田中一村 | らくがき

らくがき

書きたいときにつらつらと。
大人向け。

発熱してしまい本日お休み。

人様には休め休めと思うものの、こと自分の事となるとなんとなく自分の中で気に入らないのでできれば病欠はしたくない。でも無理して人に迷惑かけるのはもっといやだ…ぐぬぬ


寝る空間に何を置くかは人それぞれ。私の場合、足元側のコーナーテーブルには使っていない空気清浄機、薬や体温計、飲み物、アロマオイル、タッチライトが置かれている。

枕側のサイドテーブルには楽しいもの、わくわくするものが小さく積んである。その都度変わるが、今なら、模型、ひみつストレンジャー、かはくの図鑑、田中一村の作品集だ。

寝る直前に視界にはいるものは好きなものだけでいいし、朝起きるのが楽しみになるし、眠れなかったらこれをしようと思えるので(眠れないことなんてあまりないのだけど)、けっこうこのスタイルを気に入っている。まあ薄暗くして目を閉じたらもう見えないわけだけど…


***

田中一村は日本画家。私は今年初めてその名前を知った。引っ越してから通い始めた歯医者さんで、たまたま本棚の隣の席が空いていて、偶然手にとった芸術雑誌をひらいて、いい絵だと思った。魚の絵。時間にしてほんの五分程度だったと思う。


なんとなく忘れられず、インターネットで検索した。田中一村という名前を覚えてなかったから、やや手間を要したけれど、見つけた時に何かビビッときて、作品集など複数の関連書籍を購入した。


一冊目を読んで、その生涯をすこし知ったうえでいくつかの作品をみたとき、なぜか私は泣いてしまって、自分でも全く説明のできない感情に支配されてしまい、受け止めるのにエネルギーを使い果たしてしまった。

最近似たような経験をひみつストレンジャーでもしたのだが、これはまあ音楽も大好きだし歌詞をベースにほっとするような優しさがつまった絵本だからね、なぜ涙が出るのか頭でも理解ができる。しかしながら、これらの絵については、ひとつひとつにここまで泣かされてしまう理由が自分で全くわからない。


元来うるっとすることはあっても、悲しくもないのにさめざめと感泣するタイプではないのだ。ましてや、絵をみて感動したことなんて一度くらいしか記憶にない。皆がいいという絵、たとえばモネの睡蓮とかみても「ウフフ…きれいですね」ぐらいの感想しか捻り出せない人間だったのに、これはどういうことなのだろうと本当に驚いた。こんなにエネルギーを使うなら一度に少しずつしか読めない。本はたいてい通勤時間の間で一気読みするのが常、雑誌もその場ですごいスピードでペラペラ眺めるのが常だが、これは作品ひとつひとつを添えられた文章や解説も含め自室でゆっくり鑑賞したい。そうして残りの本が積まれたままになっている。さっきも開いて数ページ見たんだけどまた泣いてしまって、やめた。どうやら大変な時間がかかりそうである。