子供に与えた。
子どもはポテトチップスには目もくれず、ひたすら耳のあたりをいじりながら泣き続けた。
子供は見るからにアトピー性皮膚炎で、耳切れをしていて、そこが痒いようだった。
後、私が覚えているのは、子供が延々と泣き続けたということと、
母親に、ポテトチップスなんか食べさせない方がいい、と言うか言わないか迷って、
結局言わなかったことだ。
特に親しい間柄でもなかったし、私は年下だった。
いや。
今から思えば、それは言い訳で、
子供の症状から、ポテトチップスを与えなければ問題はなくなる、とは思えず、
中途半端な助言は無意味と思えたからだ。
今ならどうだろうか。
年も重ねたし、若いお母さんに、知っていることは伝えると思う。
目新しいもの、便利なものは、暮らしの中で習慣化する前に、
健康に影響するかしないか、リサーチした方がいいよ、と言うと思う。
電磁波も化学物質も、折り合えるボーダーラインがあって、それは人によって違う。
折り合えるボーダーライン、というのが難しい。
ボーダーラインを超えないと、ボーダーラインがわからないからだ。
さらにやっかいなのは、体調不良を自覚したその時には、
その原因が習慣化した暮らしの中にあるとは思いも寄らない、ということだ。
一昨日のネットニュースで、
日本眼科学会などが子供用のブルーライトカット眼鏡装用に慎重意見、とあった。
太陽光のブルーライトが、子供の心身の発育に必要だからだ。
そもそも、子供用のブルーライトカット眼鏡は、
現実問題として、子供の日常が屋外で太陽を浴びる時間などなく、、
ゲーム、パソコン、スマホに支配されているなら、眼を守るために、
ブルーライトをカットする手立てが必要だろう、の発想から作られている、とも言える。
どう捉えるかは、親次第で、子供の健康度も、親次第、となる。
ところで。
私は、就寝前にスマホをいじると、なかなか寝付けない。
デジタル端末のブルーライトを至近距離で浴びて起こる自律神経の乱れが原因と思っている。
子供は、体の回復力が早い。
それは、睡眠中に増える成長ホルモンが傷ついた細胞をより丈夫に修復しているからだ。
朝、目覚めて我が子が、いつもと同じ活力に満ちていれば、質の良い睡眠が保持されているわけで、
今の暮らしに問題はないと思う。
でも、そうでなくなった時は、原因として、デジタル端末のブルーライトを疑っていいかもしれない。
質の良い睡眠が損なわれ始めたら、生活を見直す必要があると思う。
ボーダーラインを見逃さないために。
