物心ついてから、小学校1年生まで、ずっと一緒に遊んだ友だちの女の子がいた。
その日、急いで学校から帰ったが、引っ越した後だった。
しばらく、一緒に隠れんぼした家の周りの物陰を、ひとりうろうろしたのを覚えている。
数か月経って、友だちが死んだと、遊び仲間の男の子から聞いた。
引っ越した先で、母親は寂しくて鬱病になり、友だちとその妹を道ずれにガス自殺を図った。
亡くなったのは友だちだけだった。
私がそのことを知ったのは、葬式が終わった後だ。
式には父が参列した、と母から聞いた。
数年して、母が、友だちの母親が女の子を生んだと言った。
それから10年経っただろうか。
母の家で、一枚の家族写真を見つけた。
死んだ友だちに似た感じの娘2人と、見覚えのある友だちの両親が写っていた。
私は、ふーんと眺め、母は何も言わなかった。
また月日が経った。
友だちの母親が亡くなった、と母から聞いた。
家族写真で、母親はひとりだけつまらなそうに立っていた。
そこからゆっくり踵を返すと、いなくなった。
私の心は、長い間、死んだ友だちよりも、母親に囚われていた。
後から生まれた女の子の存在は、私の心を更に悩ませた。
でも。
母親の死で、呪縛から解かれた。
母親は、引っ越す前から鬱病だった。
それを知っても、これは、私の考える私のための結末だ。
母親はずっと、幼くしてこの世を去った娘に会う日を待っていた。
母親の逝った日は、夢の中で娘と決めた、約束の日だった。
